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"超"実用品としての存在意義 [時計]

 OVHに出していたのだが、予定より早く返ってきた。
こいつは私にとって、日常の一部と言って良い相棒である。


rolegmtOVH.JPG


 GMTマスターは今から約50年前にデビューした、ROLEXの
スポーツラインに属するモデルである。当時の国際線パイロット
からホームタイムとローカルタイム、異なる2つの場所の時間が
一目で分かる時計のニーズがあり、それにROLEXが応えたのが
GMTマスターである。パンナム航空に正式採用されていた時代
もあり、GMTマスター2となった今でも、その基本デザインは
登場時から殆どと言って良いほど変わっていない。つまりそれ
だけ完成されたデザインなのだと言える。これは半世紀と言う
時の流れを考えれば、実に驚異的な事ではないだろうか(その
意味ではオメガスピードマスターシリーズも実に素晴らしい
一品である)。

 赤い針は24時間針になっており、基本的にホームタイムを
指す。そしてGMTマスターのアイデンティティたるローカル
タイムの表示方法であるが、短針のみ1時間単位で動かす事で
時差を修正するのである。
 つまり、外国に行く際、短針を前後に動かしてその国の時間、
ローカルタイムに合わせる。そして赤い24時間針は日本(ホーム
タイム)を指しているという事になる。勿論、左右に回転する
ベゼル(文字盤外周の赤黒の部分)を動かし、24時間針でローカル
タイムを表示させても構わない。
 欠点としては、止まってしまった時に日付を合わせるため、延々
と針を進める必要がある事だろうか。そう、この時計はその機能
ゆえに、日付表示だけを単独で変更する事が出来ないのである。



 私自身、仕事で海外に行く事は全く無いのだが、ある意味
"プチ・コンプリケーション"と言ってもよいGMTマスターは、
その実用性や機能性、普段使いにおける信頼性と言った意味で、
非常に高い存在理由を持つ実用品だ。

 同じROLEXスポーツラインであるサブ・マリーナの方が、
ある意味実用度は高いかもしれないが、機能性という意味
ではGMTの方が上であると個人的に思っている。一方同じ
スポーツラインでも、不動の人気を誇るデイトナであるが、
特に人気のZENITHムーブを搭載したデイトナ以外は食指が
動かない。さらにそのムーブに関して言えば、私はオリジ
ナルであるZENITHのCal.400を搭載したZENITHレインボーを
所有しているので、今さらプレミア価格でエル・プリメロ
を搭載したZENITHムーブのデイトナを所有したいとも思わ
ない。またEXPLORER-1はその高い視認性と実用性が素晴ら
しいモデルであるのは認めるが、個人的にデイト表示が無い
のは残念だ。人によってEX1を未だに"キムタクモデル"と呼ぶ
のには辟易してしまう(苦笑)。
 結果的に、私にとってベストバイのROLEXスポーツモデル
はこのGMTマスター2という事になる。

 さて、またこいつとの日常が帰ってきた訳だが、それは
別に特別な事では決してなく、GMTがOVHに出ている間、
別段日常に不便をきたしていた訳でも無い。 

 ROLEX。確かに私が身につけるには、少々贅沢な品
ではあるかもしれないが、私にとってROLEXはあくまで
"腕時計という実用品"に過ぎない。





 私として、近々にROLEXの購入を考えている多くの人に考えて
欲しい事がある。
 ROLEXという時計にブランドステータスなど求めずに、敢えて
"腕時計は所詮日常使いの実用品である"と考え直し、その上で
ROLEXという会社のポリシーと存在理由を考えて欲しい。実用品
としての腕時計なら、ROLEXよりはるかに安く高精度な腕時計は
星の数ほど存在する。ある意味では電波ソーラーのG-SHOCKなど、
究極の腕時計と断言出来るだろう。
 それでも敢えて"自分はROLEXを選ぶ"というなら、それはそれで
大変結構な事だ。腕時計という市場におけるROLEXの存在理由
とその本質を理解し、自分で稼いだお金をたかが腕時計一本にこれ
だけ払う価値があると納得できれば、その人は本当の意味で"ROLEX
ユーザー"であると言えるのだから。

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