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寝台特急"あけぼの"乗車行 [鉄道(路線)]

 いささか唐突ではあるが、表題の通り"あけぼの"に乗ってきた。
今回は上野発の下りである。


 既に"北陸"に乗ってきたのは以前に記した通りだが、やはり北陸
は些か乗車時間が短く、初のブルートレインとしては少し物足りな
さを感じていたのだ。
 何と言っても夜行列車、寝台特急ブルートレインである。少なく
とも10時間程度は列車に揺られていたいではないか!。

■寝台特急"北陸"乗車行 Part1
■寝台特急"北陸"乗車行 Part2

 既に"北陸"は過去の列車となり、純粋な個室寝台を楽しめる列車
は"あけぼの"しかなく、東北新幹線の新延が秒読み段階となった今、
新幹線の新延を待たずして廃止された"北陸"を考えると、唯一残った
東北夜行の名門"あけぼの"も決して長くはないだろう(あくまでRaist
個人の考えに基づく"ブルートレインと呼べる列車"という意味である
事をお断りしておく)。

 そんなこんなで、今回も休日出勤の代休を使い、平日夜の上野発
下り"あけぼの"に乗ってきたという訳である。勿論相棒はD300Sで、
カメラバッグは遠出&本気モードの時に使うtamracのPro12だ。特に
に断りが記してないphotoは、全てD300Sでの撮影である。


tamracbag.JPG
Tamrac Model5612 Pro12
撮影:CanonPowerShotS90
純正のショルダーベルトは品質に不安を感じるので、これのみ
Lowepro製のショルダーパッドが厚いタイプに交換してある。


 実はデジ一眼と共に遠出するのは久しぶりである。このtamracの
バッグ、かなりの大きさがあり、ある意味電車での移動では限界とも
言える容量(&体積)である。時間帯によっては他の乗客から白い目
で見られるので、ここ最近はめっきり出番が無かったのだが、今回は
D300Sにとっても初めての遠出なので、思い切ってこのtamracを使う
事にした。
 今回は下り列車に乗車するので。前回"北陸"乗車行の終着駅で
あった上野が旅の始まりである。


NightUenoST.JPG
出発は夜の上野駅


 あけぼのは地平ホームの13番線から21:15に発車する。入線時刻
は20:50分で、上野名物とも言える"推進回送"にて入線する。
 さすがに平日だけあって撮影している人は少なかったが、それで
もこの時間にコンデジを持った小学生(5~6年生くらいで保護者らしき
大人の姿は無い)が何人か撮影していたのだが、この程度は今時の
子供にとって当たり前なのであろうか???


UenoAnnai.JPG
上野13番線発車案内

UenoAkebono.JPG
寝台特急"あけぼの" 長岡までの牽引機はEF64_1000番台

UenoAkebonoKYAKUSYA.JPG
シングルDXは7号車(下りは奇数部屋が前向きになる)
今回私が乗車したのは奇数部屋である

A_tsuuro.JPG
スロネ24 550番台 シングルDX通路
北陸とは雰囲気が違う。北陸がシティホテル的なら、あけぼのは
間接照明がリゾートホテル的な感じだ。

A_shitunai_yoru.JPG
シングルDX室内
あけぼののシングルDXは補助ベッドがあり、二人での利用が可能。
この補助ベッド、試しに展開してみたが、これがかなり重かった。


 あけぼのは定刻に上野を出発(YouTube)。NewDaysで仕入れた
日本酒と肴をやりながら、ビジネスメールのチェックや友人とメッセンジャー
で少し遊んでいたら、いつの間にか雪景色の水上であった。越後湯沢
を過ぎたあたりで、モーニングアラームを8時にセット。今回は個室
での朝寝坊を考えていたのだが、秋田から車内放送が再開され、
結局はそれから起きている事になってしまった。
 実はアラームを8時にセットしたのは他にも理由がある。8:35着の
大館で、朝食にと駅弁を手配していたのだ。


torimesi1.JPG
torimesi2.JPG
大館駅名物 花善の"鶏めし" 1,100円也
ファンにはかなり名の知れた駅弁だとか。


 多くの人は秋田での停車時間中に駅弁を購入するようだが、限ら
れた停車時間にホームに飛び出る気がしなかった私は、あらかじめ
大館名物の鶏めしを花善さんに予約しておいたのだ。人数と列車、
そして何号車かを伝えておけば、デッキで受け取る事が出来る。
 繁盛記や他に団体注文が入っている場合は断られる事もあるの
だが、基本的に1つからホームへの出前を受けてくれるのが素晴ら
しい。幸いこの日は断られる事も忘れられる事もなく、無事に受け
取る事が出来た。


A_shitunai_hiru.JPG
シングルDX室内(ソファー)
A_shitunai_table.JPG
小さくて使えないと言われるデスクだが、VaioType-Pにはピッタリの
大きさである。

A_shitunai_burashi.JPG
備え付けの靴ブラシ等
撮影:CanonPowerShotS90
以前の"北陸乗車"にて、このブラシ類が揺れに合わせて壁に当たり、
それが意外と五月蝿くて気になると記したが、ご覧のようにあけぼの
には壁にパッドが取り付けられていた。これはナカナカに気が利いて
いると思う。


 鶏めしに舌鼓を打ちつつ、あけぼのは定刻の9:56、青森に到着。
この日の青森は天気予報に反して快晴であったが、吹き付ける風
がとても冷たかった。


AomoriakebonoEF81.JPG
AomoriakebonoKYAKUSYA.JPG
青森に到着したあけぼの
長岡~青森の牽引機はEF81である。
12時間41分の乗車時間はあっという間だった。

AomoriakebonoDE10.JPG
車輌基地への回送はDE10が受け持つ


 青森滞在は1時間。一度乗ってみたかった789系"スーパー白鳥"で
八戸へ移動。スーパー白鳥は僅か1時間程の乗車である。


Aomori789.JPG
789系"スーパー白鳥"(青森にて)


 八戸からは東北新幹線"はやて"で東京へと戻る行程である。
N700系が登場するまで、新幹線史上No.1のシートと謳われた、
E2のグリーンに乗車である。


Htinohe_E2.JPG
東北新幹線E2"はやて"

 ちなみに八戸の新幹線ホームには喫煙スペースがある。私の
ような愛煙家には非常にありがたい設備だ。

Hatinohe_smoking.JPG
八戸駅新幹線ホーム喫煙スペース


 あけぼのでそれ程眠れなかったせいか、盛岡を出てから大宮
まで爆睡してしまった。これもE2グリーンシートの成せる技で
あろうか???。


E2_green.JPG
東北新幹線E2グリーン車シート
撮影:CanonPowerShotS90


 そんなこんなで、後半は駆け足(殆ど寝ていたのだが)になって
しまったが、今回の"あけぼの乗車行"では個室寝台を12時間以上
堪能する事ができた。
 春休み中という事もあったのだろうが、B寝台の乗車率は8割以上
あったようで、むしろゴロンとシートの方が空いていたようだ(女性
専用ゴロンは未確認だが)。
 開放Bは純粋に移動手段として利用されているようで、意外にも
若い女性グループの利用もある。B個室は9割以上の乗車率で、
こちらは鉄道ファンが多いようだが、個室という安心感からであろう、
女性の1人客も何人か見かけた。
 ちなみに秋田で下車する人たちが一番多く、同時に立席特急で
乗車してくる人たちも何人かいたようだ。上野から終着の青森まで
乗車する人は、それ程多くはなかったようだ。

 寝台特急あけぼの。首都圏と奥羽庄内地方を結ぶ夜行列車として、
休暇シーズンの需要は十分あるように見受けられた。車輌の老朽化
やOFFシーズンの運行コストにに加え、新幹線や高速バスといった
ライバル輸送手段の存在を考えると、今後もあけぼのが定期列車と
して運行され続けるには、これら多くの要因が存在する事は事実で
ある。
 今から10年、いや5年後にも今と同じように寝台特急"あけぼの号"
が運行されている可能性は、極めて低いと言わざるを得ないのが
現実だろう。




 寝台列車ブルートレインとは、純粋な移動手段ではなく、やはり
定期(or不定期)観光列車として生き残るしかないのかもしれない。
かつて多くの人たちが、人生の転機や家族旅行で夜行寝台を利用
するのが当然であった時代は、もう過去の話しである。今のあけぼの
に乗車している人たちも、純粋なファンと、敢えて時間をゆったり使って
移動する人たち。他にはバスのシートでは休めないので、その分余計
にお金と時間を使う事を是とする人たちだけである。

 カシオペアや北斗星、トワイライトだけではなく、このような伝統ある
寝台特急ブルートレインも、可能な限り長く生きながらえて欲しい。
心からそう思う。


Tokyost.JPG
今回の終着 桜咲く東京駅(八重洲口)


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コメント 3

takechan

夜行列車での旅、憧れますね。一度のんびり乗ってみたいです。
by takechan (2010-04-04 16:14) 

GARUMU

やはりみなさんも寝台に乗った後などに新幹線に乗ると、眠くなるのは同じなのですね。私も帰りの新幹線で寝てしまいました。
by GARUMU (2010-12-29 19:28) 

raist

 コメントありがとうございます。takechanさん、お返事が遅れ
まして申し訳ありません(汗)。

 ある人に、寝台車を楽しもうという人が、その復路または往路に
新幹線を使うのは、ある意味邪道ではないかと指摘された事が
あります。言われて見れば、確かにそんな気もしますね(苦笑)。

 やはり夜行列車というのは、今の時代移動の手段と言うよりも、
乗車する事そのものを楽しむ列車なのでしょうね。
by raist (2010-12-30 18:26) 

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