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一生物とは [時計]

 雑誌で初めて見た時、その上品さに惹かれ、某宝飾店
で実物を見た時、一目惚れしてしまった。
 勿論、私にとって分不相応な品である事くらい十分に
理解しているし、価格的にも私が所有するには、あまり
に贅沢過ぎるのも承知している。



JL_granddate.JPG
Jaeger-LeCoultre REVERSO Grand Date


 28800振動の手巻きCal.875。ケースを裏返せば、何時でも
その繊細なムーブメントを楽しむ事が出来る。
 徹底的に磨き上げられたコート・ド・ジュネーブのブリッジ
が素晴らしく、8daysを誇るロング・リザーブのダブル・バレル
がこの複雑な機構を駆動している。スクエアなケースは、その
縦横比のバランスが素晴らしく、さらに10時30分の位置にある
パワーリザーブ針とそのインデックス、5時位置にあるスモール
セコンドのダイアル配置、さらに2つ窓のビッグデイトも絶妙で、
これらの配置はほんの僅かに違ってしまうだけで、この上品さ
を醸し出す事は出来ない程に計算され尽くされデザインである。
本当にいくら眺めていても飽きが来ない。


 Jaeger-LeCoultreというメーカーは、内部のムーブメントも全て
自社製というマニファクチュールであり、その卓越した優秀な
ムーブメントは、カルティエの腕時計にも搭載されている程だ。

 ご存じの方も多いと思うが、現在のスイス製機械式時計は
その殆どが汎用品の機械(キャリパー)を搭載しており、現在は
ETAというメーカーが一大勢力である。同じETA社製のムーブ
を搭載していても価格に差があるのは、メーカーがETAのムーブ
を自社で更にブラッシュアップし、モデルによっては部分的に
自社製パーツ(ローター等)を搭載しているからである。
 さて、Jaeger-LeCoultreのように、全て自社で賄うとはどう
いう事か。それは何時如何なる時でも、メーカーでの修理が
可能であるという事だ。
 Jaeger-LeCoultreは、自社製の機械に関して全ての設計図を保管
している。そしてどんなに古いパーツに関しても、そのパーツを
製作するための古い工作機械を常に完動状態にメンテナンスして
いるという。勿論、スイス送りの部品新造修理ともなれば、並行品
のオメガが新品で1本楽に買える位はするであろうが・・・。

 このGrand Date、その上品なデザインは、時計に興味の無い人で
あっても何かしら感じるようである。よく人から"高そうな腕時計
ですね"と訊かれる事がある。勿論とても高いのだが、敢えて価格
を教える様な事は一切していない。
 また、見ての通り革ベルトなので夏場は全く使わないのだが、
今年はこの冷夏なので、例年より早く活躍させてやれそうだ。




 以前にもこのblogで記したのだが、機械式時計とは究極の
アナログ工業技術作品であると思っている。
 たしかにこの時計、私が所有するなど身の程知らずな逸品
であり、今はまだこの時計の貫禄に所有者が負けている感は
否めない。

 このJaeger-LeCoultre REVERSO Grand Date。眺めれば眺める
程に思う事がある。
 人生経験を積み重ね、いつかこの時計を身に付けるに相応しい
人間になれるだろうかと・・・。 


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