寝台特急"サンライズエクスプレス"乗車行 Part1 [鉄道(路線)]
寝台電車特急というのは、非常に稀有な存在である。かつて国鉄
時代に一時代を築いた581・583系以来、JRが31年ぶりに新製した
寝台電車である285系は"サンライズエクスプレス"の愛称を持ち、唯一
残った東京発の寝台特急として"サンライズ瀬戸・出雲"の名を冠し、
日々東京と四国の高松、山陰の出雲市の間を結んでいる。
私は581・583系に乗車した事がなく、結果的に"寝台電車"も経験
が無い。もっとも模型派の私は、先日の"北陸"と"あけぼの"まで寝台
列車そのものに乗った事が無かったワケだが・・・。
285系サンライズエクスプレス。1998年に寝台列車の復権をかけて
JR西日本とJR東海が新たに製造した特急用寝台電車。寝台はA、Bとも
に全て個室。内装は国鉄時代の質実剛健なものとは違い、住宅メーカ
であるミサワホームが手がけた温もりを感じさせる造りになっており、
まさに次世代の列車寝台設備として相応しいアコモデーションである。
模型派の私としても、一度乗ってみたいと思わずにはいられなかった
のだが、先日このblogで記したように10月某日、ついにその寝台電車
"285系寝台特急・サンライズエクスプレス"に乗車する事と相成った。
サンライズでは車内販売が無いので、自宅を出る時に食事は済ませ
たのだが、列車の中で空腹になるのは何とも惨めであるので、東京でも
直前に軽く何かを食べる事にする。前々から興味があった"東京ラーメン
ストリート"にて、塩ラーメン専門"ひるがお"の塩玉ラーメンを試した。
かなりアッサリした味わいで、とんこつ等の濃厚なラーメンが好きな
人には物足りないかもしれない。個人的に平均点はクリアしているが、
可もなく不可もなく、まぁ間違いの無い"優等生"といった感じであった。
ひるがお 塩玉ラーメン
撮影:CanonPowerShotS90
撮影:CanonPowerShotS90
21時過ぎの東京ラーメンストリート。極太つけ麺の"六厘舎"はこの時間
でもこれだけの行列が出来ている。
売店で日本酒と肴、ペットボトルのウーロン茶を購入し、早速ホーム
へと上がる。
そして21時48分、我がサンライズエクスプレスは新橋方からその巨体
を9番線へと現した(YouTube)。サンライズエクスプレスは22:00の発車
なので時間的な余裕はあまりなく、反対のホームからノンビリと列車の
全景を撮影するのは精神上あまり良いとは言えず、今回は9番線で数枚
撮影するのみとした。
サンライズエクスプレスは東京を7輌+7輌=14輌で発ち、山陽本線
の岡山で前7輌が瀬戸大橋線を通り"サンライズ瀬戸"として四国の高松
へ向かい、後ろ7輌が"サンライズ出雲"として伯備線と山陰本線を走り
出雲市へと向かう。今回の旅定はまず"サンライズ瀬戸"に乗車する事
になる。
東京駅9番線乗車位置と発車案内
今回乗車する4号車
D300Sのオペレーションをミスったせいで粒子が粗い上に構図
もイマイチである。実は先頭部の写真はもっと酷いので掲載を
見送らせて頂く(大汗)。後日改めて東京へ撮影に行く必要が
ありそうだ・・・。
それにしてもE231や211系の出入りする東海道線ホームに入線する
285系の巨躯は圧倒的な存在感を放つ。その堂々たるダブルデッカー
の車体は、日常の中に強烈な非日常を醸し出している。
この乗車口から乗り込む事から今回の旅は始まる。
撮影:CanonPowerShotS90
4号車通路
通路は山側になるので、部屋は海側となる。車窓を考慮しての構造
である事は言うまでもない。
シングルDX室内のデスクと洗面台
洗面台の前は一面の鏡である
シングルDX室内のベッド
こちら棚のある方が頭になる。
室内のコントロールパネル
撮影:CanonPowerShotS90
目覚ましとラジオ1チャンネル(NHK FM)、各照明の操作が可能。
ベッドの頭側にある。
液晶TV撤去跡
撮影:CanonPowerShotS90
この春まで衛星放送が視聴可能であったが撤去された跡がこれ。
元々受信状況は良くないので、あまり意味は無かったとか。
頭をぶつける人も多かったのかもしれない。
早速自分の部屋に入り荷物を置く。発車時の案内放送を含めたビデオ
を撮りたいので、その前に検札を済ませたいと考えていたのだが、部屋
から出て通路に顔を出した途端、向こうからやってくるカレチ氏と目が合い、
そのまま検札を済ませた。その際にタオルセットを購入したい旨を申し出た
のだが、カレチ氏はとても遠慮がちに、A個室に付いてくるアメニティにも
タオルは入っていると言う。カレチ氏の口調からすると、決して売りたくない
ワケではなく、既にA個室にはタオルがあるので、ただの実用品である
タオルに、改めて200円頂くのは気が引けると言うのだ。この岡山区の
カレチ氏、なんと実直で奥ゆかしい事か。そこで私はサンライズのプリント
が入った別売りのタオルが欲しいと伝え、無事にタオルを入手した。今回
は歯磨きや洗顔等でこのセットを利用するつもりでいたので、タオルと
歯ブラシは持ってこなかったのである。
サンライズタオルセット
撮影:CanonPowerShotS90
このタオルセット、タオルと歯ブラシがやはりサンライズのロゴ入り
巾着に入っている。タオルはナカナカに地が厚く、歯ブラシも付いて
200円はかなりお買い得であると思う。
シングルDXに付属のリネンとアメニティ類
シェーバーやタオル等が入ったアメニティバッグとスリッパ、別売り
のタオルセット。付属のアメニティはかなり盛りだくさんの内容である。
他のサイトや多くのblogでその内容は詳しく紹介されているので、
ここでは内容の詳細を割愛させて頂く。
シングルDXの特典として、持ち帰り可能な使い捨てのスリッパが
付いてくる。これがタオル地でそれなりに履き心地が良い。さらに
シャワーカードも1枚無料で付いてくるのだが、B寝台とノビノビ座席
利用の場合は310円で購入しなければならない。確認したワケでは
ないのだが、1編成あたりの販売分シャワーカードは、おおよそ40枚
程度であるらしい。またナイトウェアは少々丈が短いが、あけぼの等の
寝台列車に備え付けの浴衣よりも地が厚くしっかりした物で、帯(ベルト)
は伸縮するゴム素材であった。デザイン的にも襟があり、その部分だけ
ならちょっとしたバスローブの様なデザインになっている。枕もその他
の寝台列車より硬いタイプのようで、使い心地も悪く無い。
スリッパの横にあるのはサンライズの車内案内にもなっているポスト
カードで、これはノビノビ座席以外全ての部屋に置いてある。
検札も終わり、一通り部屋の中を確認するといよいよ発車時刻で
ある。窓際にビデオカメラを置き、時間を見計らってRECボタンを押す
と、我がサンライズエクスプレスは定刻の22:00に動き出した。次の
停車駅は横浜である。横浜では帰宅ラッシュも終盤といった時間帯で
ある。帰宅を急ぐサラリーマン諸氏の好奇の視線を感じ、何だか少し
くすぐったい。横浜を出ると次の停車駅は熱海、その後は沼津、富士、
静岡と停車する。静岡を出たところで乗客の動きも少なくなり、早速
車内の探検に出かけた(ちなみに発車時のビデオ画像だが車内放送
の音と声が小さいので、公開は見送らせて頂く)。
瀬戸7輌分を歩きながら撮影したビデオもあるのだが、やはりどう
しても撮影者である私が洗面台の鏡やガラスにバッチリと映り込んだ
部分が多々あるので、こちらの動画に関しては公開を見送らせて頂く。
4号車シャワールームの案内
"A個室ご利用のお客様専用"の記述が嬉しい。ちなみに中の
設備はB寝台用と全く同じである。A寝台用のカードでB寝台用
シャワーを使う事は出来るようだが、その逆は未確認である。
シャワールーム脱衣所の操作パネル
シャワー利用後に中央の青いボタンを押すとシャワールーム洗浄
機能が動作する。上部のスプリンクラーの様なノズルから水が噴出
してその後強い冷風で水を吹き飛ばす。一番奥はシャワーカードを
挿すスロットになっている。シャワールーム脱衣所の鍵をかけてカード
を挿す事でシステムが起動するようで、カード挿入後に鍵を開けて
外に出るとカードは無効になってしまう。タオルや着替え等は忘れ
ないよう注意が必要だ。
*シャワールーム内部は利用直後であったらしく、ちょっと湿度が
高そうだったので未撮影。
サロハネ285-3001の車番プレート
なんとJR東海車(3000番台)のトップナンバーである。
285系は7輌×5編成が存在するが、そのうち2編成がJR東海の
3000番台になる。
共用洗面台
左にチラッと写っているのはハンドソープ。以前とはブランドが
代わっているらしい。前の方が香りが良かったとの評判である。
ミニサロン(共用スペース)
硬くてすわり心地の悪いイスが8脚。稀に一部の乗客が一晩中占有
する事もあるとか。
自動販売機
北陸の故障していた自販機をフト思い出す。
そういえばサンライズに冷水機は無かったような・・・。
右の階段を下りると階下部屋
サンライズで一番の客室数を誇るB寝台シングルの車輌である。
サンライズは5/7輌がダブルデッカー構造となっている。階下部屋
へは右側の階段を下りて行く事になる。その雰囲気はちょっとした
ホテルの様だ。
ノビノビ座席
ご覧の入りである。この車輌はダブルデッカー構造になっておらず、
写真右側に上下2段、90cm幅の桟敷スペースが枕木方向に並んでいる。
基本的にプライバシーを守るものは、頭部分のパーティションと
カーテンだけでなので、女性1人での利用はあまりお勧め出来ない。
B寝台ソロ
この車輌もノビノビ座席同様、ダブルデッカー構造ではない。
ノビノビ座席とソロの車輌がダブルデッカー構造を採れない理由
は搭載する機器にある。
285系は基本的に7輌で運用されるが、電車として走る為には当然
だがモーターが必要になるので、それら走行装置を床下に搭載する
必要性から、この2輌のみ平屋構造となっている。7輌中走行装置を
搭載した車輌が2輌とは些か心許ない気はするが、それも乗車定員が
少なく、運行時重量が小さい特急用である285系であるから可能な
システムであると言える。
一通り列車内の探検を終え、自室に戻って日本酒を呑みながら、
深夜の車窓を楽しむ事にする。
かつて深夜の東海道を疾駆し、自身乗車する事が無かった"あさかぜ"
や"さくら"に思いを馳せつつ、豊橋に運転停車したあたりから睡魔に
襲われ、そのまま285系の心地よい揺れに身を任せた。
目覚めたのは5:30頃で、姫路を過ぎた辺りである。その後岡山到着
前の車内放送で、列車が数分ほど遅れている事知った。
岡山ではサンライズ瀬戸と出雲の切り離しがあるのだが、前7輌の
瀬戸はそのまま発車するので、切り離し作業を見る事は出来ないが、
ふと外を見るとサンライズの寝巻きにスリッパ姿でホームを歩く剛の
者が若干1名(笑)。最も出雲はこの先も長いので、朝食の手配もあった
のかもしれない。それにしてもあの格好でホームに出るのはちょっと
どうかと思うのだが・・・。
岡山発車案内(車内から撮影)
遅れは僅かなので表示は6:31発(定刻)となっている。
岡山を出ると列車は瀬戸大橋線に入り、次の停車駅が本州最後
の駅となる児島である。児島を出ると、車内放送でトンネルを抜けて
瀬戸大橋を渡り、次の停車駅である坂出に停車と案内があった。
いよいよ個人的にサンライズ瀬戸にとって最大のイベントである
瀬戸大橋通過(YouTube)である。季節や天候によってはここから
朝日を楽しむ事ができ、正にサンライズから楽しむサンライズであるが、
この日はあいにくの天気(と季節)であったのが少し残念である。
瀬戸大橋は1兆円以上の事業費をかけ、1988年に完成した瀬戸内海
を跨いで四国と本州を結ぶ10の橋の総称である。鉄道橋の上部は4車線
の車道になっており、鉄道部分はその下になる。ちなみにこの鉄道部分、
将来の新幹線施設を見越し、新在合計4本が施設可能な設計になって
いる。車窓は基本的にトラスが少々邪魔であるが、想像していた以上
に海面からの高さがあり、かなりの絶景であるがこの瀬戸大橋、実は
強風に弱く、風が強い日は瀬戸大橋線は全て運休となってしまう。
そうなると、当然翌日のサンライズもその運行に大きな影響がでる。
サンライズは瀬戸大橋を無事通過。線路はゆったりと左にカーブし、
高松方面への短絡線を通り、四国最初の停車駅である坂出に到着
する。いよいよあと20分弱で終点高松である。
高松駅6番線に到着したサンライズ瀬戸
若干の遅れは発生したものの、サンライズ瀬戸は無事に高松へと
到着。続きは"Part2"として近日UPさせて頂く。
時代に一時代を築いた581・583系以来、JRが31年ぶりに新製した
寝台電車である285系は"サンライズエクスプレス"の愛称を持ち、唯一
残った東京発の寝台特急として"サンライズ瀬戸・出雲"の名を冠し、
日々東京と四国の高松、山陰の出雲市の間を結んでいる。
私は581・583系に乗車した事がなく、結果的に"寝台電車"も経験
が無い。もっとも模型派の私は、先日の"北陸"と"あけぼの"まで寝台
列車そのものに乗った事が無かったワケだが・・・。
285系サンライズエクスプレス。1998年に寝台列車の復権をかけて
JR西日本とJR東海が新たに製造した特急用寝台電車。寝台はA、Bとも
に全て個室。内装は国鉄時代の質実剛健なものとは違い、住宅メーカ
であるミサワホームが手がけた温もりを感じさせる造りになっており、
まさに次世代の列車寝台設備として相応しいアコモデーションである。
模型派の私としても、一度乗ってみたいと思わずにはいられなかった
のだが、先日このblogで記したように10月某日、ついにその寝台電車
"285系寝台特急・サンライズエクスプレス"に乗車する事と相成った。
サンライズでは車内販売が無いので、自宅を出る時に食事は済ませ
たのだが、列車の中で空腹になるのは何とも惨めであるので、東京でも
直前に軽く何かを食べる事にする。前々から興味があった"東京ラーメン
ストリート"にて、塩ラーメン専門"ひるがお"の塩玉ラーメンを試した。
かなりアッサリした味わいで、とんこつ等の濃厚なラーメンが好きな
人には物足りないかもしれない。個人的に平均点はクリアしているが、
可もなく不可もなく、まぁ間違いの無い"優等生"といった感じであった。
ひるがお 塩玉ラーメン
撮影:CanonPowerShotS90
撮影:CanonPowerShotS90
21時過ぎの東京ラーメンストリート。極太つけ麺の"六厘舎"はこの時間
でもこれだけの行列が出来ている。
売店で日本酒と肴、ペットボトルのウーロン茶を購入し、早速ホーム
へと上がる。
そして21時48分、我がサンライズエクスプレスは新橋方からその巨体
を9番線へと現した(YouTube)。サンライズエクスプレスは22:00の発車
なので時間的な余裕はあまりなく、反対のホームからノンビリと列車の
全景を撮影するのは精神上あまり良いとは言えず、今回は9番線で数枚
撮影するのみとした。
サンライズエクスプレスは東京を7輌+7輌=14輌で発ち、山陽本線
の岡山で前7輌が瀬戸大橋線を通り"サンライズ瀬戸"として四国の高松
へ向かい、後ろ7輌が"サンライズ出雲"として伯備線と山陰本線を走り
出雲市へと向かう。今回の旅定はまず"サンライズ瀬戸"に乗車する事
になる。
東京駅9番線乗車位置と発車案内
今回乗車する4号車
D300Sのオペレーションをミスったせいで粒子が粗い上に構図
もイマイチである。実は先頭部の写真はもっと酷いので掲載を
見送らせて頂く(大汗)。後日改めて東京へ撮影に行く必要が
ありそうだ・・・。
それにしてもE231や211系の出入りする東海道線ホームに入線する
285系の巨躯は圧倒的な存在感を放つ。その堂々たるダブルデッカー
の車体は、日常の中に強烈な非日常を醸し出している。
この乗車口から乗り込む事から今回の旅は始まる。
撮影:CanonPowerShotS90
4号車通路
通路は山側になるので、部屋は海側となる。車窓を考慮しての構造
である事は言うまでもない。
シングルDX室内のデスクと洗面台
洗面台の前は一面の鏡である
シングルDX室内のベッド
こちら棚のある方が頭になる。
室内のコントロールパネル
撮影:CanonPowerShotS90
目覚ましとラジオ1チャンネル(NHK FM)、各照明の操作が可能。
ベッドの頭側にある。
液晶TV撤去跡
撮影:CanonPowerShotS90
この春まで衛星放送が視聴可能であったが撤去された跡がこれ。
元々受信状況は良くないので、あまり意味は無かったとか。
頭をぶつける人も多かったのかもしれない。
早速自分の部屋に入り荷物を置く。発車時の案内放送を含めたビデオ
を撮りたいので、その前に検札を済ませたいと考えていたのだが、部屋
から出て通路に顔を出した途端、向こうからやってくるカレチ氏と目が合い、
そのまま検札を済ませた。その際にタオルセットを購入したい旨を申し出た
のだが、カレチ氏はとても遠慮がちに、A個室に付いてくるアメニティにも
タオルは入っていると言う。カレチ氏の口調からすると、決して売りたくない
ワケではなく、既にA個室にはタオルがあるので、ただの実用品である
タオルに、改めて200円頂くのは気が引けると言うのだ。この岡山区の
カレチ氏、なんと実直で奥ゆかしい事か。そこで私はサンライズのプリント
が入った別売りのタオルが欲しいと伝え、無事にタオルを入手した。今回
は歯磨きや洗顔等でこのセットを利用するつもりでいたので、タオルと
歯ブラシは持ってこなかったのである。
サンライズタオルセット
撮影:CanonPowerShotS90
このタオルセット、タオルと歯ブラシがやはりサンライズのロゴ入り
巾着に入っている。タオルはナカナカに地が厚く、歯ブラシも付いて
200円はかなりお買い得であると思う。
シングルDXに付属のリネンとアメニティ類
シェーバーやタオル等が入ったアメニティバッグとスリッパ、別売り
のタオルセット。付属のアメニティはかなり盛りだくさんの内容である。
他のサイトや多くのblogでその内容は詳しく紹介されているので、
ここでは内容の詳細を割愛させて頂く。
シングルDXの特典として、持ち帰り可能な使い捨てのスリッパが
付いてくる。これがタオル地でそれなりに履き心地が良い。さらに
シャワーカードも1枚無料で付いてくるのだが、B寝台とノビノビ座席
利用の場合は310円で購入しなければならない。確認したワケでは
ないのだが、1編成あたりの販売分シャワーカードは、おおよそ40枚
程度であるらしい。またナイトウェアは少々丈が短いが、あけぼの等の
寝台列車に備え付けの浴衣よりも地が厚くしっかりした物で、帯(ベルト)
は伸縮するゴム素材であった。デザイン的にも襟があり、その部分だけ
ならちょっとしたバスローブの様なデザインになっている。枕もその他
の寝台列車より硬いタイプのようで、使い心地も悪く無い。
スリッパの横にあるのはサンライズの車内案内にもなっているポスト
カードで、これはノビノビ座席以外全ての部屋に置いてある。
検札も終わり、一通り部屋の中を確認するといよいよ発車時刻で
ある。窓際にビデオカメラを置き、時間を見計らってRECボタンを押す
と、我がサンライズエクスプレスは定刻の22:00に動き出した。次の
停車駅は横浜である。横浜では帰宅ラッシュも終盤といった時間帯で
ある。帰宅を急ぐサラリーマン諸氏の好奇の視線を感じ、何だか少し
くすぐったい。横浜を出ると次の停車駅は熱海、その後は沼津、富士、
静岡と停車する。静岡を出たところで乗客の動きも少なくなり、早速
車内の探検に出かけた(ちなみに発車時のビデオ画像だが車内放送
の音と声が小さいので、公開は見送らせて頂く)。
瀬戸7輌分を歩きながら撮影したビデオもあるのだが、やはりどう
しても撮影者である私が洗面台の鏡やガラスにバッチリと映り込んだ
部分が多々あるので、こちらの動画に関しては公開を見送らせて頂く。
4号車シャワールームの案内
"A個室ご利用のお客様専用"の記述が嬉しい。ちなみに中の
設備はB寝台用と全く同じである。A寝台用のカードでB寝台用
シャワーを使う事は出来るようだが、その逆は未確認である。
シャワールーム脱衣所の操作パネル
シャワー利用後に中央の青いボタンを押すとシャワールーム洗浄
機能が動作する。上部のスプリンクラーの様なノズルから水が噴出
してその後強い冷風で水を吹き飛ばす。一番奥はシャワーカードを
挿すスロットになっている。シャワールーム脱衣所の鍵をかけてカード
を挿す事でシステムが起動するようで、カード挿入後に鍵を開けて
外に出るとカードは無効になってしまう。タオルや着替え等は忘れ
ないよう注意が必要だ。
*シャワールーム内部は利用直後であったらしく、ちょっと湿度が
高そうだったので未撮影。
サロハネ285-3001の車番プレート
なんとJR東海車(3000番台)のトップナンバーである。
285系は7輌×5編成が存在するが、そのうち2編成がJR東海の
3000番台になる。
共用洗面台
左にチラッと写っているのはハンドソープ。以前とはブランドが
代わっているらしい。前の方が香りが良かったとの評判である。
ミニサロン(共用スペース)
硬くてすわり心地の悪いイスが8脚。稀に一部の乗客が一晩中占有
する事もあるとか。
自動販売機
北陸の故障していた自販機をフト思い出す。
そういえばサンライズに冷水機は無かったような・・・。
右の階段を下りると階下部屋
サンライズで一番の客室数を誇るB寝台シングルの車輌である。
サンライズは5/7輌がダブルデッカー構造となっている。階下部屋
へは右側の階段を下りて行く事になる。その雰囲気はちょっとした
ホテルの様だ。
ノビノビ座席
ご覧の入りである。この車輌はダブルデッカー構造になっておらず、
写真右側に上下2段、90cm幅の桟敷スペースが枕木方向に並んでいる。
基本的にプライバシーを守るものは、頭部分のパーティションと
カーテンだけでなので、女性1人での利用はあまりお勧め出来ない。
B寝台ソロ
この車輌もノビノビ座席同様、ダブルデッカー構造ではない。
ノビノビ座席とソロの車輌がダブルデッカー構造を採れない理由
は搭載する機器にある。
285系は基本的に7輌で運用されるが、電車として走る為には当然
だがモーターが必要になるので、それら走行装置を床下に搭載する
必要性から、この2輌のみ平屋構造となっている。7輌中走行装置を
搭載した車輌が2輌とは些か心許ない気はするが、それも乗車定員が
少なく、運行時重量が小さい特急用である285系であるから可能な
システムであると言える。
一通り列車内の探検を終え、自室に戻って日本酒を呑みながら、
深夜の車窓を楽しむ事にする。
かつて深夜の東海道を疾駆し、自身乗車する事が無かった"あさかぜ"
や"さくら"に思いを馳せつつ、豊橋に運転停車したあたりから睡魔に
襲われ、そのまま285系の心地よい揺れに身を任せた。
目覚めたのは5:30頃で、姫路を過ぎた辺りである。その後岡山到着
前の車内放送で、列車が数分ほど遅れている事知った。
岡山ではサンライズ瀬戸と出雲の切り離しがあるのだが、前7輌の
瀬戸はそのまま発車するので、切り離し作業を見る事は出来ないが、
ふと外を見るとサンライズの寝巻きにスリッパ姿でホームを歩く剛の
者が若干1名(笑)。最も出雲はこの先も長いので、朝食の手配もあった
のかもしれない。それにしてもあの格好でホームに出るのはちょっと
どうかと思うのだが・・・。
岡山発車案内(車内から撮影)
遅れは僅かなので表示は6:31発(定刻)となっている。
岡山を出ると列車は瀬戸大橋線に入り、次の停車駅が本州最後
の駅となる児島である。児島を出ると、車内放送でトンネルを抜けて
瀬戸大橋を渡り、次の停車駅である坂出に停車と案内があった。
いよいよ個人的にサンライズ瀬戸にとって最大のイベントである
瀬戸大橋通過(YouTube)である。季節や天候によってはここから
朝日を楽しむ事ができ、正にサンライズから楽しむサンライズであるが、
この日はあいにくの天気(と季節)であったのが少し残念である。
瀬戸大橋は1兆円以上の事業費をかけ、1988年に完成した瀬戸内海
を跨いで四国と本州を結ぶ10の橋の総称である。鉄道橋の上部は4車線
の車道になっており、鉄道部分はその下になる。ちなみにこの鉄道部分、
将来の新幹線施設を見越し、新在合計4本が施設可能な設計になって
いる。車窓は基本的にトラスが少々邪魔であるが、想像していた以上
に海面からの高さがあり、かなりの絶景であるがこの瀬戸大橋、実は
強風に弱く、風が強い日は瀬戸大橋線は全て運休となってしまう。
そうなると、当然翌日のサンライズもその運行に大きな影響がでる。
サンライズは瀬戸大橋を無事通過。線路はゆったりと左にカーブし、
高松方面への短絡線を通り、四国最初の停車駅である坂出に到着
する。いよいよあと20分弱で終点高松である。
高松駅6番線に到着したサンライズ瀬戸
若干の遅れは発生したものの、サンライズ瀬戸は無事に高松へと
到着。続きは"Part2"として近日UPさせて頂く。
2010-10-29 22:53
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サンライズに乗ろうと思っていたので、ためになりました。
by スーパーくろしお (2012-04-12 18:21)