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ムサシノモデル 16番 EF57 7号機 [鉄道(模型)]

 以前に、鉄道模型に関して"かなりの大物"を予約していると記したが、
ついにその大物が私の手元に来たので、早速ご覧頂こうと思う。

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ムサシノモデル 16番EF57 7号機 東北EG仕様

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張り出したパンタグラフのためライトの設置位置が低いのが
EF57の特徴だが、このライト位置を正確に再現したEF57の
模型は殆ど存在しない。

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大きく前にオーバーハングしたパンタグラフ
(テールライトが上を向いてる・・・これはピンセットで修正した(笑)

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超絶的な造り込みの台車


 鉄道模型ファンなら、ムサシノモデル製品のクオリティに関しては、
今更説明するまでも無いだろう。
 マイクロエースのNゲージEF57が発売された時も3輌購入したが、
私にとってEF57は一番好きな電気機関車である。その広大なデッキ
と前に張り出したパンタグラフ。この威風堂々とした貫禄ある姿の何と
素晴らしい事か(ちなみに近々発売されるKATOのNも4輌予約済み)。

 さて、今回ムサシノモデルが発売したEF57は、各号機毎に精密
造り分けがされており、今回発売されたのは以下のモデルである。
基本的にEG仕様は東北本線で活躍した最晩年の姿である。

2号機SG     
5号機EG       
7号機EG       
8号機EG       
11号機EG     
14号機EG 

 私もどれにするか、散々悩んだ末に7号機を予約していたのだ。
本来は5号機や14号機あたりが本流かとも思うが、やはり唯一静態
保存されている、王道の7号機を購入した。上のphotoを見ればその
ムサシノクオリティは説明するまでも無いだろう。台車の造り込みは
超絶的であり、屋根上のベンチレータやテールランプの位置まで、
これほど厳密な各号機毎の違いを造り込んだこのモデル、現時点
では16番EF57の決定版である事は疑い様が無い。


 EF57は鉄道省(後の国鉄)が昭和15年~昭和18年に15輌製造した
直流電気機関車で、当時の優等列車牽引用に企画された優秀機で
ある。初号機はEF56型の13号機として製造が進められていたが、
主電動機の出力向上に伴い、別形式(EF57)とされた。そのため
この1号機はそれ以降とは形態が異なりパンタグラフが車体中央
寄りというEF56に似たスタイルとなっていて、2号機以降は蒸気
暖房装置(SG)搭載のため、パンタグラフが車体端一杯に設置される
事となったが、戦後は高さ抑制のため、さらに450mm前方に移設
された。それがために、このグッと前に張り出したパンタグラフと広い
面積のデッキを装備した無骨なシルエットは、EF57の大きな特徴と
なっており、見る者に無骨で勇ましい印象を与える事となった。
 戦後は改良されたEF58の増備が進み、昭和36年には全機が宇都宮
に転じ、上野~黒磯間での客車牽引に終生従事する事となったのだが、
この宇都宮転属の際に、全機が電気暖房装置(EG)への換装工事を
実施している。
 戦前製の機関車とは言え、当時最高の技術と部材にて組み立てられた
EF57は、昭和52年まで普通列車や急行列車等の牽引に活躍したが、
その年の正月帰省臨時列車を最後に運用を外れ、昭和53年秋に全機
引退廃車となった。



 現在は宇都宮に7号機が静態保存されており、1年に2回一般公開
されている。私はEF57の現役の姿は知らないが、1度宇都宮の7号機
を訪問してみたいと思っている。


TOMIX 16番 あけぼの [鉄道(模型)]

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 基本セットと増結セット、それに金帯のオハネ25-100が2輌である。

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 先日のEF81購入は、当然だがこの製品を見越しての事であったので、
まあ予定通りと言った訳である。


 このセット、基本的には現在のあけぼのを再現させる商品構成
となっており、基本セットにはゴロンと車輌が2輌、増結セットには
オハネ24ソロ(金帯)2輌が含まれる。両セットで8輌編成となるため、
単品を何輌か買い足す事でフル編成を再現可能となり、利用客が
多いシーズンの増結時には、金帯のオハネ25-100が連結される事
もある。オフシーズン中でもB寝台車にこれら金帯の25が使用される
事も多く、編成における車番は特に固定されていないようだ。

 現在のあけぼのに使用されている24系寝台客車は昭和48年から
製造された、国鉄~JRにかけての寝台特急用主力客車である。JR
化直前から個室化改造された車輌も多く、そのバリエーションは多い。
中でも個室B寝台のオハネ24ソロ(550番台)は個性的で、車輌中央
に通路を設け、両側の上下にカプセルホテル的な寝台を線路方向に
設定した構造になっている。
 その他にも個室A寝台のスロネ24(550番台)は、本来1514あった個室
を11に減らしたため、1室あたりの面積が増し、室内は非常にゆったり
としている。さらにこのスロネ24は、個室内にもう1台のエキストラベッド
を備え、2-3、4-5、6-7室の仕切り一部が開けられるようになっており、
最大で4人用個室とする事が出来る。

 ゴロンと車輌はその名の通り"ごろ寝"用の車輌であるが、装備自体
は普通の開放B寝台と全く変わらず、浴衣やシーツ等のリネン類が全く
サービスされない車輌である。つまり寝台券無しで利用可能な指定席
車扱いで、これはJRが高速バスに対抗して始めたサービスだ。バスの
シートで一晩過ごすのが辛い人たちに人気があり、シーズン中はそれ
なりの利用がある。ちなみにあけぼのには"レディースゴロンと"車輌
も連結されており、こちらは女性のみ利用可能な車輌で、男性は立ち
入り不可である。


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ゴロンとマークも美しく再現されている。

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金帯のオハネ25-100

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内装の造り込み

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付属品(カーテン、ジャンパ、トレインマーク)
*今回のphotoは全てCanonPowerShotS90にて撮影。


 折角なので、以前に”寝台特急"あけぼの"乗車行”の中でリンクした
上野発車時の車内放送を再度リンクするので、興味のある人は見て
頂きたい(当然だが私が撮影した物である)。

 カプラーはTOMIXのHO用TN密自連カプラーであるため、連結時の車輌
間隔はかなり実感的であるが、やはり曲線通過時の不自然な"ウネウネ"
は個人的に如何ともしがたいものがある(好みもあろうが)。TOMIX製の
16番も、割と簡単な加工でIMONカプラーに交換可能であるらしいので、
そのうち交換しようかと思っている。

 まあ、少し無理をしたのは確かだが、何とか年内に購入できたのは
幸いである。まだ走らせるどころか、付属品も取り付けていないのだが、
既に16番のEF64-1000が欲しくて堪らなくなってきた(笑)。


TOMIX 16番 EF81(赤2号JR) [鉄道(模型)]

 随分と久しぶりの更新であるが、今回は鉄道模型(16番)ネタである。


 先週購入したのだが、TOMIX製の16番製品は初めてである。TOMIX
からは24系客車の発売もアナウンスされていたので、当然だがメーカー
の策略にまんまとハマりつつある事を実感している今日この頃であったり
する。だってやっぱり"あけぼの"揃えたいじゃん。


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TOMIX16番EF81ヒサシ赤2号JR(青森)
付属品はまだ取り付けていない。

 今回発売されたのは300番台1次型、カシオペア(プレステージ)、
国鉄ローズプレステージ、赤2号ヒサシJR(プレステージ)である。
私が購入したのは赤2号JRのノーマルモデルだ。

 EF81は国鉄が昭和43年から製造した交直両用電気機関車で、
JR化後も500番台として追加で製造された。交流区間も50Hzと
60Hzの区間で運用可能な3電源方式であり、先に製造された
EF80型の進化型であると言えるだろう。
 1990年代は全機健在であったが、既に初期製造車から廃車
が始まっているものの、首都圏でもまだ貨物列車を元気に牽引
する姿を見る事ができる。

 私として、EF81と言うと貨物のイメージが強く、上野発の寝台特急
というイメージは弱いのだが、それでも先日の"あけぼの"乗車でその
印象もちょっとは変化したという感じである。
 JRの赤2号は国鉄時代のローズとは違い、引き締まった印象を
与えるが、JRとしてローズは退色が激しい事も赤2号に変更した
理由であるようだ。


 さてこの製品、模型としては最近のTOMIX製品にあるフライホイール
が効いた惰性のある走りで、車輪のシリコン効果もあり牽引力もそこ
そこありそうなのだが、やはり16番製品たるもの、シリコンゴムなどに
頼らない粘着をもってトレーラーを牽引して欲しいものである。

 既にTOMIXからあけぼの24系客車も発売されたが、以前あけぼのに
乗車した際のビデオを確認すると、何と白帯車はカニを含め2輌のみ
であったので、TOMIXの基本と増結に金帯車を買い足しても、私が
乗車した編成は再現出来ない事が判明した(乗車した編成はゴロンと
車輌も金帯であった)。
 このTOMIXあけぼのを狙ってのEF81JRの購入であったが、単品金帯
オハネの購入数をどうするか、かなり悩んでいる今日この頃である。


箱根のシェルパ [鉄道(模型)]

 今年の2月、急に廃業してしまったフクシマ模型の16番である。
私として非常に思い入れのある鉄道でもあるため、相当な無理を
重ね、清水の舞台から(逡巡しつつ最終的には)飛び降りて購入
してしまった。


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フクシマ模型16番 箱根登山鉄道モハ1(104+106)


 物心ついた頃から、夏は必ずと言って良いほど毎年家族で箱根
へ旅行した。当時はマイカーなど我が家には無く、鉄道を利用した
のだが、小田原までは国鉄ではなく小田急を利用した(ロマンスカー
ではなかったのが如何にもささやかな家族旅行といった風情だ(笑)。
 以前このblogに記した事があるように、私は乗り物に弱く、必ず
小田急で酔ってしまったのだが、箱根登山鉄道に乗り換え、湯元を
過ぎると車窓から入る風が急に冷たくなり、スッと気分が良くなる
のが常だった。
 林の木々が手を伸ばせば届くような中、モーターを唸らせながら、
つり革が斜めになる程の勾配をゆっくりと登って行く小ぶりな電車。
途中3回のスイッチバックで進行方向を変えながら、箱根の山を
ノンビリと上る2輌編成。当時はまだ室内が白熱球だったのか、トン
ネルに入ると急に車内が薄暗くなるその記憶は、私の中で今でも
鮮烈な心象風景として心の中に刻まれている。


 箱根登山鉄道は箱根湯元から強羅の15.0kmを結ぶ山岳鉄道で、
湯元から強羅までの標高差は445m、しかも80‰もの勾配がいたる
所に存在する。この勾配は国鉄(JR)の最大勾配区間であった碓氷峠
の66‰を遥かに凌ぐ急勾配で、レールと車輪の摩擦を抑える為に散水
しながら粘着運転をすると言う、とても特異な鉄道として知られている。
また、紫陽花の季節には特に観光客が多く、夜はライトアップされた中
を走る"あじさい電車"の別名も有名で、DVDも発売されている。
 当時の始発駅は小田原で、小田急ホームの熱海寄りから3線軌条
のレールが延びていた。現在は小田急に合わせた2線軌条のレール
だけになっているが、箱根登山鉄道の車輌庫が湯元手前の入生田
にある関系から、まだ一部で3線軌条を見る事が出来る

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屋根上の放熱器も素晴らしい出来である
この造り込みはオールブラス製ならでは。またフクシマは
塗装のフィニッシュが素晴らしい事でも知られていた。

 ちなみにこの品、ヘッドライトとテールランプ、室内灯が点灯する。
フクシマの製品にこのようなギミックは無い。そうこの車輌はカツミ
の別注品である。ちなみにフクシマの資産はIMONが引き継ぐ事に
なっているので、この点フクシマオーナーとしては一安心だ。


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 フクシマ製箱根登山鉄道。今後はアクリルケースに入れ、走らせ
て楽しむのは勿論、これからは酒の肴にしたいとも思っている。

天賞堂16番 DD51 842お召し カンタムサウンド [鉄道(模型)]

  1月下旬に予約してあったDD51が入荷となったので、早速引き取ってきた。


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天賞堂16番 DD51 842お召し カンタムサウンド
今回の天賞堂DD51カンタムは貨物用の800番台が中心のラインナップで、
1度に8種類発売された。


 発売された8種類のうち、この842号機のみ、手摺りが金属パーツに
なっており、その他のモデルより3,000円高の価格設定となっているが、
その手摺りの雰囲気が素晴らしく、これだけで雰囲気がグッと良くなって
おり、他のモデルも手摺りを金属性にしても良かったのではと思う。
少々コストがかかっても、価格差以上の効果は歴然だと個人的に思って
いる。サウンドは常務員扉の開け閉め音から始まるのはちょっと要らない
ような気もするのだが、発車時のエンジン音も秀逸である。前回品は
持っていないので比べようも無いが、サウンド自体は全く同じ物である
可能性が高い(若干の修正はあるのかもしれないが)。
 早速簡単な動画をYouTubeにUPしたので、購入を検討している前回品
のオーナーにとって参考になれば幸いである。


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842号機モデルのみ手摺りが金属製である。チェーンも一体整形ではなく、
ちゃんと鎖になっている。しかし開放テコが半透明なのは興ざめか。

 DD51は昭和37年から53年の長きに渡って製造された、国鉄の幹線用
ディーゼル機関車で、車体中央にキャブを配置した凸型と言う、世界的
にも例が無い形状をしている。
 1000ps級のエンジンを2基搭載したこのDD51、速度はC61型、牽引力は
D51型を上回るよう設計されており、日本全国で無煙化を促進したためか、
その登場初期には随分とSLファンから嫌われた機関車でもある。また形式
によっては重連制御も可能で、旅客用はキャブ内にSGを搭載している。
 他にも寒冷地で使用される機体には、先回窓やスノープラウが装備され
るなど、バリエーションが豊富なのもDD51型の魅力である。
 DD51は初期に製造された機体から徐々に廃車も発生しているが、まだ
全国でその姿を見る事ができる。特に青い車体に星がデザインされたJR
北海道所属の"北斗星カラー"重連運用はその白眉であろう。

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前回の天賞堂DD51カンタムは窓ガラスが外はめであったが、今回は
内側からはめられているため、随分とスッキリした。ちなみに特定
ナンバー機だが、ナンバーはユーザー取り付けである。輝くステンレス
の煙突も美しい。仕業札差しに塗り残しがあるのは個体差だろうか?


 この842号機は、本来貨物用800番台に属する形式であるが、非電化
区間におけるお召し列車の牽引指定機でもある。EF5861のように生まれ
ながらの"お召し機"でこそないが、非電化区間においては何度もお召し
列車牽引の栄誉に浴しており、1号編成引退後もイベント列車や工臨の
牽引に活躍する、JR東日本にとっては高崎のスターであり、撮影会など
のイベントで他区に貸し出される事も多く、最近ではJR東が復活させた
C61の試運転を補佐したのも記憶に新しいところだ。

 既に多くの国鉄型車輌が姿を消しつつある昨今であるが、一部のDE51
は延命工事を施され、今でもJR貨物では元気な姿を見る事ができる。 
DD51842号機も、その雄姿で末永く我々Railファンを楽しませて欲しい
ものである。

 

IMONカプラー101を16番1/80へ取り付けてみた [鉄道(模型)]

 と言うワケで、ようやく16番の客車を購入した。KATOの12系客車
6輌(プラ製)である。
 そこで前々からの計画通り、早速IMONの傑作カプラーを取り付け
てみたので、今回はそのご報告をさせて頂く事にしようと思う。
 取り付けに関しては、ModelsIMONの井門氏のblogその他を参考に
させて頂き、基本的にはそれらの方法に則るやり方で施工したので、
全ての方法が私のオリジナルでは無い事だけお断りさせて頂く。


 このIMONカプラー、実は日本型HOスケールに合わせた1/87である
12mmゲージ車輌用のカプラーなのであるが、その細密さと造形から
16番1/80に使用しても全く違和感を感じさせない造りである。ただその
造りが12mmゲージの実感的な大曲線の通過に合わせてあるために、
16番1/80車輌ではお座敷レイアウトにおける通過曲線の制限がかなり
厳しいと言わざるを得ない。
 そこで今回、このIMONカプラーを取り付けるにあたり、以下の点を
考慮する事にした。

・KATOユニトラックのR610で推進運転が可能。
・平時の連結面間隔はある程度妥協。

 私の16番運転環境は単線で、最大曲線はエンドウのR750であるが、
先々R600クラスの曲線を導入しないとは言い切れず、多くの16番ゲージ
車輌はR600の通過を下限として設計されている。罐のカプラーもその
点を考慮し取り付けられており、罐側の規格だけに頼ってしまいトレーラー
を安心して牽引できないようでは元も子もない。またジョイント部で脱輪
や脱線した際に、車輌同士の接触を可能な限り避ける必要もある。
 以上の理由から、今回のIMONカプラー取り付けに際しては、引込み
線を想定したのR600クラスの急曲線でも問題なく推進運転が可能で
ある事を絶対条件とする事にした次第だ。


imon1.JPG
IMONカプラー
10輌分で\2,520。この造りでこの価格は非常にお得である。
ちなみに1輌分も販売されている。

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全部で4つのパーツから成り、組み立ても簡単だ。ちなみに
カプラー本体はダイキャスト製である。10ペア組み立てるの
に初めての私でも30分かからなかった。少々細かい作業だが、
Nのかもめナックル等に比べれば遥かに組み立て易い。

imon3.JPG
KATOのカプラーと並べるとその細密さが良く分かる

 一般的にHOスケールと16番のカプラーはケーディーNo.5が大定番の
お約束として利用されており、このNo.5は取り付けには直径2.0mmの
ネジが利用されている。しかしIMONカプラーは1.4mmを利用するため、
まずこの問題をクリアする必要がある。幸いIMONカプラーは取り付け
に際してスペース的にはケーディーと互換性があり、組み立てたIMON
カプラーをそのままKATOカプラーのスペースに収める事が出来る。


imon4.JPG
まずは車輌から取り外したKATOカプラーを分解。復元用の板バネ
は使わないので取り外し、立っているボスをニッパーで切り飛ばす。
もう後戻りは出来ないが、最悪Assyパーツが別売されているので、
心おきなく(?)やってしまおう!

imon5.JPG
切り飛ばしたボスの跡をリューターで平らにならす。こうする事で
組み立てたIMONカプラーの取り付け時に変な角度がついたりガタ
つく事も無い。

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水平にした後、裏側この位置にピンバイスで0.9mmの穴を開ける。
本来の取り付け位置(きり飛ばしたボスの裏)は補強リブの丸く
なっている部分であるが、R610での推進運転を可能とするため、
この位置までカプラーを前に出す事になる。

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ピンバイスで開けた穴に1.4mmのタップを立てる。タップはネジ穴に
溝を切る道具なので、ここでゴシゴシやるのはNG。タップの頭が出る
ところまで、丁寧に回し入れるだけで良い。

imon8.JPG
本来の位置より前よりにネジを通すため、カプラーカバーのネジ穴
を現物合わせでリューターを利用し、前方向に拡げておく。明るい
方を通し見ながら少しづつやると良い。実際はこの画像よりもう少し
前へ拡げる。くれぐれも拡げ過ぎに注意

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タップを立てた後、1.4mm径で長さ6mmのネジを通し、IMONカプラーを
取り付ける。

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そのままだと裏側(下側)リブの丸い部分が邪魔なので、この部分を
リューターで削り、ネジ頭がぶつからず6mm長ネジが最後まで通る
ようにする。この画像では少し掘り込んでしまっているが、それほど
神経質になる部分ではない。

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上をナットでキッチリと止めれば完成。ナットの部分は空間があるので
ナットが車輌床板と干渉する事は無い。この画像で分かるように、IMON
カプラーは若干だが伸縮する構造になっているが、純粋に"伸縮カプラー"
だと思って16番に取り付けると痛い目にあう事になる(と思う)。あとは
元通りに車輌へ取り付けるだけである。
ちなみに正規の位置に取り付けるとリブの丸い部分の厚み分だけネジが
通らないので、ここまでナットを絞め込む事はできないが、その場合で
も6.0mm長ネジで特に問題は無い。


imon12.JPG
妻板に後退角の無い車輌同士の間隔(IMONカプラー)
IMONカプラー交換前の写真を撮り忘れてしまった(汗)。この取り付け
間隔だとR610で推進運転が可能だが、車輌間隔はご覧の通りで、
IMONカプラーの大きなメリットである"実感的な間隔"にはならない。
しかし純正のKATOカプラーに比べるとかなり"らしく"はなっている。
先述のようにIMONカプラーは多少の伸縮機能を有するので、通常
牽引時はそれなりに間隔は空いてしまうが、同時にIMONカプラーは
"遊び"も小さいので、KATOカプラーよりは遥かに好印象である。

imon13.JPG
KATOユニトラックR610での推進運転状態
ご覧の通り、ギリギリで推進運転が可能である。この12系は雨樋が
車端部まで造り込んであり、これが推進時に一番干渉する部分だ。
画像では上下にズレが生じているが、接触しない事は確認している。

 以上がIMONカプラー16番1/80車輌への取り付け(の一例)である。
妻板に後退角がある車輌なら、ボスの位置にタップを立てても問題
は無さそうだが、メーカーによっては幌にかなりの厚みがある車輌
もあり、さらにブラス製の高級品になると、客車(&機関車)の各種
ジャンパ線に干渉する恐れも考えられ、最悪それらのパーツを運転中
に破損してしまう可能性がある。また幌に厚みのある車輌の場合は、
車端部の角より幌そのものが干渉する危険性が大きく、この幌の
方が現実には厄介な問題となるだろう。

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私は連結器本体を幌の前に位置させた
見ようによっては決まり悪いが、普通に見る分にはアームと
はみ出たカプラーポケットが幌に隠れているのでそれ程気に
ならない。

 上記photoのように、カプラーの連結器本体が幌の外に出ている程度
であれば、殆どの車輌でR610の推進運転が可能かと思われる。ちなみ
に本来の位置に取り付けると連結器本体はほぼ幌の真下に隠れる位置
になる。後退角があり幌も無い緩急車の場合、もっとカプラーを引っ込め
ても良さそうであるが、見る人によってはこの位置はIMONカプラーの長所
をスポイルしていると感じる人も多いだろう。それでも車輌を真上から見た時、
一番突き出た部分からカプラー本体が完全に前へ出ていれば、R610が
存在するレイアウト上では問題無い可能性が高いと思われ、殆どのレール
レイアウトでは大丈夫だろう。実際問題、IMONカプラーはケーディに比べて
もかなり小ぶりなので、少々突き出していても、連結間隔は連結器本体部
が小さい分だけ車輌間隔が詰められるのは事実である。



 IMONカプラーを16番1/80車輌へと導入するにあたり、見た目の実感
優先で急曲線は走行させないか、IMONカプラーを"小ぶりでリアルな
連結器"と捉え、実際の走行における急曲線通過や推進運転時の安全性
を確保するかで、その取り付け位置は変わるであろうし、また編成中
にブラス製で重量のある車輌があるか、また編成全体の重心が前に
あるか後ろにあるかも考慮しなければならないだろう。最も実際の走行
で推進運転するような事は殆ど無いとも言えるので、実際問題としては
あと0.5mmくらい引っ込めても良いだろう。実は正規の位置に取り付け
ると、どうもIMONカプラーはR750の通過そのものが危ないらしく、実運用
上はR800以上になってしまうらしい。
 私として鉄道模型は"走らせてこそ"だと考えているので、今回紹介
した様な位置に取り付けたのだが、どの位置にどの様に取り付けるか、
これは走らせ方も含め人それぞれと言える。このIMONカプラーのリアル
な造形は、それだけでも十分に目を楽しませてくれる。連結させる時の
感触も非常に良く、パッと見は滑りが渋そうだが全くそのような事は無く、
ちょんと当てるだけでカッチリと連結してくれる。(最初期に出荷された物
はダイキャストの整形に甘い部分があり、若干だが組み立て時に摺り
合わせが必要であったらしい。井門氏のblogによると、現在店頭に並ぶ
物は全てVer.3であるようで、摺り合わせ等は全く必要無いとの事だ)。
 
 IMONカプラー以外の選択肢としては、TOMIXの16番(HO)用伸縮
カプラーがある。こちらは本当の意味で"伸縮カプラー"なので、急カーブ
でも心配無いのだが、実は伸縮カプラーがカーブで見せるあの特有の
ズレがどうも個人的には好きになれず、Nならともかく16番クラスの車輌
がS字カーブでウネウネと各車輌をスライドさせる様は、余りにも不自然
である。16番はNよりも実感的な迫力が魅力の大きな部分を占める
(と個人的に思って)ので、やはりカーブの出入り口で車輌の妻板が
横に大きくはみ出るのは宜しくなく、そこは多少連結間隔が広くても
実車同様に編成全体が曲線のRに沿って行儀良く流れる方が私と
しては好ましい。その意味でもIMONカプラー程度の伸縮機能はいざ
と言う時の為の"保険"として丁度良い加減ではなかろうか。
 伸縮カプラー特有のズレはこの際気にせず、あくまで実感的な連結
間隔を求めるなら、中間車は伸縮系で連結面を詰め、機関車との連結
面のみをIMONにする手もある。実際にKATOの12系は伸縮ドローバー
を装備可能(製品に付属)なので、オハにはこのドローバー、フの機関車
連結面にのみ正規に近い位置でIMONカプラーを取り付けるのも選択肢
の一つかもしれない。最もこの場合は機関車側のカプラー取り付け位置
に留意する必要が発生するが、かつての夜行急行を再現する場合、フと
オハを連結出来なくなる点は如何ともしがたい問題ではある。


imon15.JPG
このリアルな造形はそれだけで素晴らしい
しかもこのIMONカプラー、ケーディー#5やKATOカプラーとの連結も
全く問題無い。ちなみに今回のphotoは全てS90での撮影である。


 私的な結論として、このIMONカプラーに関してはまだまだ色々と
取り付け位置を試してみる必要がありそうだ(ってオイ!)。
 今回の更新が16番へのIMONカプラー取り付けを考えている方たち
にとって、少しでも参考になれば幸いである。が、車輌のカスタマイズ
はくれぐれも自己責任において行う行為である事だけはご理解頂き
たく、その点だけは宜しくお願い申し上げる。
 
タグ:鉄道

天賞堂16番 EF58カンタムサウンド [鉄道(模型)]

 16番愛好者として、やはり電気機関車はまず最初にコレを押さえ
なくしてどうしろと言うのか?
 EF58直流型電気機関車、もはや説明するまでも無いほどに有名
な電気機関車である。


ef58_1.JPG
天賞堂16番 EF58カンタムサウンド
ナンバーはインレタである。148号機をチョイスしたのだが、この
モデルを購入した多くの人は148にしたのではなかろうか。他に
は146、154のナンバーが付属している。146号機は主に山陽で
活躍した罐で、154号機は田端や宇都宮等、主に関東の機関区
に所属し、晩年はEG化され東北上越方面で働いた。


 EF58は1946年から製造された国鉄の電気機関車で、所謂旧型
電気機関車に分類される。1948年に一旦製造が中止されたものの、
1952年から製造が再開された。この再開後に製造された機体は、
それまでの古色蒼然としたデッキ付きの車体から一変、先頭部を
絞り込んだ流線型車体の前面には飾り帯を配したデザインとなり、
直流区間のエースとして君臨した。本来デッキのあったスペース
の上にキャブ(運転台)が設置された事による車体限界上の問題で
先頭部が絞り込まれたのだが、当時としては広大とも言えるその
キャブスペースは、機関士から"相撲がとれる"と言われる程に広く
快適なものであった。その後はデッキ付き1次形も新型と同じ車体
に載せ換え、EF58は後継機であるEF65形500番台といった新型
電気機関車登場後も、多くの特急列車の先頭に立ち続けた。勿論
特急列車ばかりではなく、1960年代後半には急行や普通列車等、
直流電化区間では多くの客車列車牽引に従事した。この1950年代
後半から1660年代後半がEF58の最盛期と言えるだろう。しかし
1980年代に入るとEF58は急速に一線から退き、多くは廃車解体
されたが、その高速性能(定格68km/h)とSG装置搭載という長所
を生かし、最晩年は東海道山陽の荷物列車牽引に充てられた。
 それ以外にも客車列車を高速で牽引可能な直流電気機関車が
少なかったため、稀に団体臨時の客車列車仕業をこなす事もあった。
これは長距離列車もその殆どが電車化されていた為、国鉄としても
EF58の後継機たる旅客用電気機関車を開発していなかった(と言う
よりはする必要が無かった)のが大きな理由でもある。

 EF58の中で特筆されるべき存在は、やはり1953年に日立で落成
した61号機であろう。61号機は、天皇・皇后・皇太后が利用する列車
である"お召し列車"の牽引指定機として製造されたNO.である。特に
その外観で最大の特徴は、車体外周に施されたステンレスの飾り帯と、
亀裂の発見を容易にするため、特別に磨き出された台車周辺であろう。
本来は異常の発見を容易にするためだが、これが装飾的効果を生み
出し、実に気品ある雰囲気を醸し出している。車体色も国鉄の"ぶどう色"
とは違う"ため色"と呼ばれる専用色である。61号機はお召し列車だけ
でなく、イベント列車の牽引にも活躍し、ごく稀に定期列車仕業に就く
事もあった。実際に私も14系座席車の臨時踊り子号を牽引する61号機
を何度か見ている。
 ちなみに私はEF5861号機の牽引する12系客車に乗車した事がある。
80年代の話しであるが、品川発のミステリー列車で貨物線を経由し、
目的地は御殿場であった。
 その後JRは新しいお召し列車として、2007年にE655形電車を新製
した事で、今までのお召し列車用客車も事実上引退となり、61号機も
その大役から離れ今まで以上にイベント列車等に用いられてきたが、
台車枠に亀裂が発見され、2008年春、正式に現役を退いてしまった。

ef58_2.JPG

 さて、この148号機は1957年に東芝で落成し、その生涯を東京
機関区で過ごし、1984年に廃車となっている(が東京以前は宮原
に居たとの資料もある)。かつては20系に合わせた特急色の時代
もあったようだ。148号機は東京機関区の中で一番地味なEF58で
あったようで、あまり写真が残っていないようである。晩年はHゴム
化されたが、このモデルは非Hゴムである。webで148号機の画像
を色々と見ていると、1977年のphotoは既にHゴム化されているが、
75年のphotoではまだHゴム化されていないのが分かるので、やはり
1970年代前半の時代情景が考慮されていると思われる。
 東京機関区は特急旅客列車を担当していただけあり、148号機
はサロンエクスプレス踊り子の先頭に立って伊豆急に乗り入れた
実績もある。時として上野発ブルートレインの先頭を務める事も
あったようで、"ゆうづる"ののヘッドマークを掲げたphotoもwebで
確認できる(それとも田端に所属した時代もあったのだろうか?)。


 それにしても16番は罐ばかり3輌となってしまい、後ろに続くもの
が何も無いのはちょっとナニである。実は天賞堂のカンタムDD51
(お召し842)を予約済みであるので、その前に少々無理をしてでも
何か入線させておかなくてはならず、少し(いや大分)経済的に厳しい
今日この頃である・・・。

タグ:鉄道

天賞堂16番 C58 [鉄道(模型)]

 先日のC62カンタムに続き、私にとって2輌目の16番である。この
C58はカンタムでもDCCでもないアナログDCタイプの模型で、購入した
のは先月下旬であるが、とりあえずナンバープレートを取り付けたので
紹介する事にする。


c58_1.JPG
天賞堂16番 C58標準タイプ(平底テンダー戦前型)
ナンバーは150号機にした。150号機は昭和14年に汽車会社で落成し、
佐倉⇒小山⇒佐倉に所属。昭和44年の廃車までその生涯を関東で
過ごした罐である。取り付けてあったスノープラウは外し、火の粉止め
を装着した。
それにしてもライトケース内のLEDが少々目立っているのはちょっと
ナニな感じである。


 しかしC58とは何ともマニアックと言うか、ある意味絶妙なツボを捕ら
えた商品ではなかろうか。しかもこの製品、DCCレディとなっており、
テンダーの石炭積載部分を外すとNEM652タイプのピンコネクタがあり、
DC用のプラグを抜き、そのままデコーダを挿す事でDCC化する事が
出来る。最もスピーカーの搭載方法は、各自で工夫する必要がある
のだが。幸いクマタ貿易が日本型蒸気機関車のDCCデコーダを発売
しており、その中にはC58用もある。現在販売されているデコーダーは
Ver.3.5で絶気にも対応しているとの事だ。先日のC62でも感じたが、
早々にDCC環境を整える必要性を感じている。

c58_2.JPG
赤丸部分がDC用プラグ。これを抜きNEM652タイプのDCCデコーダ
を装着すればそのままDCC制御が可能になる。手前のフレームは
SL-1用のスピーカーを搭載するスペースで、SL-1アナログ制御用
スピーカーのコネクタが準備されているのが判る。搭載されてい
るSL-1対応基盤はこれほどの物である必要はあるのだろうか?


 C58は昭和13年から昭和22年にかけて製造された蒸気機関車で、石炭
車を連結したテンダー式において、唯一"1C1"の車軸配置を持ち、給水
暖め機をボイラー前上部に配置するなど、D51に似た雰囲気を有するが
それもそのはず、主任設計技師はD51同じあの島秀雄である。テンダー
車の形態から、大きく戦前型と戦後型に分類され、戦前型はテンダー車
の底が平らになっており、戦後の製造からは船底の様にV時になっている。
 大正時代に製造された貨物用の9600形と旅客用の8600形の両方の特性
を持たせた貨客両用の機関車として427輌が製造され、主に千葉と四国で
運用された。特に四国はC58の天下であったという。臨時運用として特急
"あけぼの"を牽引した事もあり、お召し列車の先頭に立った事もある事から、
非常に扱い易く汎用性の高い蒸気機関車であったと言えるだろう。また国鉄
の蒸気機関車として、初めて密閉型のキャブ(運転室)が採用されたのも特筆
に価し、これにより機関助士の労働環境が著しく向上したと言われている。


c58_3.JPG
空気作用管を目立たせるのが天賞堂の表現手法。一部でこの表現
は敬遠されており、薄めたセミグロスブラックやスモークを流す事で
目立たなくさせる人も多い。


 秩父鉄道ではC58唯一の動態保存機として、363号機が"パレオエクス
プレス"として活躍している。

 やはり蒸気で走る機関車は陸路の王である。16番で蒸気機関車
を楽しむのはやはり良いものだ。ますます16番にハマってしまう自分
を感じる、今日この頃である。。。


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スケールとゲージの誤解 [鉄道(模型)]

 今回は鉄道模型に関するちょっとマニアックな話しである。この
トピックは日本市場における鉄道模型の楽しみ方に関する誤解と、
それがもたらす製品の特殊性について述べてみたい。



 日本市場における鉄道模型で、一番普及しているのは縮尺1/150の
Nゲージである。その次に普及しているのが1/80、俗に"HOゲージ"と
呼ばれている模型なのだが、実はこの"HOゲージ"という呼称は本来
ありえない名称である事は意外と知られていない。この1/80サイズの
鉄道模型、正しくは日本において"16番ゲージ"と呼ばれるべき規格
であり、これは決して"HOゲージ"ではなく、またそう呼んで良い規格
の模型でもないのだ。

 ゲージとは軌間、つまり線路幅である。スケールは縮尺で、これは
実物の"何分の一"であるかを表す。すなわち"ゲージ"と"スケール"は
その意味するものが全く違う言葉である事に注意しなければならない。
 Nゲージは上記説明したように軌間であり、Nineゲージ、つまりは
線路幅が9mmである事が前提で、この"9mm幅の線路上で鉄道
模型を走らせる"楽しみ方がNゲージである。つまりこの9mm幅の
上で走らせる車輌の縮尺は、それほど厳密に決定されていない
のだ。
 

 新幹線を利用する多くの人は気づいているかもしれないが、新幹線
とJR(国鉄)在来線の線路幅は違っており、新幹線の方が広くなって
いる。南関東在住者なら、私鉄の京浜急行や箱根登山鉄道もJRより
線路幅が広い事に気づいているだろう。実はこの幅の広い軌道こそ、
国際的に"標準軌"と呼ばれている1435mmの軌間で、日本のJR等、
多くの鉄道で採用されている線路幅1067mmは、国際的に"狭軌"と
呼ばれる軌間なのである。

 Nゲージは1/150であると述べたが、これは在来線模型のみであり、
新幹線車輌のNゲージは1/160の縮尺になっている。新幹線が採用
している国際標準軌をNゲージ新幹線の縮尺である1/160で割ってみ
ると1435mm/160で1440mmとなり、ほぼ実物通りとなる。つまり日本
のNゲージ鉄道模型に関して言えば、新幹線車輌のみ正しい縮尺と
なっているのだが、在来線の多くはは9mmの線路幅だと実物より幅
が広くなってしまうのだ。結果的にこの実物よりも幅が広い軌間の上
で可能な限り違和感なく車輌を走らせ、欧米の車輌とも連結可能で
車輌限界を揃え、それ程違和感無く共存させるために、日本型車輌
の在来線に関しては1/150と言う若干大きめの規格で車輌を縮尺して
いるである。


 HOとはスケールであり、純粋に縮尺の規格である。このHO規格は
縮尺1/87と厳密に規定されており、プラットホームや建物等、HOで利用
されるストラクチャーは全てこの1/87でなければならない。つまり日本
でHOゲージとありえない呼ばれ方をしている1/80の鉄道模型はHOで
はなく、ましてやHOゲージなどと呼べるものでは無いのだ。縮尺の規格
であるHOに軌間の意味であるゲージを付けて"HOゲージ"と呼称するなど、
まったく見当違いで頓珍漢なのである。

 日本で"HOゲージ"と呼ばれてしまっているこの1/80規格は、日本の
鉄道模型界に大きな足跡を残した山崎喜陽氏が、本来のHO規格で
ある1/87と、イギリスでもっとも普及していた16.5mmの軌間を使う1/76
スケールのOO(ダブルオー)ゲージと車輌限界を合わせ、日本型車輌
を1/80スケールとし、同じ16.5mmゲージのレール上で一緒に楽しもうと
提唱したのがそもそもの始まりなので、これは"16番"もしくは"16番ゲージ"
と呼称する鉄道模型の楽しみ方なのである。

 最近の鉄道模型市場では、世界的にこの16.5mm軌間1/80のモデル
がジャパニーズHOと呼ばれる事もあるらしいが、この呼び方もHO本来
の意味する方向からすると、やはり的外れと言える。
 実は日本の1067mm軌間をHO本来のスケールである1/87に縮尺
すると、その軌間は12mmとなる。この規格はHOj、HO1067、または
HOn3と呼ばれ、現在は首都圏に展開している鉄道模型専門店である
"IMON"が積極的に展開しているに過ぎない。IMONは自社ブランドで
12mmレールまでをもオリジナルで発売しているのは賞賛に値するが、
それでもまだまだ本来の日本型HOスケール(12mmゲージ)が定着する
には厳しい状況であるかもしれない(車輌単価が高価である事も理由と
して大きいだろう)。



 改めて言うが、HOはゲージではない。HOはスケールであり、日本の
市場で"HOゲージ"と呼ばれてしまっている規格は"16番"もしくは"16番
ゲージ"と呼称すべきなのである。

■ゲージ(線路幅-軌間)ありきの縮尺(スケール)は自由
 ・ユニゲージマルチスケールの遊び方
 ・Nゲージ
 ・日本における16番ゲージ

■スケール(縮尺)ありきのゲージ(線路幅-軌間)は自由
 ・ユニスケールでマルチゲージの鉄道模型
 ・HOスケール(HO"ゲージ"ではなく"スケール"である)
 ・HO1067やHOj、IMONの展開する12mmゲージの鉄道模型


 
 今回のトピックに関しては、一部説明をはしょった部分もあるのだが、
これを細かく厳密に説明するとなると、鉄道模型発祥の地であるとされ
ているイギリスの規格や、鉄道模型を確立したドイツ、さらにこれを商業
として発展させたアメリカ。それにインチとミリ、メートルやフィートの規格差
に関しても厳密に比較検証し、それらの歴史も追わなければならなくなり、
1冊の本が書ける程の情報量になってしまう。

 少々マニアックで細かい内容となってしまったが、少なくとも鉄道模型の
愛好者を自認するなら、くれぐれも"HOゲージ"等と口にしてはいけないの
である。


タグ:鉄道

天賞堂16番 C62カンタムサウンド 山陽タイプ [鉄道(模型)]

 もちろん存在は知っていたし、とても惹かれてはいたのだが、あえて
目を背けていたのだ。私などには分不相応だと。9mmだって十分満足
出来るじゃないかと・・・。


C62sanyo.JPG
天賞堂16番 C62カンタムサウンド 山陽タイプ
*この時点ではまだ付属ナンバー等は取り付けていない


 鉄道模型を愛好する者にとって、やはり16番ゲージは魅力的で
ある。Nゲージの箱庭的な魅力と目線での楽しみ方とも違う、その
模型然とした迫力に惹かれない訳が無い。
 今回私の手元に来たのは1/80、日本において16番ゲージと呼ば
れる縮尺の鉄道模型だ。C62は銀河鉄道999でも知られる日本最大
の旅客用蒸気機関車である。


C62sanyo_2 .JPG
C62 天賞堂1/80(16番)とKATO製1/150(Nゲージ)
16番の1/80は1/150であるNゲージに比してこの大きさである。


 この天賞堂製C62、ブラスモデルではなくダイキャスト製なのだが、
何と言っても"カンタムサウンド"シリーズである。
 カンタムサウンドとは、機関車にサウンドデコーダーを搭載し、
こちらの操作に応答して色々な効果音を出すシステムで、これ
だけ聞くとナンだか子供だましな印象だがさに非ず。起動音と
共にライトが灯るとコンプレッサーの音がして、さらに電圧を上げ
ると"ボッボッボッ"と言う音と共にゆっくりと加速。当然だが速度が
上がるとドラフト音もシンクロして早くなると言う懲りようで、
実際に見るとそのクオリティには大人ですら驚いてしまう程である。
私もショップで購入する際に、車輌の動作チェックのため箱から出し
て試験線の上を走行させたのだが、店内に響き渡る蒸気サウンド
に冷やかしで店内に居た人たちが集まってしまい、ちょっと気恥ず
かしかったが、見ている人たちが一様に驚きの表情を浮かべていた
のが印象深かった。


 付属パーツはナンバーが5、15、17、18。区名札は関、糸、広、広転
が付属しており、サウンドデコーダをリセットするためのマグネットワンド
が付いている。その他にはテンダーに搭載する石炭も付属しているが、
テンダー内にサウンドデコーダを内蔵しているため、積載した石炭を固着
するには厳密なマスキング作業が発生するのが手間と言えば手間かも
しれない。
 

 16番という禁断の世界に入り込むにあたり、パワーパックは既に純直流
の物をN用に持っているので、あとはレールとカンタム用のコントローラだけ
であったのだ。
 レールは道床付きと決めていたのだが、見た目はともかく耐久性と使い
勝手からエンドウ製にした。確かにKATO製の方が見た目も実感的で良い
のだが、接続部のしっかり感と耐久性、使いかっての良さからエンドウに
決めた。

16mmrail.JPG
左:KATO製16番レール(HOユニトラック)
右:エンドウ製16番レール(HOニューシステム線路)
KATO製はジョイナーがN用と同じ物で、枕木も塗られているが
耐久性に不安を感じさせる造りである。エンドウ製は見た目が
単色で色気が無いのだが、全てのレールにフィーダーの差込口
があり、しかも太いリブが造りこまれている上にケーブル引き
回し用のスリットまである。さらに接続した感じもKATOより剛性
があり、単色の見た目に反して実際の質感はかなり高い。その
他として電圧降下もKATOに比して少ないとの事だ。ちなみに
中央は比較用のTOMIXのNゲージ用であるファイントラック


 この天賞堂カンタムシステムが搭載するサウンドデコーダーはQSIの
もので、アナログとデジタルに対応している。天賞堂のカンタム・エンジ
ニアリングはアナログコントローラであるが、当然デジタル(DCC)でも
制御が可能になっている。
 つまり先々16番でDCCサウンドで楽しむ事になっても、このQSIデコーダー
が無駄になる事は無いのだ。実際にKATOのDCCで天賞堂のカンタムを
操作している人たちも多い。実際のファンクション割り当てが若干違うよう
だが、それは仕方の無い事だろう。欧米メーカーのコマンドST.はKATOに
比べファンクションの割り当てが多い(ボタン数が多い)ため、LenzかMRC
の導入を考えている。
 とは言え、現時点でこのギミックを楽しむには、やはりカンタムエンジニア
は必須であろう。確かにアナログではあるが、これがあれば任意のタイミング
で長汽笛やフランジ音が出せる意味は非常に大きく、楽しみ方の幅がグン
と広がる。


 ようやくナンバー等を取り付けたので、早速カンタムサウンド
ビデオで撮影(YouTube)してみたが、この私が撮影したものより
遥かに素晴らしいカンタムの動画がYouTubeには多くUPされている
ので、それらの動画でこのサウンドの素晴らしさを確認してほしい。
それにしても、ナンバーを取り付けるだけで随分と雰囲気が引き
締まるものだがやはりアナログコントロール、進行方向を変える
たびに音が途切れてしまうのは如何ともしがたい(早急にデジタル
環境を整える必要性を感じてしまう)。
 ちなみにナンバーは17号機(糸崎)にした。この17号機は昭和29年
の名古屋機関区時代に、木曽川橋梁で狭軌における世界最高速度で
ある129k/mを記録している栄光のナンバーである。その後17号機は
梅小路、下関、広島、と転属し、晩年は糸崎機関区に所属し15号機、
16号機と連番で急行"安芸"等の牽引に活躍し、後に稲沢へと所属を
変えそのまま引退となった。その後は長く名古屋の東山動物園に静態
保存されていたのだが、狭軌世界記録を保持する機関車として、その
状態は錆びや厚塗りされたペンキ等、余りに寂しいものであった。
しかし、今年オープン予定のJR東海博物館(仮称)に展示される事が
決まり、去年2月に東山から搬出されたのは記憶に新しいところである。



 DCCも出始めの頃は色々と問題や不明な点も多かったが、ここ最近は
ネット上でも各デコーダやステーションの相性、取り付け方法等の情報が
充実してきた感がある。


 16番でのサウンド、私個人として楽しむ上でも、これからが実に楽しみな
分野である。


タグ:鉄道

製作開始に向けて [鉄道(模型)]

 と言うわけで、今年最後の更新は他のblogにもチョコッと書いた通り、
ジオラマ作成に向けてとりあえずフレキシブルレールを買ってみたので、
今回は鉄道模型(Nゲージ)におけるレールに関してちょっと語ってみよう
かと思う。


rail1.JPG
左から
KATOフレキシブルレール(21-000)
Pecoフレキシブルレール木枕木(SL-300)
PecoフレキシブルレールPC枕木(SL-302)
TOMIXファイントラックS280


 フレキシブルレールとは、枕木だけでその下のバラスト部分が
造り込まれていない、言わば"生レール"である(変な表現だが)。

 日本における鉄道模型用のレールは、日本の一般的な家庭環境
を考慮し道床、つまり枕木等が最初から造りこまれており、ストレート
のみならずカーブレールもその半径や長さ(角度)が高度にシステム化
された設計となっている。そのため手軽に接続する事が出来るのだが、
反面自由度が高いとは言えず、カーブの半径や直線の長さも最初から
ある程度決められてしまうデメリットがある(システマチックに考えれば
実に大きなメリットでもあるが)。
 それに引き換え、フレキシブルレールはその名の通りフレキシブルに
曲げられるため、カーブのRも自由に引く事が出来る自由度が高い使い
勝手の良いレールであるが、反面扱い方は特殊と言えるかもしれない。
それにポイントレールも造りが繊細で、それを動作させるためのマシン
も高価で、構造もユーザーが扱う上で少々複雑であるのが難点であろ
うか(それに種類も多くない)。
 日本のブランドで入手が容易なフレキシブルレールはKATOと篠原が
有名だが、私が今回購入したのは、英国のPecoというメーカー製の
ものである。Pecoは鉄道模型用レールとしては、独のPikoと並ぶ歴史
あるメーカーで、Pecoのフレキシブルレールは誰もが知る定番である。
ちなみにこの両社を区別するため、独Pikoは"ピコ"と発音し、英Peco
は"ピィコ"とするのがお約束だ。

 欧米における鉄道模型の走らせ方だが、日本と違い基本的には
フレキシブルレールの枕木に小さな穴を空け、そこからピンやスパイク
(小さな釘)でボード等に固定するやり方が一般的である。固定式レール
をその都度繋げる日本流の方が、世界的に見れば楽しみ方としては
少数派なのだ。

 KATOとPecoのフレキであるが、KATO製は復元力があり、曲げても
レールと枕木の反発力で"ビヨ~ン"と真っ直ぐになってしまうが、Peco
は曲げに対する保持力があり、ある程度曲線のRを保持する。これは
レールの材質と言うより、どうも枕木の材質と取り付け方に拠ると思わ
れる。


rail2.JPG
KATOとPecoの枕木取り付け部分
Pecoは曲線が引き易い反面、意外と"完璧に真っ直ぐ"引き難いと
いう盲点があり、ボードに固定してからレール視点で見ると直線
のつもりが微妙にうねっていたりする。KATOの枕木は途中でいくつ
かに分割されていて、レールを簡単に引き抜く事が出来る。


 Nゲージは線路幅(の内径)が9mmである事からNineゲージの略で、
この規格は線路幅のみならずモーター駆動の電力に至るまで世界
共通であるため、Nゲージ車輌であるならばメーカーを問わず楽しむ
事が出来るのだが、実はレールに関してはいくつかの規格が存在
する。もちろん幅は9mmで共通なのだが、問題はレールの高さである。
この高さが違うレールを接続すると段差が発生し、スムーズに車輌
を走らせる事ができないばかりか、最悪その段差で車輌が脱線して
破損する事すらある。

 現在日本で最も入手が容易であるTOMIXのレールはコード#80という
規格で、レール高さは2mm、道床を含めた全体の高さは6.2mmである。
このレールコードにも複数の規格があり、私が今回購入したPecoは
コード#80であるが、同じPecoでも型番に"F"が付くファインシリーズは
コードが#55になっており、コード#80との接続には、#80側のレール
上面を#55に合わせ、傾斜させるよう削る等の少々面倒な加工が必要
になってくる。参考までにPecoのフレキシブルレールの型番は以下で
ある。

Peco
 SL-300(木枕木) #80
 SL-302(PC枕木) #80
 SL-300F(木枕木) #55
 SL-302F(PC枕木) #55

 KATOのフレキシブルレールのコードは#80、篠原はコード#70で
あるが、実際の鉄道から換算するとコード#70でもオーバースケール
であるため、実感に拘る人はさらに細いマイクロエンジニアリングの
#40レールを使う人もいる。だがここまで低いと一般手的なNゲージ
車輌が履く車輪のフランジがレール内側の枕木に乗り上げてしまう
ため、全く走行不可能である。このような場合はフランジの低い車輪
に履き替えなければならないが、ここまですると走行模型として成り
立たなくなる可能性も高いため、低コードレールをつかったジオラマは、
かなりの鉄道模型上級者でなければ手に負えない世界であると言え
よう。
 ちなみにコード#55でも、KATOのローフランジ車輪以外の車輌は
おそらく満足な走行は厳しいかもしれない。1世代以上前のKATOや
TOMIX等の日本メーカーの車輪では、恐らく安全に車輌の走行を楽し
むのは難しいかと考えられる(実際に私自身で試した訳ではなく申し
訳ないが)。
 ちなみにKATOのローフランジ車輪であるが、2006年頃市場に出た
車輌の多くが履いていおり、賛否両論あったようだが実際問題かなり
センシティブで、色々なメーカーのレール上で脱線が頻発し、相当な
レベルで厳密に接続されたレール以外ではまともに走行不能であった。
結局その後に再販された分からは廃止されたようで、一部のKATO
ファンにとってこのローフランジ車輪は暗黒史扱いされている(が支持
するファンも多い)。

 兎に角、安全確実に車輌を走行させるため、今回メインで使うpeco
のフレキはコード#80を選んだ訳だが、このPecoコード#80フレキは
枕木を含めた全体の高さが4.2mmであるため、TOMIXと接続する際
は2mm厚の道床を敷けば良い。これはなかなかジャストな数値で、
ポイントレールは入手の容易性と信頼性からTOMIXをメインに利用
する予定なので非常に有難い。なぜならフレキシブルレールの道床
に利用されるコルク製のシートは、鉄道模型以外の用途で売られて
いる物の殆どは1mm厚単位で売られているので、この場合は単純に
2mm厚のコルクシートを用意すれば良いと言う事になる。
 また、TOMIXとPecoのレールを接続するジョイナーだが、Peco製は
小さく取り付けも硬いので、TOMIX製の方が良い。KATOは試していない
のだが、基本的にKATOレールと接続する事は考えていないので問題は
無いだろう。



 既にボードの手配もしてあるので、行ったり来たりするだけのディスプレイ
用ジオラマ作成に着手する日も近いかも知れないのであった・・・。

*最初の投稿後、気になったので篠原のNゲージ用レールのコードを調べたところ、篠原のNレールはコード#70であったので、本文中の篠原レールに関する記載を#60から#70に修正しました。お騒がせ致しました。
 


 それでは皆様、良いお年を!


タグ:Nゲージ

鉄道模型を(より楽しく)走らせるためには [鉄道(模型)]

 最近ディスプレイを兼ねたレイアウトの作成を考えている。つまり
撮影に使えて多少は走行可能なジオラマって事なのだが、サイズ
その他をどうするかで色々と迷っている。


 走行可能とは行っても、基本的には行ったり来たり程度で良く、
エンドレスにする事は全く考えていないので、市販品のレイアウト
モジュール用のボードを1枚使うつもりでいる。ディスプレイが最たる
目的なので、レール間隔(複線間隔)はTOMIXやKATOのデフォルト
に順ずる必要は無く、フレキシブルレールを使う事になるだろう。PECO
かKATO、もしくは篠原のレールを考えているが、入手の容易性から
やはりKATOであろうか。まあ、どのレールを使おうが、道床はKATO
のコルクにするつもりでいる。あとレール間隔を考えると架線柱は
市販品をそのまま使えないのが少々面倒であろうか。
 時代設定は蒸気も電気も違和感なく、少々の無理をすればJR世代
の車輌でもイケるようにしたい。昭和50年頃の雰囲気なら問題無い
だろうか。レールはPC枕木だと蒸気には少し無理があるので、木の
枕木でレールの規格は今時っぽくする必要があるだろう。さらに加え
て言えば機関庫や詰め所、ホームに沿線の建物等は全て木造という
ワケにはいかないだろうし、蒸気の現役感を出すには給水設備や
石炭用設備も必要になってしまうのだが、そうなるとJR世代の車輌
をディスプレイする際に違和感を感じさせてしまう。

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

 とまあ、実は2年くらい前からずっとこんな事を考えており、実際の
製作は全く始まっていないのだからナンだかなぁ(笑)。
 ゆくゆくは分割可能なレイアウトを製作したいと考えており、この
ディスプレイ用レイアウトはその練習と実験も兼ねて製作するつもり
でいる。

 とりあえず、自分にプレッシャーを与える意味でボードだけでも年内
に買ってしまおうかと考えている今日この頃である。(で、結局何も買わ
ない可能性が高かったりするからいつまでたっても何も出来ないので
あるな。全くヤレヤレだ(汗)。



タグ:Nゲージ 鉄道

マイクロエース 国鉄 郵便・荷物列車6両セット [鉄道(模型)]

 迂闊な事にいつものショップで予約し損ね、先日通販でようやく
入手する事が出来た。殆どのショップは早々に予約を締め切って
しまい、店頭販売分も入荷日か翌日には完売してしまったようだ。


A8552.JPG
A8552 マイクロエース国鉄郵便・荷物列車6両セット
この製品は、国鉄時代の郵便物や小荷物を輸送していた列車の
6両セットで、その内容はスユ42、マニ37、マニ60×3、マニ61と
なっている。


 今回のセットは昭和40年代の編成イメージであるとの事なので、
牽引機はやはりEF58がBetterと言えるだろう。
 これら車輌は、その殆どが旅客用客車からの改造であるため、
非常にバリエーションが多く、車輌番号を特定しその車輌を模型
で再現しようとすると、かなり多くの情報が必要になってくる。
あまつさえ実際の編成を完璧に再現しようとすると、相当な労力
を要する事になる。



 荷物列車とは貨物列車ではない。荷扱いのみの客車列車という
存在で、もちろん旅客車+荷物車という編成形態から始まったの
だが、ここで述べる荷物列車とは貨物ほどの大きな積載物を輸送
しない、手荷物や小荷物、郵便物のみを運ぶ列車である。
 現在のように宅配便以前の時代、個人が小包を送る手段として
郵便小包と双璧をなしていた荷物列車だが、送るには最寄の荷扱い
駅まで荷物を預けに行き、さらに受け取るにも駅まで出向かなければ
ならない不便があった為、時代の流れに乗れず郵便荷物列車はJR化
に際し、1986年秋に廃止されてしまった。
 荷物列車というと、やはりEF58が牽引していたイメージが強いのだが、
最晩年はEF58が老朽化により多くが退役してしまった為、本来は碓氷
峠向けの山岳路線用機関車であるEF62が仕業に充てられた。碓氷峠
での貨物輸送が廃止された影響で、EF62に余剰が発生していたので
ある。しかし定格速度が低い勾配線区用のEF62にとって、平地での
高速運用はやはり無理があり、主電動機のトラブルが続出したため、
EF65が代走に出る事もあった。

A8552_1.JPG
A8552_2.JPG
造りは見ての通り、実にマイクロエースらしさに満ちている。
手摺り等は少々大げさにデフォルメされ、しかも塗料の乗り
が厚いゆえに凹部にが塗装しきれていないのだが、見ように
よってはシャープな感じを受けてしまうところが実にらしい。
(塗装に関しては個体差である可能性もある事をお断りする)

A8552_3.JPG
A8552_4.JPG
車番や所属プレートも各車輌に書き込まれているのが非常に
マニアックで、この辺りもマイクロエースの本領発揮といった
ところだろう。


 マイクロエースの製品全般に言える事であるが、細かいディテール
の造り込みに拘りを感じさせ、その造形は見ようによってはシャープ
に造り込んであるように感じさせるが、基本的にはモッサリしており、
ある意味非常に大げさ、つまり実際の縮尺に比べてやや"大きく作って"
いるのである(素材における加工精度のコスト限界と言う問題もある
だろうが)。

 実はこの部分、鉄道に限らずミリタリーや車に関しても、その模型
を実感的に見せるため、非常に重要な要素である。つまり実物の特徴
を見る側ににアピールする必要性から、その物を特徴付けるポイント
をやや"大げさに見せる"事、つまり良くも悪くもその物全体を"見せる"
ための"デフォルメ"が重要なのである。上手く言葉で表現出来ないの
だが、例えば非常に良く描けたマンガチックな似顔絵を考えるとイメージ
し易いかもしれない。
 マイクロエースは、良くも悪くもこの問題に関してかなり"マニアック"
な造形手法で攻めるメーカーで、以前に"ガイコツ"のタイトルで記した
小田急9000形のフロント部の手摺りなど、実にマイクロエースらしい
表現である。そのため、マイクロエースは他のNゲージ(の2大)メーカー
であるTOMIXやKATOに比べ、ファンとアンチの温度差が高いのだ
(因みに私はKATOが一番好きである)。最も造形ではなく、モーター
等の電装部品のクオリティや、長期間所蔵すると劣化するギア周辺
のグリスの品質。そして何よりアフターサービスの方がより現実的で
ヤバイ問題であるとは思うが(苦笑)。

 付け加えるなら、マイクロエースはTOMIXやKATOがリスキーで
商品化できない、非常にマニアックな車輌を次々と製品化してくる
メーカーでもあり、さらに殆ど再生産をしないため、マイクロエース
製品は実質的に"カタログモデル=限定品"と考えた方が良く、欲しい
車輌は必ず予約する必要があると言える(逆に不人気な商品は何年
も店頭に在庫されるので小売店泣かせでもある)。



 何度かこのblogでアキバ系フィギアの造形に関して記した事が
あるが、これら鉄道模型のTOMIXとKATOの造形とその方向性に
関しても、そのうち纏めてblogに記してみようかと考えている今日
この頃である(まあ、何時になるか分からないが)。


KATO製151系 こだま [鉄道(模型)]

 KATOから発売された151系特急型電車である。以前に発売された
レジェンドコレクションとは違い、チャンピオンマークや車体間の外ホロ
は付属していない。


151kodama.JPG
KATO 151系"こだま"


 今回発売された編成は昭和30年代後半、国鉄在来線特急全盛期
を象徴する"特急こだま"12輌編成で、当然だが基本8輌セットと増結
4輌のフル編成で購入した。
 大阪寄りのクロと東京寄りのクハで、ちゃんと屋根上機器を造り分け
てあり、運転台横のバックミラーも再現されている。
 

151kodama2.JPG
バックミラー


 今の時代に"こだま"と言うと、殆どの人は新幹線の事だと思うだろうが、
この列車名はそれ以前に在来線特急として使われていた愛称であり、
東京~大阪(神戸)間を6時間代で結ぶ、時代の先端を行くビジネス特急
であった。
 それまでの長距離優等列車は機関車牽引による客車編成が一般的
であったが、この151系は初の電車特急で最高速度は110km/h、横浜
を出ると名古屋までノンストップという、その走りっぷりも正に東海道の
女王と呼ぶに相応しい優等列車であった。

 この車輌、その個性的なボンネットスタイルは、発電機等の騒音
発生源を、可能な限り客室スペースから遠ざける目的がある。結果
として運転台が高くなり、実に優雅で迫力あるスタイルとなった。
さらにこの列車を"特別な"急行たらしめたのはパーラーカーの存在
である。
 それまでの東京~大阪特急"つばめ"に連結されていた、長距離優等
列車の象徴である一等展望車。これに替わるべく、こだまには定員18名
のクロ151が設定された。 この車輌、編成中の大阪寄り先頭車の1輌のみ
連結され、運転台の後ろに定員4名の個室を設定し、特にクロ151-12は
貴賓車予備のため防弾仕様であったという。


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今回発売されたモデルはクロ151-5で、当然だが車内もちゃんと
特別室が造り込まれている。


 このクロ151特別2等車。乗客にはクッキーと紅茶、さらに利用は
都市部に限定されたが、乗務員が移動電話を座席まで持ってきて
くれるサービスまであった。



 新幹線開業前、国鉄特急が栄光に輝いていた時代を走り抜けた
特急電車151系こだま。まさに特急が現代とは違う意味で"特別"な
急行であった時代を象徴する車輌である。

 日本最大の鉄道幹線であった東海道本線を疾駆したその在りし
日の姿は、模型の世界で偲ぶ事ができるのみである。


ガイコツ [鉄道(模型)]

 とは言っても、今回はいつものSkullネタではない。小田急
9000形通勤電車の事である。


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マイクロエース 小田急9000形
手摺りの造りが如何にもマイクロエース的である。


 この小田急9000形は1972年から1977年にかけ、90両が製造
された小田急の通勤型電車である。それまでの2400形や5000形
のような、所謂当時の"小田急顔"とは一線を画したデザインは、
小田急顔全盛時代の中にあって異彩を放っていた。
 1段奥まったフロントガラスと、その下に丸型ライトを配置した
個性的なデザインから、親しみを込めて"ガイコツ電車"と呼ばれ
ていた。

 このデザインは、小田急社内において新型電車である事を
アピールする為、今までに無い新しいデザインを各車輌メーカー
に依頼した結果、東急車輛のデザインが採用されたのである。
何でも本来は東京急行電鉄向けとして進められていたデザイン
であったとか。


odakyu9000_2.JPG
戸袋窓は実車同様ブルーになっている。


 小田急は私が高校時代に通学で毎日乗っていた。当時は所謂
5000形に代表される"小田急顔"の全盛期であり、9000形はその
中で強烈な異彩を放っていた。その広いフロントガラスと腰部の
高さに配置されたライトは、他の私鉄には見られない個性で、9000形
が来ると遠くからでもすぐそれと分かったものだ。
 個人的に小田急といえば、やはり5000(5200)形に一番馴染み
があるのだが、小田急を利用していた当時の事を思い出すと、
やはりこの9000形が真っ先に思い浮かぶから不思議だ。


 高校を卒業して以来、小田急は数えるほどしか利用していない。
既にこの9000形も2006年に営業運転から退き、現在は喜多見
検車区にデハ9001が静態保存されているのみである。
 毎日利用していた上に、その気になれば何時でも乗れる電車
でもあったので特に気にしていなかったのだが、ふと気づいて
みれば、9000形は営業線上から姿を消してしまっていた。



 小田急9000形通勤電車。それは私の高校時代の思い出と共に、
今では記憶の中と模型の世界だけの存在である。


KATO製E259 N'EX [鉄道(模型)]

 以前のblogで取り上げた、JR東の成田エクスプレス用の新型車輌
であるE259。そのNゲージがKATOから発売されたので、6両×2編成
ほど購入した。


e259kato.JPG
KATO製E259 N'EX
発表はTOMIXの方が早かったが、先に市場へ出たのはKATOになった。


 E259は2009年10月より営業運転を開始した新型のN'EX専用特急
型車輌で、順次253系を置き換えている。
 車体はアルミ合金のダブルスキン構造としており、カラーリングの
イメージは先代のN'EXを引き継いでいるが、そのフロントデザイン
は赤が廃されただけでなく、デザイン自体が大きく変化している。


katoe259_253.JPG
同じくKATO製の初代N'EX、253系と。


 私はまだE259に乗車した事はないのだが、乗り心地も253系に
比して改善されており、各車輌間に車体間ダンパを搭載し、先頭
車両にはフルアクティブサスを採用。最高速度は130㎞/hで、保安
装置等は全て冗長化されている


e259kato2.JPG
今回の製品では車体間ダンパも再現されている。


 今回のKATO製品だが、実車のボリュームあるフロントが手際よく
再現されており、編成全体のスマートな印象を損なう事なく模型化
されているのは如何にもKATO的なフィニッシュである。行き先表示
は"成田空港"が印刷済みであり、N'EXのロゴも鮮やかなのだが、
上の車体間ダンパのphotoで分かるように、ロゴマーク周辺はかなり
の"にじみ"があるのが残念である(もっとも普通に走らせている分には
目立たないが)。

 今回は2セット購入したが、決して悪い買い物ではなかったと
思っている。関東在住で特急型車輌のファンであるならば、押さ
えておいて間違いない製品であろう。



 近いうち、ぜひ実車に乗車してみようと思う今日この頃である。


タグ:KATO Nゲージ

KATO EF15 [鉄道(模型)]

 以前にマイクロエース製のEF57に関して記した事があったが、その
中でEF15も私にとって大好きな機関車であり、さらにKATOからカタログ
落ちしているEF15のリニューアルが発表されたと述べた。
 そのKATO製EF15リニューアルが発売されたので、ちょっと紹介したい
と思う。


katoef15.JPG
KATO EF15
撮影:Nikon D70
今回は3輌購入。ナンバーとカプラーの交換はまだである。


 EF15は昭和22年から33年にかけて202輌製造された、貨物用を代表
する電気機関車で、旅客用のEF58と共に事実上の標準型と言って良い
機関車である。一部は勾配線区用のEF16に改造され、国鉄末期まで
その姿を見る事が出来た。

 国鉄時代の1970年代後半から、貨物列車の削減と老朽化によって、
JR化の前に全ての定期運用から撤退してしまった。
 幸いにも、私は現役最晩年のEF15を見た事があり、そのデッキ付き
の車体は正に古強者と呼ぶに相応しい貫禄を備えていた。


 元来貨物用であり、その無骨な概観とあいまって、EF58の様な華や
かさに欠け、さりとて同じデッキ付きのEF57の様に優等列車の先頭に
立つ事も無かったせいか、一般的には地味な存在であったのは確か
である。





 現在はフロント部だけのカットを含め、6両が現存しており、宮原に
所属する158号機のみが車籍を有しているがイベント展示用なので、
営業線を走行する事は出来ない(はずである)。
 
 願わくば、もう一度2軸貨車を連ねて走る、あの姿を見たいもので
ある・・・。
 

タグ:KATO Nゲージ

古豪 [鉄道(模型)]

 最後の戦前型電気機関車で、かつては日本の大動脈である
東海道本線で、優等列車の先頭に立っていた電気機関車だ。


ef57_2.JPG
国鉄EF57形電気機関車

左:四半世紀以上前のKATO製 ナンバーは"8"
中:マイクロエース製7号機 ひさしが無い沼津機関区時代
右:マイクロエース製1号機 宇都宮機関区時代

*マイクロエース製はカプラーをKATO_Nに交換済み。
 KATO製はアーノルドカプラーのまま。


 私にとってEF57とEF15は一番好きな電気機関車である。
EF15は辛うじて最晩年の姿を見る事ができたのだが、EF57
は昭和53年10月に全機廃車となっているので、その勇士を
この目で見る事は無かった。
 上のphotoであるが、マイクロエース製の2輌はつい先日発売
されたばかりである。KATO製は私が初めて買ったNゲージの
機関車で、現在はカタログ落ちしているが、先日EF15のリニュー
アルが発表され、続いてEF16も発売カレンダーに載ったので、
KATOにはこの勢いのまま旧型電気の勇であるEF57も是非
リニューアルして欲しいと願っている。




 EF57の1号機が落成したのは昭和15年。既に戦時体制下
ではあったが、東海道本線での優等列車牽引を目的として
いた為、非常に丁寧で質も高く製造されていた。翌昭和16年
から本格的な量産が開始されたのだが、この量産型からは
パンタグラフを車端ギリギリに搭載し、その巨大なフロントデッキ
と相まって、非常に無骨で他に例の無い、個性的な貫禄ある
デザインとなった。
 上のphotoでも分かるように、1号機は車体中央寄りに
パンタグラフを搭載している為、そのシルエットは量産型
にくらべ、見る者に別形式の機関車であるような印象を
与えるスタイルである。
 大きく張り出したパンタグラフに広大なフロントデッキ。
その迫力はまさに"旧型電気機関車然"とした威厳に満ち
ている。



 EF57は当時の最強力電気機関車であり、当初の目的通り
東海道本線での優等列車牽引に活躍したのだが、昭和30年
頃に旧型電気機関車の名機、EF58が大量に配備され始めると、
優秀ではあるもののさすがに戦前製のEF57は旧式化を否めず、
以降は活躍の場を上野以北に限定し、全14両が宇都宮機関区
をホームベースとした(製造両数は全15両だが、昭和23年に
12号機が事故廃車となっている)。
 元来設計が優れた機関車であった為、その現役末期まで
夜行急行の先頭に立つ事も多く、最晩年には20系客車ブルー
トレインを牽引した事もあったが、やはり旧型客車で組成された
夜行急行を牽くその姿に、往年の勇士を重ねるファンも多かった。




 国鉄EF57型電気機関車。現在は7号機の1輌のみが、宇都宮市
の宇都宮駅東口公園で、ボランティアの手により大切に静態保存
されているのみである。


ファインスケール [鉄道(模型)]

 この2両は、ここ最近一番のお気に入りである。何も牽か
せず単機で走らせても、非常に絵になると思っている。

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KATO EF65-500番台P形  TOMIX C57-135



c57.JPG
TOMIX C57 135

 このC57は、一般に”貴婦人”の愛称で知られる蒸気機関車
である。元々はC55形の63号機として製造を開始した機関車
なのだが、ボイラー圧力の上昇とそれに伴う幾つかの設計
変更が実施されたため、新たな形式を与えられる事になった。
それがこのC57形蒸気機関車である。
 10年間に201両製造されたC57はライトパシフィック形の
決定版と言われ、現場での信頼性も高かった。四国を除く
全国で運用され、特に117号機は1973年にお召し列車を牽引
している。ちなみにこれは、蒸気機関車による最後のお召し
列車牽引仕業でもある。

 このTOMIX製C57は、現在鉄道博物館に展示されている
135号機をモデル化した製品である。
 C57 135号機は昭和15年に新製され、高崎に配属された。
首都圏を中心に働いた後、高崎周辺の電化完了と同時に
北海道へ転属し、昭和50年12月14日、国鉄蒸気機関車最後
の定期旅客列車(室蘭~岩見沢)を牽引した事で知られている。

 日本型車輌のNゲージは、基本的に縮尺が1/150というお約束
があるのだが、蒸気機関車の場合はどうしても1/140という、
若干のオーバースケールであった。
 理由はモーターである。SLの内部に収められるサイズの小型
モーターはどうしても高価になるため、鉄道模型として流通に
乗せられる価格設定が出来なかったのだ(非常に高価な小型の
モーターを搭載した、例外的な高級品も存在してはいたのだが)。
 それが最近、ようやく価格的に一般模型用小型モーターの
流通が可能となったのか、今回TOMIXが1/150サイズのC57を
リリースしたのだ。定価が16,170円と、たしかにNゲージの
機関車としてはまだ高価であると言わざるを得ないが、その
精密な配管の造りや見事に再現されたボックス動輪、開閉する
キャブの天窓等、今までの高級品に見劣りしないその出来映えは
素晴らしく、価格分相応の出来であると言える。
 このモデル、”貴婦人”と呼ばれる所以である、全長に比して細い、
そのスマートなボイラーの中にその小型モーターを完全に格納して
おり、しかもフライホイールまで搭載しているため、かなりの
スロー走行が可能で、その精密なボックス動輪とロッドの動きを
堪能する事が出来る。 このphotoを見ても、一昔前のHOスケール
と言われれば信じてしまいそうだ。



ef65501.JPG
KATO EF65 500番台P形

 今年6月に"高崎の人気者達"のタイトルで記したblogにあるEF65P形。
KATOが金型を新規に作成してリリースしたのが今回のモデルである。
 先述のC57で述べたように、Nゲージという模型製品は、一部の
モデルで忠実に1/150へスケールダウンされていないのだが、KATO
製品の特徴として、何故か"全長が長く全体的に大顔"である事が
上げられ、正確には1/148程度の雰囲気になっている。特に同社の
EF58形電気機関車の全長に関してはその特徴が非常に顕著である
のだが、むしろ全長を長くデフォルメ(?)する事で、同機の流麗な
雰囲気が良く出ているとする見方もある。

 それが今回のEF65から、ほぼ正確に1/150となったのである。
付属のナンバープレートはこの501以外に503、505、506が付属
している。私は2両購入したので、まず1両は高崎所属のイベント
スターである501とし、もう1両は505とした。晩年の505は貨物向け
更新2色に塗装変更され、2005年に廃車となっている。私は同じKATO
から発売されていた20系寝台客車を昭和40年代前半の"殿様あさかぜ"
をフル編成で所有しているので、こちらを牽かせて楽しんでいる。
 ちなみに先日KATOから発売された14系寝台客車"さくら"フル編成
(長崎8両・佐世保6両)であるが、こちらは1000番台PF形で楽しんで
いる(私の少年時代、ブルトレ牽引のメイン機関車は1000番台PF形
であった)。

 このEF65P形500番台、前面2枚窓の間隔が狭く、何とも言えない
貫禄があり、如何にも"特急機"な雰囲気がある。今でも九州寝台
特急と言えば、真っ先にこのEF65P形を上げる人も多く、牽引仕業
に就いていた期間はEF66に遠く及ばないものの、やはり新性能機
としてブルトレを牽引した時代が、国鉄の寝台九州特急黄金期で
あったため、EF65P形は寝台特急ブルートレインそのものと言って
良いのかもしれない。




 今回紹介した2両に続いて、各メーカー(特にKATO)が既存のモデル
も全てファインスケールにリニューアルしていくと、今まで購入した
モデルと並べられない(大きさが不揃いで違和感がある)のは大きな
悩みでもあるのだが、何にせよ鉄道模型はその精密さが魅力の大部分
を占めていると思っているので、今回の様なモデルが世に出る事は、
ファンとして非常に嬉しい事であるのは間違い無い。


 縮尺模型にとって、スケールは大事な要素であるのは事実だが、
今回は素晴らしい模型商品の登場を、素直に喜びたいと思っている。


私鉄特急史に残した足跡 [鉄道(模型)]

 そのデザインと内装設備で、多くの人に"旅行の贅沢"さを
実感させてくれた特急電車である。



けごん.JPG
マイクロエースA0874 東武DRC1700系 特急"けごん"(登場時)




 1960年から1991年まで日光と鬼怒川方面への優等列車
として運行され、東武鉄道を代表する特急型電車として
活躍した。年代によっては、子供の頃に絵本で見た人も
多い事だろう。小田急ロマンスカー、近鉄ビスタカー、
名鉄パノラマカーと並ぶ、日本の私鉄史に名を残す優等
列車用車輌である。

 この1700系"けごん"は、国鉄の157系電車による日光
への優等列車"中善寺"や"日光"に対抗するため、国鉄の
1等車なみのリクラインイングシートをそなえ、8席の
回転椅子とジュークボックスを備えたサロンスペース
(後年普通座席に改造)を設置し、1編成につき2ヶ所の
ビュッフェを設け、さらには全車冷房を装備する等、
その設備は国鉄の157系を遙かに凌駕するものであった。
日本の鉄道車輌では、初めて車輌間の貫通路に自動ドア
を装備したのも、この東武1700系である(東武ではこれを
"マジックドア"と呼んだ)。また、先頭部のデザインも
斬新で、当時の高級国産車である日産セドリック(前期30型
1900カスタム)に影響を受けたと言われている。
 晩年は設備の老朽化からくる陳腐化を批判する声も
あったが、それでも東武のDRCは人気があり、沿線の
住人からも愛されていた。


 残念な事に、私はこの1700系特急に乗車した事は無く、
営業運転中の実車を見た記憶も無い。そもそも東武の
特急は、今から4年ほど前に所用で100系"スペーシア"に
乗ったのが初めてである。

 今の時代、鉄道旅行で"旅の贅沢"を感じるなど、カシオペア
やトワイライトEXPのような列車でなければ、まず無いだろう。
 この1/150世界に再現されたサロンスペースと、ユーモラス
で存在感のある先頭部のデザインを眺めていると、高度経済
成長時代に、家族や仲間で日光や鬼怒川温泉に旅行する事が、
どれほど心躍るレジャーであったかと思いを馳せてしまう。


 東武鉄道デラックスロマンスカー1700系。現在は東部鉄道
博物館に先頭車(1720)が1両静態保存されているのみである。

Nゲージ動画でテスト [鉄道(模型)]

 4月24日にNゲージの動画をUPしてみたが、どうせならYouTubeを
利用した方が効率的かと思い、ちょっと試してみる事にする。
 今回もNゲージ動画で、KATOの189系"あさま"である。ちなみに
今回もHD動画ではなかったりする。


 
 どんなものであろうか?

予告通り(?)鉄道模型の動画でも [鉄道(模型)]

 と言うワケで、ちょっと"退屈しない玩具"でNゲージを撮ってみた。
30秒程度の動画である。




 京浜東北根岸線の設定。
 それにしても畳が草臥れてるなぁ(笑)。



 で、この動画であるが、アップロード可能なファイル形式と容量
等の制約から、HDR-XR520Vのスペックを生かし切っているとは
とても言えないのが残念である。
 やりようによっては、もっと高い解像度とfpsでアップ出来るので
あろうが、まあ、正直まだ良く分からないのだ(汗)。


 手前を通過する電車はJRのE233 1000番台京浜東北線で、
向こうからやって来るのはタンク貨物ガソリン輸送列車。
 シチュエーション的には京浜東北根岸線の関内~根岸間の
どこかと言ったところである。

 
 E233はJRが新造した通勤形電車である。人によっては中央線
仕様であるオレンジ色の0番台の方が馴染み深いかと思うが、私は
ブルーの1000番台京浜東北線の方が好きだ。
 このE233は、一部で悪名の高い"走るンです"シリーズのE231
で評判の悪かった部分を改善した車両であり、私が一番好きな
JRの通勤形車両でもある。ヘッドライトが額部分の両端にあり、
その表情がナカナカに個性的であるので、アンチからは"顔なし"
(千と千尋に出てきたあれ)と呼ばれたりしている。
 ちなみにこのE233、東海道線用の3000番台も2009年4月現在、
15両1編成のみ存在しており、勿論オビ色も湘南色(オレンジ&グリーン)
で、起動加速度もE231に合わせて2.3km/h/sとなっている。言い
換えれば3000番台は近郊形のE233であり、グリーン車の存在と
内装も一部がBOXシートとなっている点が利用者側から見た京浜
東北線1000番台と中央線0番台との大きな違いと言える。
 余談ではあるが、この湘南色3000番台はTOMIXから11月に
発売予定となっている(おそらく購入してしまうだろう(苦笑)。

 向こうからやってくる貨物列車は根岸駅にある新日本石油精製
根岸製油所からの石油輸送貨物列車(という設定になるのが自然
だろう)。
 先頭の機関車はEF65PF形貨物色である。この機関車、20年
以上前はブルートレインの牽引機であったと言えば、知る人も多い
だろうが、やはりこのPF形はブルーのボディに前面からサイドにクリーム
色のラインが入ったの特急色の方が、やはり馴染み深いかもしれ
ない。
 国鉄からJRへと分社化された際、貨物部門はJR貨物となった訳
だが、JR貨物所属機は全てではないが順次このような塗装となって
いる。地域や時期、はたまた所属する機関区によって、同じ貨物色
でも色々とバリエーションがある。特にブレーキ装置の増圧促進装置
の更新工事を受けた機体は、ナンバープレートが赤くなっていて、この
貨物色の赤プレート機や、特急色のまま赤プレートになった機体等、
それらを調べつつ実車を追いかけるのもまた楽しい。
 牽引されている貨車はJRになってから新造されたガソリン専用
のタンク車”タキ1000”である。このタンク車は従来のタンク車よりも
重心を下げる等の工夫により、石油輸送貨物列車の最高速度
を75km/hから95km/hへと引き上げた。このグリーンのタキ1000
は日本石油の輸送車である。
 


 とまあ、長々とマニアックな事を語ってしまったが、鉄道模型に
興味の無い人にも、この"精密さからくる箱庭的世界観の広さ"
の魅力が伝われば幸いである。




 *まあ、アップした動画がこのレベルではお話しにならない
  のだが・・・。

鉄道模型(Nゲージ)ネタでも。 [鉄道(模型)]

室内灯.JPGMAカタログ.JPG


 ストックが2両分しかないので買ってきた。あとは今さら
ながらのMicroACEカタログVol.3。


 KATOの室内灯、"白色室内灯11-210"は11-209が6両分
入った品で、光源がチップ式のLEDになっている。以前の電球
タイプに比べると省電力で、電球タイプの消費電力が60mAで
あるのに対し、わずか25mAなので、長編成にも安心して取り付け
られる。
 ただ、その名の通り”白色”のLEDなので、通勤形や近郊形の
車両には良いのだが、前時代の客車や特急グリーン車の様に、
電球や間接照明の柔らかい室内照明の表現には向いていない。
一応"電球色フィルター"という小さいオレンジ色のフィルターが付属
しており、これをLEDチップの基盤ホルダーに取り付ける事で、一応
は電球色になるのだが、まあ、何と言うか、つまり”いかにも電球色”
と言える程の効果は出ない(と個人的に思っている)。そのため、
KATOの白色室内灯で"らしい"色を出すには、フィルターをさらに
クリアオレンジで着色し、さらに導光板の一部にもクリアオレンジで
着色する等、一手間加える必要がある。

 ちなみにもう一方の雄、TOMIXは電球色と蛍光灯白色の2種類
のLED室内灯を出しており、取り付けもKATOに比べとても簡単に
なっている。

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