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ファインスケール [鉄道(模型)]

 この2両は、ここ最近一番のお気に入りである。何も牽か
せず単機で走らせても、非常に絵になると思っている。

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KATO EF65-500番台P形  TOMIX C57-135



c57.JPG
TOMIX C57 135

 このC57は、一般に”貴婦人”の愛称で知られる蒸気機関車
である。元々はC55形の63号機として製造を開始した機関車
なのだが、ボイラー圧力の上昇とそれに伴う幾つかの設計
変更が実施されたため、新たな形式を与えられる事になった。
それがこのC57形蒸気機関車である。
 10年間に201両製造されたC57はライトパシフィック形の
決定版と言われ、現場での信頼性も高かった。四国を除く
全国で運用され、特に117号機は1973年にお召し列車を牽引
している。ちなみにこれは、蒸気機関車による最後のお召し
列車牽引仕業でもある。

 このTOMIX製C57は、現在鉄道博物館に展示されている
135号機をモデル化した製品である。
 C57 135号機は昭和15年に新製され、高崎に配属された。
首都圏を中心に働いた後、高崎周辺の電化完了と同時に
北海道へ転属し、昭和50年12月14日、国鉄蒸気機関車最後
の定期旅客列車(室蘭~岩見沢)を牽引した事で知られている。

 日本型車輌のNゲージは、基本的に縮尺が1/150というお約束
があるのだが、蒸気機関車の場合はどうしても1/140という、
若干のオーバースケールであった。
 理由はモーターである。SLの内部に収められるサイズの小型
モーターはどうしても高価になるため、鉄道模型として流通に
乗せられる価格設定が出来なかったのだ(非常に高価な小型の
モーターを搭載した、例外的な高級品も存在してはいたのだが)。
 それが最近、ようやく価格的に一般模型用小型モーターの
流通が可能となったのか、今回TOMIXが1/150サイズのC57を
リリースしたのだ。定価が16,170円と、たしかにNゲージの
機関車としてはまだ高価であると言わざるを得ないが、その
精密な配管の造りや見事に再現されたボックス動輪、開閉する
キャブの天窓等、今までの高級品に見劣りしないその出来映えは
素晴らしく、価格分相応の出来であると言える。
 このモデル、”貴婦人”と呼ばれる所以である、全長に比して細い、
そのスマートなボイラーの中にその小型モーターを完全に格納して
おり、しかもフライホイールまで搭載しているため、かなりの
スロー走行が可能で、その精密なボックス動輪とロッドの動きを
堪能する事が出来る。 このphotoを見ても、一昔前のHOスケール
と言われれば信じてしまいそうだ。



ef65501.JPG
KATO EF65 500番台P形

 今年6月に"高崎の人気者達"のタイトルで記したblogにあるEF65P形。
KATOが金型を新規に作成してリリースしたのが今回のモデルである。
 先述のC57で述べたように、Nゲージという模型製品は、一部の
モデルで忠実に1/150へスケールダウンされていないのだが、KATO
製品の特徴として、何故か"全長が長く全体的に大顔"である事が
上げられ、正確には1/148程度の雰囲気になっている。特に同社の
EF58形電気機関車の全長に関してはその特徴が非常に顕著である
のだが、むしろ全長を長くデフォルメ(?)する事で、同機の流麗な
雰囲気が良く出ているとする見方もある。

 それが今回のEF65から、ほぼ正確に1/150となったのである。
付属のナンバープレートはこの501以外に503、505、506が付属
している。私は2両購入したので、まず1両は高崎所属のイベント
スターである501とし、もう1両は505とした。晩年の505は貨物向け
更新2色に塗装変更され、2005年に廃車となっている。私は同じKATO
から発売されていた20系寝台客車を昭和40年代前半の"殿様あさかぜ"
をフル編成で所有しているので、こちらを牽かせて楽しんでいる。
 ちなみに先日KATOから発売された14系寝台客車"さくら"フル編成
(長崎8両・佐世保6両)であるが、こちらは1000番台PF形で楽しんで
いる(私の少年時代、ブルトレ牽引のメイン機関車は1000番台PF形
であった)。

 このEF65P形500番台、前面2枚窓の間隔が狭く、何とも言えない
貫禄があり、如何にも"特急機"な雰囲気がある。今でも九州寝台
特急と言えば、真っ先にこのEF65P形を上げる人も多く、牽引仕業
に就いていた期間はEF66に遠く及ばないものの、やはり新性能機
としてブルトレを牽引した時代が、国鉄の寝台九州特急黄金期で
あったため、EF65P形は寝台特急ブルートレインそのものと言って
良いのかもしれない。




 今回紹介した2両に続いて、各メーカー(特にKATO)が既存のモデル
も全てファインスケールにリニューアルしていくと、今まで購入した
モデルと並べられない(大きさが不揃いで違和感がある)のは大きな
悩みでもあるのだが、何にせよ鉄道模型はその精密さが魅力の大部分
を占めていると思っているので、今回の様なモデルが世に出る事は、
ファンとして非常に嬉しい事であるのは間違い無い。


 縮尺模型にとって、スケールは大事な要素であるのは事実だが、
今回は素晴らしい模型商品の登場を、素直に喜びたいと思っている。


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