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製作開始に向けて [鉄道(模型)]

 と言うわけで、今年最後の更新は他のblogにもチョコッと書いた通り、
ジオラマ作成に向けてとりあえずフレキシブルレールを買ってみたので、
今回は鉄道模型(Nゲージ)におけるレールに関してちょっと語ってみよう
かと思う。


rail1.JPG
左から
KATOフレキシブルレール(21-000)
Pecoフレキシブルレール木枕木(SL-300)
PecoフレキシブルレールPC枕木(SL-302)
TOMIXファイントラックS280


 フレキシブルレールとは、枕木だけでその下のバラスト部分が
造り込まれていない、言わば"生レール"である(変な表現だが)。

 日本における鉄道模型用のレールは、日本の一般的な家庭環境
を考慮し道床、つまり枕木等が最初から造りこまれており、ストレート
のみならずカーブレールもその半径や長さ(角度)が高度にシステム化
された設計となっている。そのため手軽に接続する事が出来るのだが、
反面自由度が高いとは言えず、カーブの半径や直線の長さも最初から
ある程度決められてしまうデメリットがある(システマチックに考えれば
実に大きなメリットでもあるが)。
 それに引き換え、フレキシブルレールはその名の通りフレキシブルに
曲げられるため、カーブのRも自由に引く事が出来る自由度が高い使い
勝手の良いレールであるが、反面扱い方は特殊と言えるかもしれない。
それにポイントレールも造りが繊細で、それを動作させるためのマシン
も高価で、構造もユーザーが扱う上で少々複雑であるのが難点であろ
うか(それに種類も多くない)。
 日本のブランドで入手が容易なフレキシブルレールはKATOと篠原が
有名だが、私が今回購入したのは、英国のPecoというメーカー製の
ものである。Pecoは鉄道模型用レールとしては、独のPikoと並ぶ歴史
あるメーカーで、Pecoのフレキシブルレールは誰もが知る定番である。
ちなみにこの両社を区別するため、独Pikoは"ピコ"と発音し、英Peco
は"ピィコ"とするのがお約束だ。

 欧米における鉄道模型の走らせ方だが、日本と違い基本的には
フレキシブルレールの枕木に小さな穴を空け、そこからピンやスパイク
(小さな釘)でボード等に固定するやり方が一般的である。固定式レール
をその都度繋げる日本流の方が、世界的に見れば楽しみ方としては
少数派なのだ。

 KATOとPecoのフレキであるが、KATO製は復元力があり、曲げても
レールと枕木の反発力で"ビヨ~ン"と真っ直ぐになってしまうが、Peco
は曲げに対する保持力があり、ある程度曲線のRを保持する。これは
レールの材質と言うより、どうも枕木の材質と取り付け方に拠ると思わ
れる。


rail2.JPG
KATOとPecoの枕木取り付け部分
Pecoは曲線が引き易い反面、意外と"完璧に真っ直ぐ"引き難いと
いう盲点があり、ボードに固定してからレール視点で見ると直線
のつもりが微妙にうねっていたりする。KATOの枕木は途中でいくつ
かに分割されていて、レールを簡単に引き抜く事が出来る。


 Nゲージは線路幅(の内径)が9mmである事からNineゲージの略で、
この規格は線路幅のみならずモーター駆動の電力に至るまで世界
共通であるため、Nゲージ車輌であるならばメーカーを問わず楽しむ
事が出来るのだが、実はレールに関してはいくつかの規格が存在
する。もちろん幅は9mmで共通なのだが、問題はレールの高さである。
この高さが違うレールを接続すると段差が発生し、スムーズに車輌
を走らせる事ができないばかりか、最悪その段差で車輌が脱線して
破損する事すらある。

 現在日本で最も入手が容易であるTOMIXのレールはコード#80という
規格で、レール高さは2mm、道床を含めた全体の高さは6.2mmである。
このレールコードにも複数の規格があり、私が今回購入したPecoは
コード#80であるが、同じPecoでも型番に"F"が付くファインシリーズは
コードが#55になっており、コード#80との接続には、#80側のレール
上面を#55に合わせ、傾斜させるよう削る等の少々面倒な加工が必要
になってくる。参考までにPecoのフレキシブルレールの型番は以下で
ある。

Peco
 SL-300(木枕木) #80
 SL-302(PC枕木) #80
 SL-300F(木枕木) #55
 SL-302F(PC枕木) #55

 KATOのフレキシブルレールのコードは#80、篠原はコード#70で
あるが、実際の鉄道から換算するとコード#70でもオーバースケール
であるため、実感に拘る人はさらに細いマイクロエンジニアリングの
#40レールを使う人もいる。だがここまで低いと一般手的なNゲージ
車輌が履く車輪のフランジがレール内側の枕木に乗り上げてしまう
ため、全く走行不可能である。このような場合はフランジの低い車輪
に履き替えなければならないが、ここまですると走行模型として成り
立たなくなる可能性も高いため、低コードレールをつかったジオラマは、
かなりの鉄道模型上級者でなければ手に負えない世界であると言え
よう。
 ちなみにコード#55でも、KATOのローフランジ車輪以外の車輌は
おそらく満足な走行は厳しいかもしれない。1世代以上前のKATOや
TOMIX等の日本メーカーの車輪では、恐らく安全に車輌の走行を楽し
むのは難しいかと考えられる(実際に私自身で試した訳ではなく申し
訳ないが)。
 ちなみにKATOのローフランジ車輪であるが、2006年頃市場に出た
車輌の多くが履いていおり、賛否両論あったようだが実際問題かなり
センシティブで、色々なメーカーのレール上で脱線が頻発し、相当な
レベルで厳密に接続されたレール以外ではまともに走行不能であった。
結局その後に再販された分からは廃止されたようで、一部のKATO
ファンにとってこのローフランジ車輪は暗黒史扱いされている(が支持
するファンも多い)。

 兎に角、安全確実に車輌を走行させるため、今回メインで使うpeco
のフレキはコード#80を選んだ訳だが、このPecoコード#80フレキは
枕木を含めた全体の高さが4.2mmであるため、TOMIXと接続する際
は2mm厚の道床を敷けば良い。これはなかなかジャストな数値で、
ポイントレールは入手の容易性と信頼性からTOMIXをメインに利用
する予定なので非常に有難い。なぜならフレキシブルレールの道床
に利用されるコルク製のシートは、鉄道模型以外の用途で売られて
いる物の殆どは1mm厚単位で売られているので、この場合は単純に
2mm厚のコルクシートを用意すれば良いと言う事になる。
 また、TOMIXとPecoのレールを接続するジョイナーだが、Peco製は
小さく取り付けも硬いので、TOMIX製の方が良い。KATOは試していない
のだが、基本的にKATOレールと接続する事は考えていないので問題は
無いだろう。



 既にボードの手配もしてあるので、行ったり来たりするだけのディスプレイ
用ジオラマ作成に着手する日も近いかも知れないのであった・・・。

*最初の投稿後、気になったので篠原のNゲージ用レールのコードを調べたところ、篠原のNレールはコード#70であったので、本文中の篠原レールに関する記載を#60から#70に修正しました。お騒がせ致しました。
 


 それでは皆様、良いお年を!


タグ:Nゲージ
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