SSブログ

天賞堂16番 C62カンタムサウンド 山陽タイプ [鉄道(模型)]

 もちろん存在は知っていたし、とても惹かれてはいたのだが、あえて
目を背けていたのだ。私などには分不相応だと。9mmだって十分満足
出来るじゃないかと・・・。


C62sanyo.JPG
天賞堂16番 C62カンタムサウンド 山陽タイプ
*この時点ではまだ付属ナンバー等は取り付けていない


 鉄道模型を愛好する者にとって、やはり16番ゲージは魅力的で
ある。Nゲージの箱庭的な魅力と目線での楽しみ方とも違う、その
模型然とした迫力に惹かれない訳が無い。
 今回私の手元に来たのは1/80、日本において16番ゲージと呼ば
れる縮尺の鉄道模型だ。C62は銀河鉄道999でも知られる日本最大
の旅客用蒸気機関車である。


C62sanyo_2 .JPG
C62 天賞堂1/80(16番)とKATO製1/150(Nゲージ)
16番の1/80は1/150であるNゲージに比してこの大きさである。


 この天賞堂製C62、ブラスモデルではなくダイキャスト製なのだが、
何と言っても"カンタムサウンド"シリーズである。
 カンタムサウンドとは、機関車にサウンドデコーダーを搭載し、
こちらの操作に応答して色々な効果音を出すシステムで、これ
だけ聞くとナンだか子供だましな印象だがさに非ず。起動音と
共にライトが灯るとコンプレッサーの音がして、さらに電圧を上げ
ると"ボッボッボッ"と言う音と共にゆっくりと加速。当然だが速度が
上がるとドラフト音もシンクロして早くなると言う懲りようで、
実際に見るとそのクオリティには大人ですら驚いてしまう程である。
私もショップで購入する際に、車輌の動作チェックのため箱から出し
て試験線の上を走行させたのだが、店内に響き渡る蒸気サウンド
に冷やかしで店内に居た人たちが集まってしまい、ちょっと気恥ず
かしかったが、見ている人たちが一様に驚きの表情を浮かべていた
のが印象深かった。


 付属パーツはナンバーが5、15、17、18。区名札は関、糸、広、広転
が付属しており、サウンドデコーダをリセットするためのマグネットワンド
が付いている。その他にはテンダーに搭載する石炭も付属しているが、
テンダー内にサウンドデコーダを内蔵しているため、積載した石炭を固着
するには厳密なマスキング作業が発生するのが手間と言えば手間かも
しれない。
 

 16番という禁断の世界に入り込むにあたり、パワーパックは既に純直流
の物をN用に持っているので、あとはレールとカンタム用のコントローラだけ
であったのだ。
 レールは道床付きと決めていたのだが、見た目はともかく耐久性と使い
勝手からエンドウ製にした。確かにKATO製の方が見た目も実感的で良い
のだが、接続部のしっかり感と耐久性、使いかっての良さからエンドウに
決めた。

16mmrail.JPG
左:KATO製16番レール(HOユニトラック)
右:エンドウ製16番レール(HOニューシステム線路)
KATO製はジョイナーがN用と同じ物で、枕木も塗られているが
耐久性に不安を感じさせる造りである。エンドウ製は見た目が
単色で色気が無いのだが、全てのレールにフィーダーの差込口
があり、しかも太いリブが造りこまれている上にケーブル引き
回し用のスリットまである。さらに接続した感じもKATOより剛性
があり、単色の見た目に反して実際の質感はかなり高い。その
他として電圧降下もKATOに比して少ないとの事だ。ちなみに
中央は比較用のTOMIXのNゲージ用であるファイントラック


 この天賞堂カンタムシステムが搭載するサウンドデコーダーはQSIの
もので、アナログとデジタルに対応している。天賞堂のカンタム・エンジ
ニアリングはアナログコントローラであるが、当然デジタル(DCC)でも
制御が可能になっている。
 つまり先々16番でDCCサウンドで楽しむ事になっても、このQSIデコーダー
が無駄になる事は無いのだ。実際にKATOのDCCで天賞堂のカンタムを
操作している人たちも多い。実際のファンクション割り当てが若干違うよう
だが、それは仕方の無い事だろう。欧米メーカーのコマンドST.はKATOに
比べファンクションの割り当てが多い(ボタン数が多い)ため、LenzかMRC
の導入を考えている。
 とは言え、現時点でこのギミックを楽しむには、やはりカンタムエンジニア
は必須であろう。確かにアナログではあるが、これがあれば任意のタイミング
で長汽笛やフランジ音が出せる意味は非常に大きく、楽しみ方の幅がグン
と広がる。


 ようやくナンバー等を取り付けたので、早速カンタムサウンド
ビデオで撮影(YouTube)してみたが、この私が撮影したものより
遥かに素晴らしいカンタムの動画がYouTubeには多くUPされている
ので、それらの動画でこのサウンドの素晴らしさを確認してほしい。
それにしても、ナンバーを取り付けるだけで随分と雰囲気が引き
締まるものだがやはりアナログコントロール、進行方向を変える
たびに音が途切れてしまうのは如何ともしがたい(早急にデジタル
環境を整える必要性を感じてしまう)。
 ちなみにナンバーは17号機(糸崎)にした。この17号機は昭和29年
の名古屋機関区時代に、木曽川橋梁で狭軌における世界最高速度で
ある129k/mを記録している栄光のナンバーである。その後17号機は
梅小路、下関、広島、と転属し、晩年は糸崎機関区に所属し15号機、
16号機と連番で急行"安芸"等の牽引に活躍し、後に稲沢へと所属を
変えそのまま引退となった。その後は長く名古屋の東山動物園に静態
保存されていたのだが、狭軌世界記録を保持する機関車として、その
状態は錆びや厚塗りされたペンキ等、余りに寂しいものであった。
しかし、今年オープン予定のJR東海博物館(仮称)に展示される事が
決まり、去年2月に東山から搬出されたのは記憶に新しいところである。



 DCCも出始めの頃は色々と問題や不明な点も多かったが、ここ最近は
ネット上でも各デコーダやステーションの相性、取り付け方法等の情報が
充実してきた感がある。


 16番でのサウンド、私個人として楽しむ上でも、これからが実に楽しみな
分野である。


タグ:鉄道
nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。