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私鉄特急史に残した足跡 [鉄道(模型)]

 そのデザインと内装設備で、多くの人に"旅行の贅沢"さを
実感させてくれた特急電車である。



けごん.JPG
マイクロエースA0874 東武DRC1700系 特急"けごん"(登場時)




 1960年から1991年まで日光と鬼怒川方面への優等列車
として運行され、東武鉄道を代表する特急型電車として
活躍した。年代によっては、子供の頃に絵本で見た人も
多い事だろう。小田急ロマンスカー、近鉄ビスタカー、
名鉄パノラマカーと並ぶ、日本の私鉄史に名を残す優等
列車用車輌である。

 この1700系"けごん"は、国鉄の157系電車による日光
への優等列車"中善寺"や"日光"に対抗するため、国鉄の
1等車なみのリクラインイングシートをそなえ、8席の
回転椅子とジュークボックスを備えたサロンスペース
(後年普通座席に改造)を設置し、1編成につき2ヶ所の
ビュッフェを設け、さらには全車冷房を装備する等、
その設備は国鉄の157系を遙かに凌駕するものであった。
日本の鉄道車輌では、初めて車輌間の貫通路に自動ドア
を装備したのも、この東武1700系である(東武ではこれを
"マジックドア"と呼んだ)。また、先頭部のデザインも
斬新で、当時の高級国産車である日産セドリック(前期30型
1900カスタム)に影響を受けたと言われている。
 晩年は設備の老朽化からくる陳腐化を批判する声も
あったが、それでも東武のDRCは人気があり、沿線の
住人からも愛されていた。


 残念な事に、私はこの1700系特急に乗車した事は無く、
営業運転中の実車を見た記憶も無い。そもそも東武の
特急は、今から4年ほど前に所用で100系"スペーシア"に
乗ったのが初めてである。

 今の時代、鉄道旅行で"旅の贅沢"を感じるなど、カシオペア
やトワイライトEXPのような列車でなければ、まず無いだろう。
 この1/150世界に再現されたサロンスペースと、ユーモラス
で存在感のある先頭部のデザインを眺めていると、高度経済
成長時代に、家族や仲間で日光や鬼怒川温泉に旅行する事が、
どれほど心躍るレジャーであったかと思いを馳せてしまう。


 東武鉄道デラックスロマンスカー1700系。現在は東部鉄道
博物館に先頭車(1720)が1両静態保存されているのみである。

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