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究極の実用機能 [時計]

 ある意味では、機械式時計ファンにとってこの上なく邪道で
ある事くらい、私も十分承知している。カテゴリーとして”時計”
ではなく、”ハードウェア”とすべきかもしれない・・・。

gshock.JPG
CASIO GS-1200SP-1AJF(FIRE PACKAGE '09)


 本来の型番はGS-1200-1AJFであるが、この1200SPは
カードケースが付属する"FIRE PACKAGE '09"、限定版
である。カードケースが付属する以外はFIRE PACKAGE
専用のBOXに入っているのだが、それで差額が700円。
我ながら何と"限定"という言葉に弱い事か(笑)。

 この時計、かのG-SHOCKシリーズである。G-SHOCKと
言えば、キアヌ・リーブス主演の映画、"スピード"で彼が
使用していた事で有名になり、当時はモデルによって途方
もないプレ値が付いた程だ。G-SHOCKと言う時計は、必ず
何年かに1度ブームが起こるようで、特に大きなブームは
3~4回あったように記憶している。 因みに私の認識だと、
キアヌの時は2度目だったように思う。


 このモデル、タフ・ムーブメントを搭載したGIEZシリーズ
である。このTOUGH MVTは日本、北米、イギリス、ドイツ、
そして中国の標準時刻電波に対応し、時刻を自動で修正
する。そしてそのケースは樹脂製のベゼルで包み込まれ、裏は
20気圧防水機能を有するスクリューバックだ。当然だがタフ
ソーラーなので、太陽のみならず蛍光灯のような弱い光で
あっても、そのソーラーパネルが確実にキャパシタに蓄電
してくれる事により、確実に標準時の電波を捉え、その文字盤
は常に正確な時刻をオーナーに示してくれるのである。
 そして個人的に凄いと思ったのは"針位置自動補正機能"だ。
これは時針、分針、秒針のズレを自動的に補正する機能で、
ムーブメントの歯車に空けられた300ミクロンの穴を、LED
の光が受光素子に向け1秒間に16回点滅し、各針のズレを自動
で補正してくれるのである。剣ズレに神経質な人にとっては
非常に有り難い機能だろう。

 私は機械式時計が好きだ。時計機械というものは、ある
意味においては人間が創り出した、実用の為の究極のアナ
ログ手工業技術であると言える。巻き上げられたゼンマイ
が歯車を回し、極限まで調整されたテンプが、24時間で
(高精度な時計は)数秒という精度でその動きを制御する。
そんな時計で時間を確認する人は、その時計ケースの中で、
小宇宙と呼べるレベルの、人間の手が創り出した、極限の
アナログなテクノロジーが、休むことなく、ただただひた
すら動き続けている事など考える事は無いし、実際にその
必要も無い。 
なんと奥ゆかしくも悠久な時の流れと動きを感じる事か。
これ程に精密でありながら、単純な作業を淡々と続ける
小宇宙。それこそが機械式時計の魅力なのである。


 しかし、今回はあえてG-SHOCKなのである。


 この時計は電子部品の固まりである。壊れたら中身は全部
取り替える以外に無い。機械式のように、腕の立つ時計師の
手で修理可能というような代物では無く、ましてや数十年後
に故障した際、本来の機能そのままの形で修復が可能である
可能性は極めて低いと言わざるを得ない。
 しかし、この機械式時計とは対局に位置する時計G-SHOCK
には、機械式には無いスピリッツがある事もまた事実である。
 針位置の自動補正、世界6局の標準時間電波を正確に受信し、
的確に時刻を合わせるアンテナ。それらを統括する複雑なアルゴ
リズムを制御するSoftWear。そしてムーブメントは対衝撃性に
優れた20気圧防水のケース内に、各パーツ毎に樹脂と金属を
使い分けたハイブリッドマウントという技法で収められている。
これにより、ムーブメントは自重をケース内に高効良く分散させて
マウントされているのだ。しかもハイブリッド構造とする事で、
稼働時に各部にかかる1つ1つのパーツの応力すら、効率的に分散
されていると言う。
 これだけの機能を搭載させつつこのシリーズ、今までのムーブ
メントより小型化されていると言うのだから天晴れなものだ。


 人間が極限まで研ぎ澄ました技法の究極的アナログ、それが機械
式時計であるが、G-SHOCKのように現代デジタル技術の根本である、
半導体技術を駆使し、それを満載した時計も、私にとってはその機能
に限った意味以上に究極の実用GEARとして魅力を放っているのだ。

 さて、このG-SHOCKという商標を持つ、時計機能をメインとする
電子DEVICE。私が年老いて目や耳が遠くなり、自分の足で歩く
事すらままならなくなった時、果たして本来の機能を失わずにいて
くれるのか、今から非常に楽しみである(我ながら捻くれた感情では
あると思うが(笑)。


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