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寝台特急"サンライズエクスプレス"乗車行 Part5 [鉄道(路線)]

 さて、哀愁の大社駅を後にしていよいよ出雲大社である。先ほど
下車した一畑の出雲大社前駅を通り過ぎ、そこから5分も歩くとコン
クリート造りの大鳥居があり、そこから少し行くと出雲大社の参道
入り口である。

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出雲大社参道入り口

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参道の入り口から大鳥居を眺める
撮影:CanonPowerShotS90
シーズンOFFの平日であるためか、人は少ない。

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参道
なにやら補修工事中であった。


 今更説明するまでも無いが、この出雲大社は大国主神を祭神とする
神社である。正式名称は"いずもおおやしろ"であるが、一般的には
"いずもたいしゃ"と呼ばれ、その他の神社とは違い二拝四拍手一拝の
作法で拝礼する。
 私が訪れた10月は一般に"神無月"とよばれ、日本全国の神様がここ
出雲大社に集まると言われているが、これは旧暦の10月であるため、
新暦である現在の神無月は11月である。また現在の出雲大社はちょうど
"平成の大遷宮"であるため、御神体は平成25年まで御仮殿に遷されて
おり、御本殿は修造中である。

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御仮殿
仮とは言え、なんともスピリチュアルな雰囲気が漂う。

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西十九社
全国の神様が神無月に出雲大社へ来た際の社である。東にも
同じ社がある。

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釜社
東十九社の並びにある。御祭神は宇迦之魂神(うかのみたまのかみ)
で食べ物の神様である。

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修造中の御本殿
近代的な囲いに覆われているのは少し興醒めかもしれないが、
この様な出雲大社を見られるのも60年に1度だけだ。

 先述のように、ここ出雲大社では二拝四拍手一拝の作法で拝礼する
のだが、コレを知らずに参拝する人が多いのは驚きで、かなりの人が
お寺でやるよう静かに手を合わせて拝んでいた。最近は若い女性の間
で"パワースポット"が流行っているらしく、ここ縁結びの神様である出雲
大社も、気のせいか若い女性が多かったのだが、その殆どは正式な
作法で参拝していなかった。折角の縁結び、出雲大社であるので、
思わず"そうじゃありませんよ、お嬢さん(微笑)"と声の1つもかけて
みようかと思ったのだが、まぁ止めておいて正解だったろうな(笑)。
 
 折角なので、縁結びのお守りを購入した。縁結びは何も異性に限った
事ではなく、友人知人、親子までをも含んだ縁結びが出雲大社の御利益
である。他に家内安全の木札と壮健のお守りも購入した(先日の健康
診断で不穏な結果が出ていたので精密検査受診を前に(笑)。


 移動中の列車内以外、重いカメラバッグを持って歩きっぱなしで
あったせいか、このあたりからかなり肉体的に疲労してしまい、撮影
数が少なくなっている。一畑電鉄で出雲市駅まで戻るつもりでいた
のだが、参道を出たところに一畑バスの停留場があり、あと10分で
次の出雲市駅行きが来るので、少し早いがこのバスで出雲市駅まで
戻る事にした。
 バスは30分弱でJR出雲市駅に到着し、早速夕食の手配である。
前もって調べてはいたのだが、出雲市駅は駅弁の種類がそれほど
多くなく、しかもこの時間は売り切れているものもあり、品物によって
は前もって取り置きか予約をしておく必要がありそうだ。
 私は特にそのような手配はしていなかったが、駅前に2軒コンビニ
があったので、そこで弁当を買うつもりでいた。朝からうどんと蕎麦
だけだったので、体がもっと食べ応えのあるガッツリした物を要求
していたのだろう。結局コンビニで"ボリュームから揚げ弁当"という
何とも旅情の無い弁当を購入した(笑)。
 その後出雲市駅の土産物店で日本酒、ついでに駅の売店でペット
ボトルを一本とチョコレートを購入、復路サンライズの出発を駅の
コンコースで待つ事にした(この時点でかなり疲れてしまっていた)。

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旭日ひやおろし出雲産五百万石純米酒
撮影:CanonPowerShotS90(自宅にて)
辛口でかなりシャープな飲み口。悪くはないが、個人的にあまり
好みの味ではなかった。出雲市佐田町産で今年の新商品である。


 サンライズ入線の20分前にホームへと上がり、その入線を待った。
発車は2番線であるが、その前に先発の岡山行きやくも30号が2番線
に止まっていたので、これを撮影。発車の模様もビデオで撮影したの
だが、隣の1番線に入ってきた普通列車からの乗客が大勢写ってし
まったので、これは公開せずプライベートアーカイブとした。
 そして18:42分、私を乗せる"サンライズ出雲 東京行き"が西出雲
方から2番線へと入線してきた(YouTube)。

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出雲市駅2番線発車案内

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2番線先の発車は"やくも30号"

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2番線乗車案内

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2番線で出発を待つ"サンライズ出雲"東京行き
復路も4号車に乗車。贅沢ではあるがこの285系シングルDX
への乗車が今回の最大の目的である。

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転落防止ホロ
新造時には無かったが、去年の夏ごろには全編成に取り付け
られたようだ。

 出雲市駅からの乗客は私を含め5~6人である。入線をビデオ
で撮影(上記YouTube)し、早速乗り込み自分の部屋に荷物を置き、
帰り分の乗車券を確認してから部屋を出ると、隣の部屋の検札を
終えたカレチ氏がちょうど階段の下にいたので検札を済ました。
 このサンライズ出雲に乗務するのは米子車掌区の人で、検札時
にシャワーの使い方等を詳しく説明してくれた。分かっている事
だが(カードは一度しか使えない等々)、懇切丁寧に説明してくれ
るので最後まで耳を傾けた。一通りの説明を聞き終えたところで、
早速タオルセットを購入したい旨を告げると、直ぐにとってきますと
言い、カレチ氏は小走りに乗務員室へと引き返して行った。
 行きにもサンライズ瀬戸でタオルセットを購入したが、こちらは
今回の旅で使うためで、実際にタオルも歯ブラシも使用した。いま
米子車掌区から購入するのは今回のサンライズ乗車記念である。
カレチ氏はものの1~2分すると、タオルセットを携えてやはり小走り
に戻ってきた。検札の時もそうだったが、カレチ氏は階段部分に
膝をついて応対するので、こちらが立ったままだと物凄い"上から
目線"になってしまう。そのせいか、私も何となく自然と床に正座(笑)
して応対してしまった。

 列車は出雲市駅を定刻に発車。発車時の車内放送を含めた
ビデオを撮影後、行きの瀬戸で購入したタオルを持って早速
シャワールームに向かう。往路の瀬戸では、家で入浴してきた
のでシャワーカードを使わなかった。1枚は未使用で記念にした
かったのである。
 出雲市からの乗客も少なかったせいか、シャワールームは
まだ利用された形跡もなく、思った通り私が最初の客であった。
 このサンライズのシャワー、以前の"北陸"と同じくお湯が出る
時間はトータル6分である。利用した事が無い人は短いように
感じるだろうが、実際は十分だ。まずは1分30秒程お湯を浴び
つつタオルにお湯を含ませておき、一旦STOPボタンを押す。
シャンプーで髪を泡立て、次にタオルでボディソープを泡立て
体をゴシゴシと洗う。ここでシャワーのSTARTボタンを押して
残りの4分30秒で体を洗い流しつつ温まるという流れが良い。
知らなかったがこのシャワー、残り1分を切ると警告音が鳴る。
ちなみにボディソープとリンスinシャンプーはシャワールーム
に備え付けられている。この"乗車行Part1"でも記した事だが、
シャワーカードを6分使い切らず数分残し、翌朝残り時間分の
シャワーを利用する事は不可能だ。一度利用したカードで
脱衣所の鍵を開けると、その時点でカードは無効になってし
まうので、どうしても翌朝にシャワーを利用したいのならば、
改めてシャワーカードを購入する必要がある。販売分のカード
に余裕があれば購入可能である(夏場の利用客が多いシーズン
はまず無理かと思われる)。

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撮影:Sony HDR-XR520V(動画より切り出し)
シャワールームにはボディソープとリンスinシャンプーが常備
されているのが嬉しい。SHISEIDOとロゴが書いてある。

 利用後は"洗浄"ボタンを押すのがマナー。このボタンを押すと
シャワールーム天井から冷水が噴出し、それが終わると強烈な
冷風が噴出す仕組みとなっている。前もってこの冷風が吹き
すさぶ音が凄いと知ってはいたのだが、それでも驚いてしまった程、
その音と風勢は強烈だった(笑)。
 これも"北陸"で経験済みだが、ドライヤーは風量が弱くて当てに
ならない。ちなみにこの時、JR西日本車とJR東海車でドライヤーの
形が違う事に気がついた。

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サロハネ285-1の車番プレート
復路の車輌はJR西日本車(0番台)のトップナンバーであった。

 肉体的にすっかりとリラックスしたところで、自分の部屋へと戻り、
コンビニの"から揚げ弁当"をノンビリと食べる。
 列車は既に伯備線に入り、人家の明かりもまばらとなった夜の
中国山地を山陽方面へとひた走る。トンネルで両隣と下の窓明か
りが内壁に照らし出されているのが見えた。松江と米子で乗って
きたのだろう、4号車の乗車率は8~9割といった感じである。新見
で窓の下を年配の3人組が小走りに走っていくの見えたので、ここ
でも乗客があったようだ。伯備線では時々下りのやくもと列車交換
をしながら、サンライズは順調に中国山地を走り抜けて行く。この時、
今回の旅程で初めて"パノラマやくも"を見た。
 私は室内の照明を落とし、1人のんびりと呑みながら、夜の伯備線
を走るサンライズの巨躯は、一体どれほどの存在感を見る者に与え
るだろうと思いを巡らせていた。

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このデスクライト、"消灯できないorやり方が分からなかった"
といった記述をサンライズエクスプレスに関するblogで偶に
見かけたが、赤丸のところにスイッチがあり、光量を調整
できないタイプである。ベッド頭脇にあるパネルでのコント
ロールは出来ないので、それがせいで少し分かりにくいの
かもしれない。

 暗い室内から、夜の車窓を楽しむ。昼間にやくもの車内から
見て分かっていたが、この辺りは道路にもあまり街灯が無く、
雲がかかった月の薄明かりに山がぼんやりと浮かび上がり、
すぐ下を流れる黒々とした高梁川の川面にその稜線を浮かび
上がらせている。そんな中、ぽつりぽつりと人家の明かりが
人の生活を感じさせ、時々思い出したように車のヘッドライト
が窓の外をスッと流れる。こうして我々乗客がくつろいでいる
時も、先頭車では運転士が闇に浮かぶ信号機を指差し喚呼し、
安全な運行に心を砕いているのだろう・・・。

・・・突然コンビニの強烈に明るい看板が通り過ぎた(笑)。

 中国山地を往来するトラックの利用が多いのだろう、伯備線
沿線のコンビニは駐車場が都市部より広く(大きく)とってある
ようで、それはガソリンスタンドにも当てはまるように見受けら
れた。


 伯備線から山陽本線に入り、サンライズは倉敷へと到着した。
伯備線沿線からだと、都会の街明かりが眩しい程だ。列車は
そのまま岡山へと滑り込むが、前に併結する"サンライズ瀬戸"が
3分ほど遅れているとのアナウンスがあり、我が"出雲"は岡山駅
構内の待避線横で少しの間停車した。その後何度か小刻みに動き、
どうやら前になる"瀬戸"との連結を完了したようだが、実はこの
あたりから記憶が曖昧である。どうやら岡山から眠ってしまった
ようである・・・。




 列車が発車する気配で目が覚めた。時間的に沼津であろう。
まだ外は闇夜であるが、顔を洗って歯を磨き、着替えずにベッド
の上で少しボンヤリとした後、自販機まで寝巻きのまま行き、
部屋に戻ってからタバコに火をつけた。

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今回は往復喫煙OK部屋であったが、灰皿はこの位置、洗面台
側にあり、机下から引き出すタイプである。このコーラは車内の
自販機で買った。折角なので列車内の自販機を使ってみたかった
だけなのだが、考えてみれば250ml缶というのも今時ちょっと珍しい
かもしれない。120円。

 熱海を過ぎるとじき小田原である。少々天気は悪いが、朝日
に染まる雲の切れ目が夜明けを告げてくれる(YouTube)。夜を
徹して山陽道、東海道を走り続けたサンライズも、既に関東圏
に入った。岡山で3分ほど遅れが発生していたが、どうやら今は
定時で運行されているようだ。このままなら定刻の7:08には終着
の東京に到着である。
 サンライズは茅ヶ崎駅を過ぎると、不意に減速した。何だろう
と思っていると、ガタガタとポイントを通過し、線路脇の建物が
迫ってきた。どうやら貨物線を走行していたらしく、この茅ヶ崎
で東海道の旅客線へと転線したらしい。早川あたりではホームを
通過していたので、小田原あたりから貨物線を走っていたようだ。
そういえば次々と東海道線のE231を追い越していた様な気がする。
サンライズは遅れが発生すると、貨物線を経由し横浜を迂回して
そのまま品川着で運転打ち切りとなる事が稀にある。そのような
時はそのまま貨物線を走り続け横浜羽沢(新横浜に近い貨物駅)を
経由するので横浜には停車しない。定時運行でも小田原~茅ヶ崎
辺りでJR貨物の線路を走っているとは知らなかった。やがて大船
を通過すると、車窓から横須賀線のE217が見えた(YouTube)。
今回の車中2泊サンライズエクスプレスの1人旅もじき終着である
事を実感する。通過するホームも、まだラッシュには少し時間が
あるが、スーツ姿で首都圏へと出勤する人たちが次の電車を
待っている。



 基本的に模型派である私も、品川駅から見える車輌区で異彩
を放つこの285系は登場時から惹かれていた。その内装もさる事
ながら、見た目の存在感と今までに無いカラーリングがとても
魅力的で、そのうち乗りたいと思いつつ、結局この285系に乗車
したのはサンライズエクスプレス登場から10年以上も経ってから
となってしまった。
 285系登場時、この車輌区にはまだ青い14系や24系客車も停泊
していたが今はそれも無く、唯一の東京発寝台特急となってしまった
285系のみがその巨躯を休めているに過ぎない事に、寂しさを感じず
にはいられない。幼い頃に憧れたあのブルーの客車郡は、もはや
過ぎ去りし日々の思い出と憧れの中にしか存在しないのだから。



 そして私を乗せた285系寝台特急"サンライズエクスプレス"は
首都圏へと入った。私にとっての非日常である今回の乗車行も、
この285系車輌にとってはいつもの仕業、日常に過ぎない。この後
も東京で全ての乗客が降りれば車輌区に戻り、整備点検の後、
今夜もまた高松と出雲市に向けて、乗客を乗せいつも通りに深夜
の東京を発つ。その頃は私も、またいつもの日常に戻っているだろう。


 そして今日も、285系はサンライズエクスプレスとしての使命を
果たし、寝台特急としての日常を繰り返す。私はこの寝台特急車輌
にとっての日常が、これからも長く、平穏に続く事を願って止まない。


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285系サンライズエクスプレス(高松駅にて)




■寝台特急"サンライズエクスプレス"乗車行 Part1
■寝台特急"サンライズエクスプレス"乗車行 Part2
■寝台特急"サンライズエクスプレス"乗車行 Part3
■寝台特急"サンライズエクスプレス"乗車行 Part4

寝台特急"サンライズエクスプレス"乗車行 Part4 [鉄道(路線)]

 別に引っ張るワケではないが、今回のPart4は出雲市編である


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JR西日本 出雲市駅
出雲市駅は出雲大社を模した造りで2面4線の高架駅である。


 出雲市に到着したところでちょうど昼食時である。やはり出雲市
と言えば蕎麦なので、事前に調べておいた蕎麦屋へと向かう。

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献上そば"羽根屋"本店

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三色割子そば
撮影:CanonPowerShotS90
出雲の蕎麦は殻までも一緒に挽きこんでいるため、かなり黒い
上に香りも強く、蕎麦自体にも下手なラーメン顔負けの歯ごたえ
がある。蕎麦猪口を使わずに、割子の蕎麦に直接そば汁をかけ
て食すのが出雲そばの流儀。ちなみに830円。


 由緒正しき献上そばを食したところで、早速出雲市駅へと戻る。
今年のGWに"RailWays"という中井貴一主演の映画で一躍全国
区となった一畑(いちばた)電車へ乗車するためだ。

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電鉄出雲市駅
一畑電車の電鉄出雲市駅はJRの出雲市駅と併設する形で同じく
高架駅となっている。

 出雲大社前までの切符を購入しホームへ上がると、既に出雲大社
行きの電車が待っていた。元京王5000系のワンマン化改造された
2100系2輌編成、3扉車である。

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一畑電車2112形
ホームは1面2線構造。

 ワンマン化に際してバックミラーや運転席直後に運賃箱が設置
されており、いかにも地方民鉄といった風情である。各駅も無人駅
が多く、運転士がドア扱い時に安全を確認するミラーがホーム端に
設置されている。
 この列車は出雲大社前までの直通で、途中の川跡で進行方向が
変わる。武志を出ると出雲大社前を出た松江行きの電車が遥か前方
を左から横切って行くのが見えた。電鉄出雲市から川跡まで(Youtube)
はおよそ9分で到着。それと同時に松江方面からの電車も隣のホーム
に到着した。松江方面への連絡は乗客の乗り換えが完全に終わった
のを確認し電車を発車させるという、何とも長閑なもの。

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隣の2番線に停車中はRailWaysラッピングされた2100系。こちらは
2扉車である。

 ここ川跡から電車は進行方向を変え、出雲大社前まではあと13分
である。川跡を出ると、編成前方(出雲大社方)に女性アテンダントが
乗り込み、車内放送で沿線の観光案内を始めた。女性の横にはまだ
あどけなさが残る若い制服の男性が1人。おそらく一畑の新人なので
あろう、今日は先輩と現場でのOJTといったところか。
 一畑電鉄は1912(明治45)年に一畑軽便鉄道として創業した。現在
は鉄道事業だけでなく、バス、デパート、観光ホテル、建設不動産業
等を束ねる持ち株会社から成る、島根を代表する企業体である。

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一畑電車2100系車内
平日午後の車内はこのくらいの乗車率。見にくいが前方料金箱の
ところに女性乗務員の姿が見える。そして2100系電車は出雲大社
前に到着。

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出雲大社前

 現在、ここ一畑電車の出雲大社駅構内には、おそらく日本の
民鉄で最も一般的な知名度が高いと思われる電車が保存されて
いる。今回ここを訪れたのは、その電車との対面も1つの目的で
あった。
 そしてその電車は、駅構内の引込み線に、老いてなお矍鑠と
した雰囲気で佇んでいた・・・。

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一畑電鉄デハニ52

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運転台

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車内

 このデハニ52、戦前に製造され、2009年春まで現役であったの
だから驚きだ。私自身は幼い頃に南武線で、鉄道を追いかけていた
少年時代は鶴見線の大川支線で旧型国電に乗車した経験はあるが、
この車輌は一畑電鉄のオリジナルであり、最後まで自動扉を装備
しないなど、あらゆる点でその存在価値が高い工業文化遺産である
と言える。その長い現役生活の中では内装をお座敷化したりカラオケ
用の電源を装備したりと色々な改造は施されてきたが、それでもなお
製造時のオリジナル形態を色濃く残す。
 普段は雲州平田駅構内に留置されているが、RailWays公開に
伴い、今年12月26日までは出雲大社前駅の構内で公開されており、
今後も定期的なイベントでの利用が前向きに検討されているのは
嬉しい限りだ。

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一畑電車"出雲大社前"駅舎

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駅構内

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駅舎内
出雲大社前駅は小さいながら西洋風の洒落た造りの駅舎で、
平成21年には経済産業省より近代化産業遺産に認定された。

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駅舎内ステンドグラス
露出を絞って駅舎内のphotoにある、左上のステンドグラスを
撮影してみた。なかなか幻想的に撮れたと思うのだが、如何な
ものでろうか?


 出雲大社はこの駅舎を出て右へ徒歩数分の距離であるが、私は
迷う事なく、まずは左へと歩を進めた。この地を訪れたもう1つの目的
を果たすためである。
 10分ほど歩いたであろうか、その看板は唐突に私の視界に入って
きた。

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撮影:CanonPowerShotS90

 そして看板に従いその角を曲がると、目の前に旧国鉄の"大社駅"
が姿を表した。

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旧大社駅

 この出雲大社を模した駅舎は出雲大社のお膝元として、1990年まで
営業していた2代目の駅舎である。設計は中央線の高尾東口と同じ鉄道
省建築課の技師であった曽田甚蔵によるもので、竣工は大正13年と非常
に歴史ある建造物である。出雲大社への玄関口として、かつては東京から
の直通列車や団体臨時列車、多くの急行列車と乗客を向かえ入れていた。
特に東京発の急行列車"出雲"は1951年からの10年間、この大社を終着駅
としていた程である。
 この木造平屋441平米を誇る大社駅、2004年に国の重要文化財に指定
されている。

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駅舎内
歴史を感じさせる広い駅舎内。右奥は貴賓室になっている。幸い
ガラスが割られる等といった事もなく、素晴らしい保存状態だ。

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最晩年の発車案内
全てが気動車による出雲市行きで、何とも寂しい本数である。

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臨時改札口
大社駅の最盛期が偲ばれる石造りの臨時改札口

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構内に静態保存されている"D51 774"

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状態は見ての通りであるが、厚塗りされたペンキが実に痛々しい。


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かつてはこの左側方向にも長い引込み線が存在したそうだ。
この駅に到着する列車が、如何に沢山の乗客を乗せ、そして
それに相応しい長編成であったかが分かる。

 人が少なかったせいか、構内に静態保存されているD51共々、
何か寂しい印象である。かつて出雲大社への参拝が平均的な
日本人にとって1大レジャーであった時代、この駅舎はその堂々
たる貫禄で多くの観光客を迎え入れていた。今はその使命を
果たし終え、静かにこの山陰の地で当時の賑わいを伝えている。
 今、こうして大社駅のホームに立つと、大勢の観光客が流れる
臨時改札や、忙しく旅客の質問に答える駅員の姿が目に浮かぶが、
それも今や昔日の出来事なのだ・・・。

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彼方に出雲大社の大鳥居が見える。

"兵どもが夢の跡"といった風情である・・・。



次回"Part5"



■寝台特急"サンライズエクスプレス"乗車行 Part1
■寝台特急"サンライズエクスプレス"乗車行 Part2
■寝台特急"サンライズエクスプレス"乗車行 Part3

寝台特急"サンライズエクスプレス"乗車行 Part3 [鉄道(路線)]

 と言うワケでサンライズ乗車行のPart3であるが、今回は
岡山~出雲市の特急"ゆったりやくも編"である。


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"ゆっくん"と"ももちゃん"
やくもの"ゆったり化"に際して登場したキャラクターである。


 特急"ゆったりやくも"は時刻通りに倉敷着。倉敷を出ると線路は右
へカーブし、左側の山陽本線に別れを告げ、いよいよ伯備線へと入って
いく。381系は岡山~倉敷の山陽本線区間では振り子機能をOFFに
しており、線形の厳しい伯備線からいよいよ振り子機能を駆使して中国
山地を越える事になる。 

 伯備線に入ると、やくもは左側に高梁川を見ながら、その流れに
そって中国山地を最高90km/h以上で飛ばして行く。
 中国山地は、かつて石灰岩の主要な産地であったため、かつての
伯備線はこの石灰岩を運ぶ貨物列車も多かった。蒸気機関車の時代
はD51の3重連が25‰の急勾配と格闘した難路線である。そんな伯備
線を疾走する381系やくもの車内から中国山地の車窓を眺めていると、
かつてこの区間で奮闘したであろデゴイチとその乗務員達の苦労が
偲ばれる。

 それはそうと私が乗車したやくもだが、空席状況を前もって調べた
ところ、この列車のみ指定席が"残り僅か"になっていたので、もしや
とは思っていたのだが、案の定ご年配の女性団体客が一杯で、まあ
こう言っては失礼ではあるが喧しい事この上無い(苦笑)。山陰に向かう
最近の団体なので、おそらくは米子から境港に向かうのであろうが、
それでも米子はまだまだ先である・・・。

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やくも車窓
撮影:全てCanonPowerShotS90
中国山地の中を順調に飛ばす現代の電車特急381系やくも。

 新見を過ぎてしばらくすると、伯備線は高梁川から離れ日野川と
共に阿哲渓谷を進んでいく。このあたりは急曲線が続く区間である
のだが、カーブのRがあまりにきついため速度を出さず、振り子作用
はあまり感じられない。
 さて、その振り子作用だが、確かに車窓を見ていると(YouTube)
景色が浮いたり沈んだりしているので、車体が振り子によって傾い
ているのが分かる。しかしどうしたワケか、私は身体的に"振り子のG"
を殆ど感じなかったので、結果的に酔う事は全くなかった。新見から
乗車してきた男性のビジネス客も、降車した米子まで書類に目を通し
ていたのだが、全く気分を悪くする様子もなく、同じ車輌の乗客の中
にも、酔って青い顔をしている人は1人も見受けられなかった。個人的
にはもっと体を揺すられる乗り味(?)を期待していたので、これは
ちょっと意外と言うか、残念とは言わなまでも肩透かしな感じでは
あった。

 私的な結論を言わせて貰えば、この381系やくもは"言われている程
酔わない"のではないだろうか。一般的に鉄道はバス等に比べると酔い
難い乗り物である。それゆえに酔ってしまうとその印象が強く残るため、
その路線や列車は"酔いやすい"となってしまう。この381系車輌に関し
ていえば、酔う人は他の鉄道車両に比べれば多いのであろうが、それ
でも1編成中に乗り物酔いを起こす乗客が何人居るかである。とにかく
"酔いやすい"とあちこちで言われる車輌なだけに、基本的に少ないで
あろうと思われる"酔ってしまった人"の発言ばかりが注目されてしう
のではないだろうか。実際に"大丈夫だった人"の発言は殆ど見かけな
いし、大丈夫だった人は酔った人ほどに、ネット等の公の場で発言は
しないものである。基本的に乗り物酔いは体調も大きく影響するので、
普段は乗り物酔いしない人でも、たまたま体調が悪い事に自分でも
気づかずに酔ってしまえば、やはり"大丈夫な私でも酔ってしまった"
となり、やくもの酔いやすいイメージが更に強くなってしまう。
 JRにとっても大半の乗客が酔ってしまうようでは、客はその他の移動
手段(高速バス等)を選んでしまうのは明白であり、そんな声を無視して
までその列車を"酔いやすいまま"運行するとは思えない。実際にこの
伯備線は山陽~山陰地方を結ぶ路線としては唯一の幹線(乙線規格)で
あり、本線と名の付く路線に比べれば確かに路盤は弱いが、それでも
381系の運行に合わせ路盤を強化し、振り子の摩擦係数を上げる等の
対策が講じられている(地自体との連携もあるとか無いとか???)。

 ちなみに私の体質であるが、幼い頃は路線バス20分、タクシー15分、
通勤電車は30分以上立って乗れない程に酔いやすい子供であった事
を付け加えておく。
*大人になると酔わなくなるってのはホントだなぁ(しみじみ)。


 この381系やくもであるが、"ゆったり化"リニューアル時に普通車
のシートピッチ、つまり座席の前後間隔を広くする改造が施されて
おり、足元が広くなった為に長時間の乗車における居住性が向上
しているのだが、その弊害として窓枠と座席の位置がズレてしまい、
シートによっては横がピラーだけで、車窓を楽しむ事が全く出来ない
という、実に切ない状況があり得るのだ。

yakumosheet_1.JPG
つまりハズレの座席はこんな感じ
撮影:CanonPowerShotS90

yakumosheet_2.JPG
この座席とその後ろはアタリと言える。
撮影:CanonPowerShotS90

前もって下り列車の窓割りを調べれば良いのだが、どうも種車
によっても窓の配置が違うようで、やくもの座席に関しては出た
トコ勝負な感じである。

ちなみに私の座席は8Dでこんな感じ↓であった。
yakumosheet_3.JPG
このphoto、厳密には私のD席側から撮影したA席側である。悪く
は無いのだが、意外とカーテンが鬱陶しかった。ピラー部にある
出っ張りはエアコンのダクト。381系は重量物を全て床下に搭載
しているため、この様なダクトが1輌につき左右2ヶ所(計4ヶ所)
存在する。

 このシート、ゆったり化に際して交換されたのはサンダーバード
と同じシートとの事だが、以前に京都から金沢まで乗ったサンダー
バードのシートとはちょっと違う気がする。
 それはそうとこの座席のphoto、やはり揺れは激しかったのだろう、
全部真っ直ぐに撮れていないのが興味(?)深い・・・。


 根雨(ねう)のあたりであろうか、列車は5分遅れているとの案内
があった。出雲市では時間に余裕があるので問題無いが、頻繁に
列車交換する路線では、ちょっとした事で数分程度の遅れが出る
のは致し方ない。
 そしてやくもは伯備線を抜け山陰本線に入り、5分送れで米子に
到着。思った通り大半の乗客はここで下車。向こうには境港へ行く
境線の鬼太郎ラッピングされたキハ40が見える。

kitaro_kiha40.JPG
境線キハ40
動いているやくもの車内から咄嗟に撮影したため暗かったので、
掲載するにあたり明るさとコントラストを調整した。ちなみにこの
"鬼太郎ラッピング"、ゲゲゲの女房放送より以前から存在している
のはあまり知られていないようで、現在のラッピングは確か3代目
だったかと思う。

 やはり山陰"本線"は路盤規格が伯備線より高いせいか、やくも
は快調に飛ばし始めた。米子~出雲市は山陰本線の中でも一番
早くに電化された区間であり、営業最高速度も120km/hとの事な
ので、路線規格は"特甲線 "になる。
 意外な事に2010年10月現在、山陰本線は支線を除くと営業キロ数
が673.8kmであり日本最長となっている。ちなみに12月に東北新幹線
が全通すると、こちらが実キロで674.9kmとなり、日本一長い鉄道路線
となる。加えて述べると、支線を含めた最長路線は東海道本線の713.6km
である。


 既に米子で大半の乗客が下車した指定席車内は、乗客がチラホラ
といった乗車率となった。この様な人の流れはやはり山陽~山陰を
結ぶ特急である"やくも"の市場価値を実感させる。今の時期はそれ
に加えて"ゲゲゲ効果"もあるのだろう。実際に米子駅のホームは人
が多かったように見受けられた。

yakumoshanai_1.JPG
米子発車後の指定席車内
このphotoは後方にある車椅子スペースから撮影。

 やくもは若干遅れを回復させつつ、松江に到着。松江は山陰地方
の中心都市で、宍道湖と中海に挟まれた"工"の字の形をした都市で
ある。この宍道湖と中海にの間を流れる大橋川によって、松江は大きく
南北に別れており、地元ではこの川を堺に"橋北"、"橋南"と地域を呼び
分けていると言う。
 松江城で知られるこの街は、1890年代前半に小泉八雲の名で知ら
れるラフカディオ・ハーンが住んでいた事でも有名である。

 そしてやくもは玉造温泉を発車。玉造温泉を出るとすぐ右側に
シジミで有名な。宍道湖を望む事が出来る(YouTube)。天気も
雲が厚いものの、時々薄日がさす程度に回復してきた。

 381系は山陽本線区間とは違い、この山陰本線では振り子機能を
ONにしたまま快走を続ける(上のYouTubeでも車窓の傾きが確認で
きると思う)。玉造温泉を出る頃には遅れも3分程度にまで回復した。
381系、かなりの俊足電車である
 
 ところでこの381系特急形電車であるが、曲線でのスピードアップ
を可能としているのは、厳密に言えば"振り子"のおかげではない。
この"振り子機能"、実は速度向上の為に設計した構造がもたらした
副産物であるとも言える。
 先述のエアコン用ダクト(とそのphoto)を思い出して欲しい。381系
はカーブでの速度を上げるため、本来は屋根上に設置するのが常套
であるエアコンまでも床下に設置している。これはとりもなおさず
"列車の重心を可能な限り下げる"ためだ。つまり"振り子"は"列車の
重心を下げた結果"であり、"振り子で車体を傾けるから早い"のでは
なく、"重心を下げた事で振り子が作用するから早く走る事が出来る"
のである。曲線での速度向上の最大要因は"車体を振るから"ではなく、
"低重心であるから"という解釈が正しいのだ。

 実はこの振り子をblogのphoto上で実感してもらおうと、カメラを水平に
構え、一番傾いた瞬間の写真を撮ろうと考えていた。D300Sは背面の
液晶画面にデジタル水準器を表示させる事が出来るので、この機能を
利用しカメラを絶対水平に保ちつつ、381系の振り子による車体の傾斜
具合を撮影しようと奮闘したのだが、コレがどうしても上手くいかず、
結局は断念してしまった。
 381系の振り子機能であるが、車体設計上は最大6度までの傾斜が
可能で、実運用上の最大傾斜角度は5度となっている。ただこれに
線路のカント(カーブにおける線路の内側への傾斜)をプラスすれば、
実測上は最大6度前後まで傾いているかと思われる。

yakumoshanai_2.JPG
傾斜角度5.0度
ちょっと上の指定席車内photoを加工し、5度ほど傾斜
させてみた。構図的に軸線がズレてはいるが、実際に
このくらいは傾いていたのだろうか?



 そして岡山を出てから3時間、私を乗せたやくもは3分遅れで無事
に出雲市へと到着した。

yakumo_izumoshiST.JPG
JR出雲市駅に到着した"ゆったりやくも"
天気は曇り時々晴れといったところだ。


続きは"Part4"で。


■寝台特急"サンライズエクスプレス"乗車行 Part1
■寝台特急"サンライズエクスプレス"乗車行 Part2

寝台特急"サンライズエクスプレス"乗車行 Part2 [鉄道(路線)]

takamatsuST.JPG
JR四国 高松駅
人生初の四国は霧雨という生憎の天気であった。


 さて、高松に到着したところで朝食である。高松と言えば讃岐うどん
であろうと言う事で、鉄道ファンにはお馴染みである高松駅構内に
ある"あの立ち食いうどん屋"で朝食とした。

renrakusenUDON.JPG
連絡船うどん
元々は宇高連絡船内で営業していたのだが、連絡船の廃止後にこの
高松駅構内に移ったという、伝統ある旅人の為のうどん屋である。

Udon&sushi.JPG
"かけうどん"と"穴子押し寿司"
撮影:CanonPowerShotS90
穴子押し寿司は隠れた一品だと聞いていたので注文。寿司飯の
酢が少しきつい気がしたが、それも立ち食いという場での保存性
を高める為なのかもしれない。2品で600円也。


 乗車券に無効印を押してもらい、改札の外へ。目的は琴平電鉄
である。
 今回、琴平電鉄は撮影のみで乗車はしないが、琴電の多くは元
京浜急行の車輌である。関東在住の私は、幼い頃に三浦海岸への
海水浴に家族や近所の友人たちと乗った思い出のある電車である。
琴電の高松築港駅はJR高松駅から直線で300mほど離れた所にある。

TakamatsuChikkoST.JPG
琴平電鉄 高松築港駅

 記念がてら入場券で入ろうとしたのだが、券売機には入場券が
無いので、窓口の駅員氏に訊いたところ、入場券は無いという。
電車を撮影したい旨を伝えると、"ああ、ならどうぞどうぞ"と実に
気分良く改札を通してくれた。

kotoden1252.JPG
琴平電鉄1252形
これは長尾線用で元京浜急行の700形。昭和42年~46年の間に
合計84輌製造された車輌で、琴電にとっては初の4扉車だそうだ。

TakamatsuCikkoHome.JPG
琴電高松築港駅構内
2面2線の頭端式である。


 先ほどの駅員氏に礼を述べ、琴電の駅を後にした。この後は
JR高松駅から快速マリンライナーで岡山まで戻るので、それまで
は高松で撮りである。
 因みに高松駅は上野の地平ホームと同じく頭端式ターミナルで、
4面9線からなるこの駅は、列車から降りて改札の外まで全く段差
が無いので、究極のバリアフリーと言えるだろう。現在の高松駅は
宇高連絡船廃止後に建設された4代目で、先代の高松駅から300m
ほど西に位置している。

TamamatsuHome.JPG
頭端式の高松駅
盛られたバラスト上にある"通行禁止"が良い味を出している。
何だか渡ってみたくなる高さとバラストの盛り加減だ(笑)。

kiha40&7000.JPG
高徳線キハ40と予讃線7000系
7000系はJR四国の近郊型車輌である。

6000&285.JPG
JR四国6000系とサンライズ

8000.JPG
JR四国8000系特急形電車

8000_2.JPG
JR四国2000系特急型気動車
この8000系と2000系"いしづち"は高松から松山、宇和島方面を
結ぶ特急である。瀬戸大橋開通後は殆どが宇多津で岡山発の
"しおかぜ"を後方に併結する運行形態となっている。

5000.JPG
5000_2.JPG
JR四国快速マリンライナー5000系
JR四国の車輌で、高松方先頭車はダブルデッカー構造になっている。
階下が普通指定席、階上がグリーン指定席になっている。特に運転席
真後ろのグリーン席はパノラマシート(指定席)と呼ばれ、4席しかない。
岡山発は前方展望が素晴らしい為に人気が高く、知られざるプラチナ
チケットと言えよう。

5000_Green.JPG
マリンライナー指定階上席
平日でこのくらいの乗車率である。


 先ほどサンライズで渡った瀬戸大橋を、今度はマリンライナーの
車内から楽しむ。今度は九州側なので短絡線が合流するのが良く
分かる。
 瀬戸大橋線の瀬戸大橋部分はJR四国の管轄で、瀬戸大橋手前本州
最後の駅である児島までがJR西日本の管轄となっている。瀬戸大橋
の前後、岡山から高松までは厳密に言うと宇野線、本四備讃線、予讃線
の4路線から成るのだが、旅客案内の便宜上、岡山から瀬戸大橋を渡る
列車に対してのみ上記の全区間を"瀬戸大橋線"と呼ぶ事になる。この
瀬戸大橋線はサンライズを始め、岡山から四国各地を結ぶ優等列車や
JR貨物の貨物列車、快速のマリンライナーが運行されている。

 マリンライナーは瀬戸大橋を渡りきり、本州最初の駅である児島
に到着した。
 この児島という駅は、個人的に少し思い入れがある。かつてこの
児島から鷲羽山をかすめ、瀬戸内海に面した下津井までを結んで
いた"下津井電鉄"という、日本最後の純粋な軽便鉄道と呼ばれた
762mm軌間(線路幅)ナローゲージの民鉄が存在していたのだ。
この下津井電鉄は一度訪れてみたかったのだが、1990年末をもって
廃止されてしまい、その思いが叶う事はなかった。児島駅とその前後
から車窓に気をつけてはいたのだが、マリンライナーの車内からは
見方が悪かったのか、下津井電鉄の痕跡は何も分からなかった・・・。

 そんな私の感傷とは一切関係なく、快速マリンライナーは無事に岡山
へと到着した。

 当然お約束の下車印を貰って改札の外へ。東口のメインストリート
にいきなりビッグカメラがあり、何を買うワケでもないのにちょっと
安心してしまうってのは何だかなぁ(笑)。

okayamaST.JPG
JR西日本 岡山駅
何だか酷い構図だ(苦笑)。。。

MomotaroStu.JPG
駅前の桃太郎像

momotaroSTreet.JPG
東口メインストリートの桃太郎通り
これは岡山電気軌道の7000形であろうか。東山行きが乗客を乗せ、
まさに出発しようとしている(左にビッグカメラ)。


 ホームに戻り、さて何を撮ったものかとウロウロしていると、8番線
に貨物列車が到着とのアナウンス。自分が居るのは何番線なのだ
ろうと思っていると、115系の横から突然EF210が現れた。そういえば
岡山はEF210の総本山である。

EF21014.JPG
EF210 14 貨物列車
下交差パンタであるPS22Dを載せた0番台である

EF21014_2.JPG
ホームよ少しり先、この位置で停車し、数分後に発車していった。
 EF210はJR貨物が所有する電気機関車で、EF65の後継機関車で
ある。初期型は岡山に集中的に配備され、2台のモーターを1台の
インバーターで駆動する事から、"ECO-POWER 桃太郎"の愛称を
持つ。ちなみにJRの機関車としては初めての公募による愛称で
ある。

500shinkansen .JPG
新幹線ホームを見上げると500系が停車していたので思わず1枚。
500系は北陸に乗車するため、わざわざ"のぞみ29号"で京都まで
移動した。

117sunliner.JPG
117系快速サンライナー
岡山と福山を結ぶ快速列車。今は朝夕のラッシュ時のみ運行されて
いるが、かつては日中も走っていた。個人的にワンマン運転である
のは知らなかった。

115okayama.JPG
115系岡山色
115okayama_2.JPG
岡山色の車内はこのようにリニューアルされている。

115syohnan.JPG
やはり個人的に113・115系は湘南色が一番似合うと思う。


 そして私は次なる列車、"ゆったりやくも"に乗車し出雲市に
向かう事になる。

381yakumo.JPG
381系特急"ゆったりやくも"
ゆったり化された非パノラマ編成である。2010年10月現在、
ゆったり化リニューアルされていないのは1編成のみとなった。
入線から発車までの時間は僅か6分と短いので、、向かいの
ホームから全景を撮影するのはちょっと無理である。
私は指定席を確保していたが、自由席はかなりの乗車率で、
入線前から乗車待ちの長い列が出来ていた。


 この381系への乗車も、今回の旅程では楽しみにしていたイベント
である。
 381系は"自然振り子機能"を有する特急形電車で、カーブで振り子
機能が遠心力で車体を内側に傾ける事により、R400の曲線を+20km/h
で通過する事が出来る。
 自然振り子装置とは、車体と台車の間にコロを入れる事で、遠心力
により強制的に車体を内側に傾かせる、今となっては何ともアナログ
な技術である。そのため車輌がカーブに入ってからワンテンポ遅れて
車体が傾き、同時に車窓の景色が沈み込む(or浮き上がる)とジワリと
縦方向のGが乗客にかかってくる。しかもカーブの出口では逆側への
揺り戻しが発生するため、運行開始当初は乗り物酔いする乗客が多く、
当時の国鉄も伯備線の路盤を強化したり、コロの摩擦係数を高める等
の対策を講じたのだが、今でも根本的な解決には至っておらず、乗り
物に弱い人はやはり酔ってしまう。

381yakumo_2.JPG
381系は振り子機能の実装による車体限界の関係から車体裾が
絞り込まれているので、車体とホームの間に隙間が空いている
のが分かる。


 かくして、私を乗せた381系特急"ゆったりやくも"は岡山駅を定時
に発車した。次の停車駅は倉敷である。


"Part3"へ続く。。。


■寝台特急"サンライズエクスプレス"乗車行 Part1

寝台特急"サンライズエクスプレス"乗車行 Part1 [鉄道(路線)]

 寝台電車特急というのは、非常に稀有な存在である。かつて国鉄
時代に一時代を築いた581・583系以来、JRが31年ぶりに新製した
寝台電車である285系は"サンライズエクスプレス"の愛称を持ち、唯一
残った東京発の寝台特急として"サンライズ瀬戸・出雲"の名を冠し、
日々東京と四国の高松、山陰の出雲市の間を結んでいる。
 私は581・583系に乗車した事がなく、結果的に"寝台電車"も経験
が無い。もっとも模型派の私は、先日の"北陸""あけぼの"まで寝台
列車そのものに乗った事が無かったワケだが・・・。

 285系サンライズエクスプレス。1998年に寝台列車の復権をかけて
JR西日本とJR東海が新たに製造した特急用寝台電車。寝台はA、Bとも
に全て個室。内装は国鉄時代の質実剛健なものとは違い、住宅メーカ
であるミサワホームが手がけた温もりを感じさせる造りになっており、
まさに次世代の列車寝台設備として相応しいアコモデーションである。
模型派の私としても、一度乗ってみたいと思わずにはいられなかった
のだが、先日このblogで記したように10月某日、ついにその寝台電車
"285系寝台特急・サンライズエクスプレス"に乗車する事と相成った。



 サンライズでは車内販売が無いので、自宅を出る時に食事は済ませ
たのだが、列車の中で空腹になるのは何とも惨めであるので、東京でも
直前に軽く何かを食べる事にする。前々から興味があった"東京ラーメン
ストリート"にて、塩ラーメン専門"ひるがお"の塩玉ラーメンを試した。
 かなりアッサリした味わいで、とんこつ等の濃厚なラーメンが好きな
人には物足りないかもしれない。個人的に平均点はクリアしているが、
可もなく不可もなく、まぁ間違いの無い"優等生"といった感じであった。


shiotama_ramen.JPG
ひるがお 塩玉ラーメン
撮影:CanonPowerShotS90

tokyo_ramen_street.JPG
撮影:CanonPowerShotS90
21時過ぎの東京ラーメンストリート。極太つけ麺の"六厘舎"はこの時間
でもこれだけの行列が出来ている。


 売店で日本酒と肴、ペットボトルのウーロン茶を購入し、早速ホーム
へと上がる。
 そして21時48分、我がサンライズエクスプレスは新橋方からその巨体
9番線へと現した(YouTube)。サンライズエクスプレスは22:00の発車
なので時間的な余裕はあまりなく、反対のホームからノンビリと列車の
全景を撮影するのは精神上あまり良いとは言えず、今回は9番線で数枚
撮影するのみとした。

  サンライズエクスプレスは東京を7輌+7輌=14輌で発ち、山陽本線
の岡山で前7輌が瀬戸大橋線を通り"サンライズ瀬戸"として四国の高松
へ向かい、後ろ7輌が"サンライズ出雲"として伯備線と山陰本線を走り
出雲市へと向かう。今回の旅定はまず"サンライズ瀬戸"に乗車する事
になる。

tokyo_jousyaguti.JPG
tokyo_hassya.JPG
東京駅9番線乗車位置と発車案内

4 carin.JPG
今回乗車する4号車
D300Sのオペレーションをミスったせいで粒子が粗い上に構図
もイマイチである。実は先頭部の写真はもっと酷いので掲載を
見送らせて頂く(大汗)。後日改めて東京へ撮影に行く必要が
ありそうだ・・・。

 それにしてもE231や211系の出入りする東海道線ホームに入線する
285系の巨躯は圧倒的な存在感を放つ。その堂々たるダブルデッカー
の車体は、日常の中に強烈な非日常を醸し出している。

4carin2.JPG
この乗車口から乗り込む事から今回の旅は始まる。
撮影:CanonPowerShotS90

4car_tsuuro.JPG
4号車通路
通路は山側になるので、部屋は海側となる。車窓を考慮しての構造
である事は言うまでもない。

singleDXdesk.JPG
シングルDX室内のデスクと洗面台
洗面台の前は一面の鏡である

4carsingleDXbed.JPG
シングルDX室内のベッド
こちら棚のある方が頭になる。

singleDXpannel.JPG
室内のコントロールパネル
撮影:CanonPowerShotS90
目覚ましとラジオ1チャンネル(NHK FM)、各照明の操作が可能。
ベッドの頭側にある。

singleDX_TV.JPG
液晶TV撤去跡
撮影:CanonPowerShotS90
この春まで衛星放送が視聴可能であったが撤去された跡がこれ。
元々受信状況は良くないので、あまり意味は無かったとか。
頭をぶつける人も多かったのかもしれない。

 早速自分の部屋に入り荷物を置く。発車時の案内放送を含めたビデオ
を撮りたいので、その前に検札を済ませたいと考えていたのだが、部屋
から出て通路に顔を出した途端、向こうからやってくるカレチ氏と目が合い、
そのまま検札を済ませた。その際にタオルセットを購入したい旨を申し出た
のだが、カレチ氏はとても遠慮がちに、A個室に付いてくるアメニティにも
タオルは入っていると言う。カレチ氏の口調からすると、決して売りたくない
ワケではなく、既にA個室にはタオルがあるので、ただの実用品である
タオルに、改めて200円頂くのは気が引けると言うのだ。この岡山区の
カレチ氏、なんと実直で奥ゆかしい事か。そこで私はサンライズのプリント
が入った別売りのタオルが欲しいと伝え、無事にタオルを入手した。今回
は歯磨きや洗顔等でこのセットを利用するつもりでいたので、タオルと
歯ブラシは持ってこなかったのである。

285taoru.JPG
サンライズタオルセット
撮影:CanonPowerShotS90
このタオルセット、タオルと歯ブラシがやはりサンライズのロゴ入り
巾着に入っている。タオルはナカナカに地が厚く、歯ブラシも付いて
200円はかなりお買い得であると思う。

singleDX_amenity.JPG
シングルDXに付属のリネンとアメニティ類
シェーバーやタオル等が入ったアメニティバッグとスリッパ、別売り
のタオルセット。付属のアメニティはかなり盛りだくさんの内容である。
他のサイトや多くのblogでその内容は詳しく紹介されているので、
ここでは内容の詳細を割愛させて頂く。

 シングルDXの特典として、持ち帰り可能な使い捨てのスリッパが
付いてくる。これがタオル地でそれなりに履き心地が良い。さらに
シャワーカードも1枚無料で付いてくるのだが、B寝台とノビノビ座席
利用の場合は310円で購入しなければならない。確認したワケでは
ないのだが、1編成あたりの販売分シャワーカードは、おおよそ40枚
程度であるらしい。またナイトウェアは少々丈が短いが、あけぼの等の
寝台列車に備え付けの浴衣よりも地が厚くしっかりした物で、帯(ベルト)
は伸縮するゴム素材であった。デザイン的にも襟があり、その部分だけ
ならちょっとしたバスローブの様なデザインになっている。枕もその他
の寝台列車より硬いタイプのようで、使い心地も悪く無い。
 スリッパの横にあるのはサンライズの車内案内にもなっているポスト
カードで、これはノビノビ座席以外全ての部屋に置いてある。

 検札も終わり、一通り部屋の中を確認するといよいよ発車時刻で
ある。窓際にビデオカメラを置き、時間を見計らってRECボタンを押す
と、我がサンライズエクスプレスは定刻の22:00に動き出した。次の
停車駅は横浜である。横浜では帰宅ラッシュも終盤といった時間帯で
ある。帰宅を急ぐサラリーマン諸氏の好奇の視線を感じ、何だか少し
くすぐったい。横浜を出ると次の停車駅は熱海、その後は沼津、富士、
静岡と停車する。静岡を出たところで乗客の動きも少なくなり、早速
車内の探検に出かけた(ちなみに発車時のビデオ画像だが車内放送
の音と声が小さいので、公開は見送らせて頂く)。
 瀬戸7輌分を歩きながら撮影したビデオもあるのだが、やはりどう
しても撮影者である私が洗面台の鏡やガラスにバッチリと映り込んだ
部分が多々あるので、こちらの動画に関しては公開を見送らせて頂く。


syawainfo.JPG
4号車シャワールームの案内
"A個室ご利用のお客様専用"の記述が嬉しい。ちなみに中の
設備はB寝台用と全く同じである。A寝台用のカードでB寝台用
シャワーを使う事は出来るようだが、その逆は未確認である。

syawaswitch.JPG
シャワールーム脱衣所の操作パネル
シャワー利用後に中央の青いボタンを押すとシャワールーム洗浄
機能が動作する。上部のスプリンクラーの様なノズルから水が噴出
してその後強い冷風で水を吹き飛ばす。一番奥はシャワーカードを
挿すスロットになっている。シャワールーム脱衣所の鍵をかけてカード
を挿す事でシステムが起動するようで、カード挿入後に鍵を開けて
外に出るとカードは無効になってしまう。タオルや着替え等は忘れ
ないよう注意が必要だ。
*シャワールーム内部は利用直後であったらしく、ちょっと湿度が
 高そうだったので未撮影。


SetoCarNo3001.JPG
サロハネ285-3001の車番プレート
なんとJR東海車(3000番台)のトップナンバーである。
285系は7輌×5編成が存在するが、そのうち2編成がJR東海の
3000番台になる。

senmen.JPG
共用洗面台
左にチラッと写っているのはハンドソープ。以前とはブランドが
代わっているらしい。前の方が香りが良かったとの評判である。

salon.JPG
ミニサロン(共用スペース)
硬くてすわり心地の悪いイスが8脚。稀に一部の乗客が一晩中占有
する事もあるとか。

jihannki.JPG
自動販売機
北陸の故障していた自販機をフト思い出す。
そういえばサンライズに冷水機は無かったような・・・。

syanai.JPG
右の階段を下りると階下部屋
サンライズで一番の客室数を誇るB寝台シングルの車輌である。
サンライズは5/7輌がダブルデッカー構造となっている。階下部屋
へは右側の階段を下りて行く事になる。その雰囲気はちょっとした
ホテルの様だ。

syanainobinobi.JPG
ノビノビ座席
ご覧の入りである。この車輌はダブルデッカー構造になっておらず、
写真右側に上下2段、90cm幅の桟敷スペースが枕木方向に並んでいる。
基本的にプライバシーを守るものは、頭部分のパーティションと
カーテンだけでなので、女性1人での利用はあまりお勧め出来ない。

syanisolo.JPG
B寝台ソロ
この車輌もノビノビ座席同様、ダブルデッカー構造ではない。

 ノビノビ座席とソロの車輌がダブルデッカー構造を採れない理由
は搭載する機器にある。
 285系は基本的に7輌で運用されるが、電車として走る為には当然
だがモーターが必要になるので、それら走行装置を床下に搭載する
必要性から、この2輌のみ平屋構造となっている。7輌中走行装置を
搭載した車輌が2輌とは些か心許ない気はするが、それも乗車定員が
少なく、運行時重量が小さい特急用である285系であるから可能な
システムであると言える。



 一通り列車内の探検を終え、自室に戻って日本酒を呑みながら、
深夜の車窓を楽しむ事にする。
 かつて深夜の東海道を疾駆し、自身乗車する事が無かった"あさかぜ"
や"さくら"に思いを馳せつつ、豊橋に運転停車したあたりから睡魔に
襲われ、そのまま285系の心地よい揺れに身を任せた。


 目覚めたのは5:30頃で、姫路を過ぎた辺りである。その後岡山到着
前の車内放送で、列車が数分ほど遅れている事知った。

 岡山ではサンライズ瀬戸と出雲の切り離しがあるのだが、前7輌の
瀬戸はそのまま発車するので、切り離し作業を見る事は出来ないが、
ふと外を見るとサンライズの寝巻きにスリッパ姿でホームを歩く剛の
者が若干1名(笑)。最も出雲はこの先も長いので、朝食の手配もあった
のかもしれない。それにしてもあの格好でホームに出るのはちょっと
どうかと思うのだが・・・。

okayamaannnai.JPG
岡山発車案内(車内から撮影)
遅れは僅かなので表示は6:31発(定刻)となっている。

 岡山を出ると列車は瀬戸大橋線に入り、次の停車駅が本州最後
の駅となる児島である。児島を出ると、車内放送でトンネルを抜けて
瀬戸大橋を渡り、次の停車駅である坂出に停車と案内があった。
いよいよ個人的にサンライズ瀬戸にとって最大のイベントである
瀬戸大橋通過(YouTube)である。季節や天候によってはここから
朝日を楽しむ事ができ、正にサンライズから楽しむサンライズであるが、
この日はあいにくの天気(と季節)であったのが少し残念である。

 瀬戸大橋は1兆円以上の事業費をかけ、1988年に完成した瀬戸内海
を跨いで四国と本州を結ぶ10の橋の総称である。鉄道橋の上部は4車線
の車道になっており、鉄道部分はその下になる。ちなみにこの鉄道部分、
将来の新幹線施設を見越し、新在合計4本が施設可能な設計になって
いる。車窓は基本的にトラスが少々邪魔であるが、想像していた以上
に海面からの高さがあり、かなりの絶景であるがこの瀬戸大橋、実は
強風に弱く、風が強い日は瀬戸大橋線は全て運休となってしまう。
そうなると、当然翌日のサンライズもその運行に大きな影響がでる。


 サンライズは瀬戸大橋を無事通過。線路はゆったりと左にカーブし、
高松方面への短絡線を通り、四国最初の停車駅である坂出に到着
する。いよいよあと20分弱で終点高松である。


OkayamaST.JPG
高松駅6番線に到着したサンライズ瀬戸

 若干の遅れは発生したものの、サンライズ瀬戸は無事に高松へと
到着。続きは"Part2"として近日UPさせて頂く。

夜汽車 [鉄道(路線)]

 JRブランドの車輌で、電車に限っていえば好きな車輌はE233と
N'EXのE259、そして285系である。E233は中央線と京浜東北線で
お馴染みの通勤型電車で、首都圏に住んでいる人たちには今更
説明するまでも無いだろう。
 このE233、上記2線以外にも東海道仕様の3000番台が存在し、
さらに常磐緩行線と地下鉄千代田線直通用の2000番台も松戸
車輌センターに在籍しているが、この2000番台は顔つきが他の
E233とかなり違うため、どうもピンと来ない(個人的に)。他には
京葉車輌センターに在籍する京葉線向けの5000番台もある。

e233_1000.JPG
E233 1000番台 京浜東北線

e233_0.JPG
E233 0番台 中央線

e233_3000.JPG
E233 3000番台 東海道線
東海道線全通120周年のヘッドマークを付けていた頃

 変り種としては、相模鉄道の新型電車である11000系だろう。
この相模鉄道11000系は、基本的に中央線向け0番台をベース
とした車輌である。

s11000.JPG
相模鉄道11000系

N259.JPG
E259 N'EX

*東海道線以外は以前に下記のタイトルで掲載したものである。
 ■ここ最近は"鉄"分過多 [鉄道(路線)]


 285系はJR西とJR東海が共同開発した車輌で、国鉄時代に製造さ
れた581・583系以来、31年ぶりに新造された"寝台電車"(客車ではなく
電車)である。

285.JPG
285_2.JPG
KATO製 285系
撮影:CanonPowerShotS90
285系は適当なphotoが無かったので、KATO製のNゲージで。
KATO純正の285系専用室内灯ユニットを装備している。しかし
この室内灯、LEDではなく電球であるため、7+7のフル編成
で走らせるには電圧が不安である。しかし電球色の方が285系
の雰囲気にはマッチしている。


 2009年春のダイヤ改正で、ブルートレイン"ふじ・はやぶさ"が
廃止されたのも記憶に新しいが、実はこれで東京発の寝台特急
が全滅した訳ではなく、あくまで客車列車としてのブルートレイン
が無くなっただけで、まだ東京~高松(四国)・出雲市を結ぶ寝台
特急である"サンライズエクスプレス瀬戸・出雲"が存在する。
 この列車、下りは東京を22:00に発ち、上りの東京着は7:00と
深夜早朝の1本だけなので、鉄道ファン以外にはそれ程知られて
いないようだ。
 元々存在したブルートレインである瀬戸と出雲を置き換える形で
登場した車輌で、四国山陰方面への観光需要があった事から、JRが
新たな寝台特急用車輌として開発したのがこの285系寝台特急電車
である。

 この285系、大きな特徴としてその殆どが2階建て構造になって
おり、しかも寝台は全て個室である。さらに"ノビノビ座席"と呼ばれ
る90cm幅の桟敷席のようなスペースが2層構造になっている車輌
も1輌あり、これが座席扱い(寝台券が不要)となっているためその
割安感から非常に人気が高く、シーズンによっては寝台より先に
埋まってしまう事すらある。
 内装はミサワホームが担当し、今までの寝台列車に比べ非常に
質感が高いのも特筆に価する。特にA個室寝台のシングルDXは机
にイス、当然だが洗面台もありちょっとしたビジネスホテルのような
雰囲気ですらある。
 さらに車輌の見た目も今までの夜をイメージした青いカラーリング
のブルートレインとは違い、夜明けをイメージしたベージュとワイン
レッドのカラーリングが目新しく、先頭車には朝日をイメージしたロゴ
マークがあしらわれている。

 1998年の登場以来、一度乗車してみたいと思いつつ10年以上が
経過してしまい、既に定期寝台特急の未来も暗雲が立ち込める昨今、
"北陸""あけぼの"に続き、ようやくその望みを叶える事が出来る。


tic.JPG
撮影:CanonPowerShotS90

 今回は下り"瀬戸"に乗車し、その日のうちに"やくも"で山陰まで
移動。そして上り"出雲"で帰郷する事にした。なんと往復シングル
DX(それも喫煙OK部屋)なのである!!!。


 代休申請も無事に承認されたので、後は当日に運休とならないよう、
神に祈る今日この頃である。


寝台特急"あけぼの"乗車行 [鉄道(路線)]

 いささか唐突ではあるが、表題の通り"あけぼの"に乗ってきた。
今回は上野発の下りである。


 既に"北陸"に乗ってきたのは以前に記した通りだが、やはり北陸
は些か乗車時間が短く、初のブルートレインとしては少し物足りな
さを感じていたのだ。
 何と言っても夜行列車、寝台特急ブルートレインである。少なく
とも10時間程度は列車に揺られていたいではないか!。

■寝台特急"北陸"乗車行 Part1
■寝台特急"北陸"乗車行 Part2

 既に"北陸"は過去の列車となり、純粋な個室寝台を楽しめる列車
は"あけぼの"しかなく、東北新幹線の新延が秒読み段階となった今、
新幹線の新延を待たずして廃止された"北陸"を考えると、唯一残った
東北夜行の名門"あけぼの"も決して長くはないだろう(あくまでRaist
個人の考えに基づく"ブルートレインと呼べる列車"という意味である
事をお断りしておく)。

 そんなこんなで、今回も休日出勤の代休を使い、平日夜の上野発
下り"あけぼの"に乗ってきたという訳である。勿論相棒はD300Sで、
カメラバッグは遠出&本気モードの時に使うtamracのPro12だ。特に
に断りが記してないphotoは、全てD300Sでの撮影である。


tamracbag.JPG
Tamrac Model5612 Pro12
撮影:CanonPowerShotS90
純正のショルダーベルトは品質に不安を感じるので、これのみ
Lowepro製のショルダーパッドが厚いタイプに交換してある。


 実はデジ一眼と共に遠出するのは久しぶりである。このtamracの
バッグ、かなりの大きさがあり、ある意味電車での移動では限界とも
言える容量(&体積)である。時間帯によっては他の乗客から白い目
で見られるので、ここ最近はめっきり出番が無かったのだが、今回は
D300Sにとっても初めての遠出なので、思い切ってこのtamracを使う
事にした。
 今回は下り列車に乗車するので。前回"北陸"乗車行の終着駅で
あった上野が旅の始まりである。


NightUenoST.JPG
出発は夜の上野駅


 あけぼのは地平ホームの13番線から21:15に発車する。入線時刻
は20:50分で、上野名物とも言える"推進回送"にて入線する。
 さすがに平日だけあって撮影している人は少なかったが、それで
もこの時間にコンデジを持った小学生(5~6年生くらいで保護者らしき
大人の姿は無い)が何人か撮影していたのだが、この程度は今時の
子供にとって当たり前なのであろうか???


UenoAnnai.JPG
上野13番線発車案内

UenoAkebono.JPG
寝台特急"あけぼの" 長岡までの牽引機はEF64_1000番台

UenoAkebonoKYAKUSYA.JPG
シングルDXは7号車(下りは奇数部屋が前向きになる)
今回私が乗車したのは奇数部屋である

A_tsuuro.JPG
スロネ24 550番台 シングルDX通路
北陸とは雰囲気が違う。北陸がシティホテル的なら、あけぼのは
間接照明がリゾートホテル的な感じだ。

A_shitunai_yoru.JPG
シングルDX室内
あけぼののシングルDXは補助ベッドがあり、二人での利用が可能。
この補助ベッド、試しに展開してみたが、これがかなり重かった。


 あけぼのは定刻に上野を出発(YouTube)。NewDaysで仕入れた
日本酒と肴をやりながら、ビジネスメールのチェックや友人とメッセンジャー
で少し遊んでいたら、いつの間にか雪景色の水上であった。越後湯沢
を過ぎたあたりで、モーニングアラームを8時にセット。今回は個室
での朝寝坊を考えていたのだが、秋田から車内放送が再開され、
結局はそれから起きている事になってしまった。
 実はアラームを8時にセットしたのは他にも理由がある。8:35着の
大館で、朝食にと駅弁を手配していたのだ。


torimesi1.JPG
torimesi2.JPG
大館駅名物 花善の"鶏めし" 1,100円也
ファンにはかなり名の知れた駅弁だとか。


 多くの人は秋田での停車時間中に駅弁を購入するようだが、限ら
れた停車時間にホームに飛び出る気がしなかった私は、あらかじめ
大館名物の鶏めしを花善さんに予約しておいたのだ。人数と列車、
そして何号車かを伝えておけば、デッキで受け取る事が出来る。
 繁盛記や他に団体注文が入っている場合は断られる事もあるの
だが、基本的に1つからホームへの出前を受けてくれるのが素晴ら
しい。幸いこの日は断られる事も忘れられる事もなく、無事に受け
取る事が出来た。


A_shitunai_hiru.JPG
シングルDX室内(ソファー)
A_shitunai_table.JPG
小さくて使えないと言われるデスクだが、VaioType-Pにはピッタリの
大きさである。

A_shitunai_burashi.JPG
備え付けの靴ブラシ等
撮影:CanonPowerShotS90
以前の"北陸乗車"にて、このブラシ類が揺れに合わせて壁に当たり、
それが意外と五月蝿くて気になると記したが、ご覧のようにあけぼの
には壁にパッドが取り付けられていた。これはナカナカに気が利いて
いると思う。


 鶏めしに舌鼓を打ちつつ、あけぼのは定刻の9:56、青森に到着。
この日の青森は天気予報に反して快晴であったが、吹き付ける風
がとても冷たかった。


AomoriakebonoEF81.JPG
AomoriakebonoKYAKUSYA.JPG
青森に到着したあけぼの
長岡~青森の牽引機はEF81である。
12時間41分の乗車時間はあっという間だった。

AomoriakebonoDE10.JPG
車輌基地への回送はDE10が受け持つ


 青森滞在は1時間。一度乗ってみたかった789系"スーパー白鳥"で
八戸へ移動。スーパー白鳥は僅か1時間程の乗車である。


Aomori789.JPG
789系"スーパー白鳥"(青森にて)


 八戸からは東北新幹線"はやて"で東京へと戻る行程である。
N700系が登場するまで、新幹線史上No.1のシートと謳われた、
E2のグリーンに乗車である。


Htinohe_E2.JPG
東北新幹線E2"はやて"

 ちなみに八戸の新幹線ホームには喫煙スペースがある。私の
ような愛煙家には非常にありがたい設備だ。

Hatinohe_smoking.JPG
八戸駅新幹線ホーム喫煙スペース


 あけぼのでそれ程眠れなかったせいか、盛岡を出てから大宮
まで爆睡してしまった。これもE2グリーンシートの成せる技で
あろうか???。


E2_green.JPG
東北新幹線E2グリーン車シート
撮影:CanonPowerShotS90


 そんなこんなで、後半は駆け足(殆ど寝ていたのだが)になって
しまったが、今回の"あけぼの乗車行"では個室寝台を12時間以上
堪能する事ができた。
 春休み中という事もあったのだろうが、B寝台の乗車率は8割以上
あったようで、むしろゴロンとシートの方が空いていたようだ(女性
専用ゴロンは未確認だが)。
 開放Bは純粋に移動手段として利用されているようで、意外にも
若い女性グループの利用もある。B個室は9割以上の乗車率で、
こちらは鉄道ファンが多いようだが、個室という安心感からであろう、
女性の1人客も何人か見かけた。
 ちなみに秋田で下車する人たちが一番多く、同時に立席特急で
乗車してくる人たちも何人かいたようだ。上野から終着の青森まで
乗車する人は、それ程多くはなかったようだ。

 寝台特急あけぼの。首都圏と奥羽庄内地方を結ぶ夜行列車として、
休暇シーズンの需要は十分あるように見受けられた。車輌の老朽化
やOFFシーズンの運行コストにに加え、新幹線や高速バスといった
ライバル輸送手段の存在を考えると、今後もあけぼのが定期列車と
して運行され続けるには、これら多くの要因が存在する事は事実で
ある。
 今から10年、いや5年後にも今と同じように寝台特急"あけぼの号"
が運行されている可能性は、極めて低いと言わざるを得ないのが
現実だろう。




 寝台列車ブルートレインとは、純粋な移動手段ではなく、やはり
定期(or不定期)観光列車として生き残るしかないのかもしれない。
かつて多くの人たちが、人生の転機や家族旅行で夜行寝台を利用
するのが当然であった時代は、もう過去の話しである。今のあけぼの
に乗車している人たちも、純粋なファンと、敢えて時間をゆったり使って
移動する人たち。他にはバスのシートでは休めないので、その分余計
にお金と時間を使う事を是とする人たちだけである。

 カシオペアや北斗星、トワイライトだけではなく、このような伝統ある
寝台特急ブルートレインも、可能な限り長く生きながらえて欲しい。
心からそう思う。


Tokyost.JPG
今回の終着 桜咲く東京駅(八重洲口)


寝台特急"北陸"乗車行 Part2 [鉄道(路線)]

 というわけで、"北陸"乗車行のPart2である。


 今回、金沢ではもう一つの目的があった。それは以前に同じ職場
で一緒に働いていた知人に会う事で、現在は郷里であるこの地方に
住んでいると聞いていたのだ。前日に突然連絡したにも関わらず、
当日彼は金沢駅まで車を飛ばしてきてくれたのだ。


gesotenndon.JPG
げそ天丼
金沢の一部で流行りだとか?
この天丼、イカのゲソと長ネギをサックリと揚げてあるのだが、
かき揚げになっているワケではないのがポイント。関西風
の天ぷらに関東風の濃いタレ。うどんは見た通りの関西風。
しかしこの天丼、実に旨かった。


 知人と別れてからは金沢駅で"撮り"である。京都もそうだった
のだが、私の地元ではまず見る事が出来ない車輌ばかりである。


hokuetukanazawa.JPG
特急"北越"
金沢~新潟を結ぶ特急。ある意味ではサンダーバードを
補完する位置づけと言えよう。485系もまだまだ元気そう
で何よりだ。

475keikanazawa.JPG
475系
国鉄時代の急行型車輌。JR現在、最後の急行型電車だ。
この編成はいわゆる"大目玉"である。

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683系サンダーバードと

681heiketu.JPG
サンダーバード貫通面
このphotoは構図的に面白いと思う。パッと見で何か
能面の様な印象を受ける。

419kei.JPG
419系
一度本物を見たいと思っていた車輌で、寝台電車である581・583系を
近郊型に改造した車輌である。何とも不思議な雰囲気を醸し出していた。

hokurikuannnaikanazawa.JPG
列車案内表示
いよいよ北陸の入線時刻が迫る。

IMG_0222.JPG
金沢駅で出発を待つ寝台特急"北陸"号
本日の牽引はEF81 149号機。1979年8月三菱にて落成した機関車だ。

thunderbirdtohokuriku.JPG
683系サンダーバードと

3gousyaSDX.JPG
A寝台3号車シングルDXの表示


 反対側のホームから何枚か撮影し、早速乗車した。私の部屋に
入り荷物を置くと、11号室から早速検札が始まった気配である。
検札時にシャワーカードとタオルを購入。シングルDXに付いて
くるアメニティセットは検札時に受け取った。室内に置いている
と発車前に持っていかれてしまう事も多いのだろう。カードキー
は言わなければ受け取れないと聞いていたのだが、カレチ氏は
この時に渡してくれた。


sdxrtsuuro.JPG
オロネ14 700番台 個室A寝台車通路

sdxsitsunai.JPG
シングルDX室内(寝台状態)

sdxsitsunai2.JPG
シングルDX室内(ソファー状態)
洗面台とサイドテーブルを出した状態

sdxsitsunai3.JPG
シングルDX室内(出入り口側)
*PowerShotS90の画角ではこれが精一杯


 ブルートレインのサイトで紹介されている個室寝台のphotoは、
得てして広角寄りで撮影されている場合が多く、その写りは実際
より広い印象を抱かせてしまう。本物はそれらの写真で想像する
よりも、かなり"こじんまり"した空間である。私は列車内で一晩
過ごすには、とても実用的な広さであると感じた。
 出入り口の上はラゲッジスペースになっており、空間的には
通路の屋根裏にあたる。それなりに大きな容積があり、奥の方
に荷物を入れてしまうと、取り出すのに少し苦労しそうである。

 色々と観察していると、いよいよ発車時刻が近づいてきた。
発車の瞬間を味わいたいので、細部の観察は一時中断、寝台
の上で胡坐になり、その時をまった。
 そして22時18分、客車列車特有の衝撃と共に、北陸号は定時
に金沢を出発した。高岡を過ぎたところで早速シャワーを浴びに
行く。待っている人は居なかったが、シャワーは両方使用中で
あったので暫く待つと、10分も待たずに使う事が出来た。


hokurikusyawa.JPG
シャワー室(枕木方向に2部屋並んでいる)

hokurikusyawanaibu.JPG
シャワー室内部
LEDのカウンターが利用可能時間を表示する。シャワーカード
1枚で6分の利用が可能。グリーンのボタンを押すとお湯が出て、
赤いボタンを押すと止まる。その間はカウンターも止まる。
ちなみにボディソープ等は置かれていない。


 車内放送で自販機は利用不可との案内があった。少し前に
どこかのblogで自販機は故障中だったとあったのだが、やはり
同じ状況であった。
 乗車前に日本酒とウーロン茶、ジャンクフードを買っておいた
ので特に問題は無かったが、水分だけなら車内に冷水機がある。


hokurikujihannki.JPG
自動販売機(使用停止中)
廃止間近なので、もう修理される事は無いだろう。


 初めての客車寝台を探検し終わってから自分の部屋に戻り、
部屋を暗くして寝台に腹ばいになり、しばらくはぼんやりと暗い
外の景色を眺めて過ごした。
 客車寝台に初めて乗った感想を少し客観的に述べさせてもらうと、
意外と揺れる、空調とレールの音が結構大きいという事だろうか。
他にシングルDXは出入り口に靴用のブラシが掛けてあるのだが、
これが列車の揺れにあわせて壁に当たり五月蝿いので、乗車中
は床に置いていた。
 魚津を過ぎた頃にカーテンを閉め、寝台に横になったのだが、
やはり少し興奮していたのだろう、なかなか寝付けないでいたの
だが、ふと気づいた時には大宮の手前であった。長岡で進行方向
が変わった事に全く気づかなかったので、やはりそれなりに寝込ん
でしまったようだ。心底名残惜しいのだが、もう直ぐ終着の上野、
今回の北陸乗車行もいよいよ終わりである。


hakurikuueno .JPG
北陸テールマーク(上野駅)



 私が少年時代に一番乗りたかったブルートレインは14系時代
の"さくら"である。その意味でも、今回の北陸乗車は私にとって
意味の深いものであった(北陸の客車は14系寝台である)。

 中学生の頃であろうか、鉄道雑誌のコラムか何かで、"夜汽車
というのは一人で乗るものである。今の若い人たちには、ぜひとも
夜汽車で一人旅を経験してもらいたい"と読んだ事がある。確かに
夜汽車というものは一種独特の世界と言うか、他に無い雰囲気を
持った文化、文明であると感じた。
 残念ながら、3月12日発をもって、寝台特急北陸号は過去の
列車となってしまう。そして残る客車寝台特急ブルートレインの
未来も、決して明るいものではない。多くの人や鉄道ファンが
感じているように、私自身もブルートレインが姿を消していく事
が残念でならない。これも時代の流れと言えばそれまでだろう。
高速バスや新幹線に飛行機など、我々消費者にとって移動の
選択が増え、利便性が向上したのは喜ばしいのだが、結果的
に"旅情"を感じる事が減ったのは事実である。


 とにかく、私にとって初めてのブルートレイン乗車の旅は、
早朝の上野で終わった。前日、500系"のぞみ"で東京を出発
してから北陸の金沢入線、そして日が明けての終着上野まで、
良い意味で実感の沸かない一人旅であった。


 そして私は上野から通勤型電車で家路についた。実用本位
なロングシートの車内が、私がいつもの日常に戻ってきた事
を強烈に実感させてくれる。

 夜汽車は一人で乗るもの。確かにそうかもしれないと思う。


uenostasion.JPG
今回の終着 上野駅



















*さて、無駄に長い今回のblogをここまで読んで頂いた時点で、鉄道
 ファンの人ならば私が致命的な"撮り忘れ"をしている車輌がある事
 にお気づきだろう。私も翌朝に上野のホームに降り立った時に気づいた
 のだ。初めての客車寝台に浮かれすぎてしまったのだろう。サンダー
 バードとの並びは撮ってあるのに、お約束である肝心な"あの車輌"との
 並びを撮影し忘れるとは如何にも迂闊でり、私自身とても残念である。

 そんな訳で、上野到着後に辛うじて撮影した、尾久へと引き上げて
 行く"あの車輌"である

485keinoto.JPG
489系夜行急行"能登"
北陸と同じく、今回のダイヤ改正で姿を消す正調ボンネット車輌。



我ながら今回の"北陸乗車行"がこんなオチになろうとは(笑)。

寝台特急"北陸"乗車行 Part1 [鉄道(路線)]

寝台特急"あけぼの"乗車行 [鉄道(路線)]


■今回の"北陸乗車行"で紹介したphotoは、全てCanonPowerShotS90
 にて撮影し、私Raistのハンドル名にて一部を他のblogにも掲載している
 事をお断りさせて頂きます。

寝台特急"北陸"乗車行 Part1 [鉄道(路線)]

 さて、既にこのblogに記したように、1月某日に寝台特急"北陸"
に乗ってきたので、簡単にご報告しようかと思う。


marunouchi.JPG
今回の旅は東京から始まる(改築中の丸の内駅舎)


 実は今回の遠征、もう一つ"乗り"的な目的があったのだ。それは
やはり3月の改正で東京乗り入れが無くなる500系のぞみへの乗車
である(正確には2月28日が最終日である)。たまたま数年前に貰った
旅行券があったので、初の500系乗車はグリーン車を奢ってしまった。
当然始発の東京駅から乗車である。
 この車輌、JR西日本が開発した新幹線車輌で、山陽新幹線内での
最高営業速度300km/hは当時の世界記録であり、今でもこの車輌は
"300km/hのぞみ"のイメージが強く、子供や外国人観光客に人気が
ある。


tokyostpanel.JPG
東京駅17番線"のぞみ29 12:30 博多"
ちなみに入線時刻は12:13(上りのぞみ6号到着時刻)である。

500kei.JPG
500系新幹線 のぞみ29号
しかしなんとカッコイイ鉄道車輌であろうか!
この堂々たる500系16輌編成も、もう直ぐ見納めとは実に残念。

greencarseat.JPG
500系新幹線グリーン車座席


 名残惜しいが500系のぞみは京都で下車。ここ京都では103系や
湘南色の113系がまだ現役である。
 智頭急行所属の特急形気動車HOT7000を実際に見るのは当然
だが初めてで、京都の0番線で何とも独特な存在感を放っている。


naraline103.JPG
奈良線103系

sanin113.JPG
山陰線113系

hot7000.JPG
智頭急行HOT7000系特急型気動車
この後山科方の待避線へと引き上げていった

117keifutsuu.JPG
117系普通
関西方面では"新快速電車"としてお馴染みの車輌だ。
そろそろ引退のカウントダウンが始まりそうである。


 京都の0番線から特急サンダーバードに乗車。一路金沢へと向かう
事になる。


683syanai.JPG
指定席車内(サンダーバード683系4000番台)
京都から敦賀まではご覧の様にほぼ満席状態。敦賀を過ぎると
徐々に空席が目立ち始め、金沢を出る時は1輌あたり7~8人の
乗車率であった。


 上の写真を撮影した時、京都で681系と683系の写真を全く撮って
いない事に気づいた。ついつい113系や117系に気をとられ、肝心の
サンダーバードを全く撮影しなかったのだ(汗)。


kanazawa.JPG

 というわけで金沢に到着。続きは次回の更新で(笑)。

omotenasimon.JPG
金沢駅東口"おもてなし門"

寝台特急"北陸"乗車行 Part2 [鉄道(路線)]

少年時代の憧れ [鉄道(路線)]

 鉄道ファンは"撮り"、"乗り"、"模型"の3つに大別される
のだが、私は"模型"派であると言える。

 どうやら私は、幼い頃から"精密"なものが好きらしく、
ミニカーは勿論、オママゴトにつかうミニチュアの椅子や
テーブル等も好きだった。今の鉄道模型好きは、その
際たるものではないかと思う。私は当然模型派なので、
それに付随する形で"撮り"もするが、それでも早起きして
まで臨時列車を撮りに出かける事は稀なので、その延長
線上と言う意味での"乗り"に食指を動かされる事は殆ど
無い、生粋の"模型"派であると言えるだろう。

 しかし昨今、所謂"ブルートレイン"と呼ばれる一群の夜行
列車が加速度的にその姿を消していくのはなんとも寂しい
限りで、夕方から夜にかけ、いまやアルミ車体が当たり前と
なった近郊型や通勤型電車が忙しなく行き交う中で、機関車
を先頭に青い客車が長旅を前に、優雅にホームに佇む様は
ある種の風格すら感じさせ、模型派であっても強い憧れを
感じるものである。

 そう、国鉄時代から長いこと"鉄道ファン"を自認する私で
はあるのだが、じつは寝台特急"ブルートレイン"に乗った事
が一度も無いのだ。子供の頃、随分と両親にブルートレイン
乗車をねだったものだが、地方に親族が居る訳でもない我が家
にとって、小学生を連れて寝台特急で遠方に出かけるなど、
当時は両親にとって現実的ではなかったのだろう。

 少年時代、東海道を下る"さくら""あさかぜ""みずほ"
"瀬戸""富士""はやぶさ"や、雪をつけた機関車を先頭に、
東北から上野へ上ってくる寝台特急達は憧れの的だった。



 現在、伝統的な"ブルートレイン"と呼べる寝台特急は
"あけぼの""北陸""日本海"の3列車みである(カシオペア、
トワイライトは観光列車という方向性が強く、北斗星も
個人的には然りと思っている。サンライズも一度は乗り
たい大好きな列車だが、あれは青くないしそもそも電車
である)。
 そんな現在の寝台特急ブルートレイン事情であるのだが、
12月18日に来年3月のダイヤ改正で、夜行急行"能登"と
共に寝台特急"北陸"の定期運用を廃止すると、JR東日本
から正式に発表された。




 もうグズグズしてはいられない。少年時代に憧れた、あの
折り戸も典雅な青い客車に乗れるチャンスは、今回の北陸
廃止で確実に減ってしまうのである。


hokurikukippu .JPG


 そういうわけで、思い切って購入してしまったのがこの
切符と言う訳だ。なんと1人用個室A寝台のシングルDX
である。


 北陸廃止が決定し、もはや週末の空席は難しいかと考え、
物は試しと平日の上りを申し込んだのだが、なんとも拍子
抜けする程簡単に取れてしまい、金沢までの移動手段は
これから考えなければならない状況である(苦笑)。


 現在の"北陸"は金沢~上野の約500kmを8時間かけて走る、
寝台列車としては些か物足りない走行距離で、昭和34年に
今の運行形態となった。それ以前は大阪~上野を北陸方面
経由で走る急行列車であったが、客車の20系化と共に特急
へと格上げされた。国鉄からJRとなり、JR東日本の受け持ち
になってからは平成元年にシングルDXやシャワー設備が取り
入れられ、減車(12輌→8輌編成)や運転経路の変更などを
経て現在に至っている。
 来年3月のダイヤ改正以降は、多客期のみの臨時列車として、
583系寝台電車で運行される事になるとか。





 実際に乗車するのはまだ少し先ではあるのだが、いざ当日
に運休とならないよう、神に祈るばかりである(あとは有給
休暇の申請も(笑)。



今回は少々マニアックな"鉄ネタ"で [鉄道(路線)]

 埼玉の大宮から東京を抜け、神奈川の大船へ至る路線
である京浜東北根岸線。その営業路線長は81.2kmにも
なる。ラインカラーはスカイブルー、国鉄色で青22号だ。
 この路線、面白い事に大宮~東京は東北本線の緩行線
扱いとなっている。さらに東京~横浜は東海道線の緩行
線とされ、横浜~大船は"根岸線"と呼ばれている。つまり、
この"京浜東北線"という路線戸籍は存在せず、この呼称は
先述の東北本線と東海道線の緩行に、横浜~大船間の根岸
線を含めた"通称"なのである。


 そんな京浜東北線、実は"上り・下り"という呼び名が
存在しない。
 基本的に"上り"は拠点駅に向かう列車の呼称だが、この
路線の場合、大宮から見た東京方面行きと、横浜から見た
東京方面行きが両方"上り"になってしまう。そのため、大宮
発東京方面行を"南行"、逆を"北行"と区別しているのである。
 そのため、行き先表示も実にバラエティに富んでおり、その
上普通と快速が混在しているので、その行き先表示は20種類
以上もあるらしい。さらにダイヤの乱れ等で通常使われない
行き先表示を含めれば、その種類はさらに増えるのである(私も
正確な数は知らないのだが)。



 そんな京浜東北線の最も(通常利用されない行き先表示を除いて)
レアな行き先表示がこれである。
209akabane.JPG
快速赤羽 [磯子14:02-赤羽15:12(2009年9月現在)]


 "普通"赤羽は頻繁に見られるが、この"快速"種別は土曜
休日の"北行"1本のみである。
 私は狙って撮った訳ではなく、偶然見かけた際に、最もレアな
行き先表示である事を思い出したので撮ってみたのだが、何だか
ラッキーな感じがして少し特した気分になった(笑)。



 日常的に利用している電車での移動を退屈に感じている人は、
こんな何気ないトリビア(とまでは言えないかもしれないが)を
自分で探し、楽しんでみるのも悪く無いと思う。
タグ:鉄道

ここ最近は"鉄"分過多 [鉄道(路線)]

 と言うワケで、この週末も先週に引き続き"鉄"分の補給である。
他にやりたい事もあるのだが、どうもこのところ鉄関係ばかり
なので、blogのネタ的にも同じテーマが続くというのも、ちょっと
いかがなものだろうかと思案している今日この頃である。


N259.JPG
新型成田エクスプレスE259(JR横須賀駅)

s11000.JPG
相模鉄道新型車両11000系(相模鉄道 相模大塚駅構内)


 E259はこの春に東急車輌で落成した、新型の成田エクスプレス
用車両で、この秋から営業運転に入る。6両2編成の12両が既に
落成しており、この日お披露目されたのは6両1編成だ。実際の
営業運転は6両単位での運用となるが、もちろん6+6=12両編成
での営業運転もあり、おそらくは12両編成での運用がメインで
あるだろう。
 現在の成田エクスプレスE253は3両単位で、1編成3両から12両
で運用されており、最小組成単位は3両or6両だが、このE259は
6両である。

 相模鉄道の11000系はJRのE233の兄弟車で、同じくJRのE231を
元にした10000系と違い、今回から車両限界がJRと同じ2950mm
である。顔つきはJRとくらべ、よりいっそう"顔なし"度が高い
印象だ。
 去年10月の落成以来、色々と想定外の問題があったようだが、
ようやく15日(月)から営業運転を開始する。まずは10両2編成か
らである。


 新型の成田エクスプレスは、そのデザインが某特急型のパクリ
と言われているが、個人的にこのデザインは嫌いではない。営業
を開始したら、早速乗ってみようと思う。
 相模鉄道の11000系は、車内もJRのE233と基本的に差異は無いが、
やはりE233は(アンチから"顔無し"と呼ばれようとも)好きな車両なので、
こちらも機会があれば是非乗ってみたい。実際にサービスインするのは
まだ10両2編成のみなので、ダイヤを調べてから乗りに行く必要がある
だろう。

 まあ、何時になるか解らないが、相鉄は兎も角、海外に行くワケ
でも無いのに、大して荷物も持たずにNEXに乗るのは、如何にも"鉄"的
でちょっと抵抗が無いワケでもないのが困ったものではあるかもしれ
ない(苦笑)。


 では、参考までにJRのE233のphotoも載せておこうと思う。
相鉄Ver.の11000系が、いかに"顔無し"度が高いか良く解る
だろう(笑)。


e233_0.JPG
JR E233_0番台(中央線-中野駅)

e233_1000.JPG
JR E233_1000番台(京浜東北線-横浜駅)

注)上の画像の何枚かは私"Raist"の名前で他のblogにもUPして
  おります事をご了承頂きたく、宜しくお願い致します。

高崎の人気者達 [鉄道(路線)]

 今日は"撮る"目的で出かけてきた。横浜開港150周年を記念
した臨時列車、"快速レトロ横濱号"である。


レトロEF65.JPG
快速レトロ横濱3号(下り方)EF65 501

レトロEF64.JPG
快速レトロ横濱3号(上り方)EF64 1001


 始発の横浜駅での撮影である。連結されている客車は全て
昭和29年から30年に製造された、所謂"旧型客車"であり、SL
時代の生き証人であり、同時に大いなる鉄道遺産でもある。
当然だが鉄道ファンの人気も高く、ひとたび走るとなれば、
ホームや沿線はカメラの砲列が出来る。


 下り方の機関車"EF65 501"は昭和40年に落成した機関車で、
かつては"20系ブルートレイン"の先頭に立っていたEF65旅客
用(500番台-P型-)のトップナンバー機である。2009年6月現在、
営業運転可能な唯一のP型EF65(のはず(笑)であり、鉄道ファン
の人気も高い。

 上り方の"EF64 1001"という機関車は国鉄が最後に開発した
機関車で、EF64型1000番台のトップナンバーだ。
 この1001号機は1987年にイベント列車、および先頃引退
したEF55の補機としてぶどう色に白帯の塗装に変更され、
それ以後はずっとこのカラーで活躍している。時には工臨
や団体列車の先頭に立つ事もある。


 これら上記の車両は全て高崎車両センターと高崎機関区
に籍があり、JR東日本のイベントには欠かせない人気者達だ。

 高崎には国鉄時代の貴重な車両が、営業運転可能な状態で
多く動態保存されている。当然だが、それら車両の維持管理
も大変であろう事は想像に難くない。


 これらの車両達と、その整備や運用に関わる多くの人達
には心からの感謝と敬意を払うと同時に、これからも多くの
人達を楽しませてくれるよう、是非とも頑張って頂きたい
ものである。


注)上の画像は他のサイトにもUPしています事ご了承下さい。

ベストセラーにも色々とある訳だが・・・ [鉄道(路線)]

 去年か一昨年だったか、某新聞の全国版にこんなタイトルが
出ていた。

 "乗れない時刻表がベストセラー"



jrf.JPG
2009JR貨物時刻表

 社団法人鉄道貨物協会が年に1回発行している、貨物
列車の時刻表だ。

 貨物列車と荷扱いをする駅のみ掲載された時刻表で、本来
は荷主や物流事業者向けである。
 発行部数は非常に少なく、取り扱い書店も限られる。確実
に入手するには鉄道貨物協会会員になり、前もって予約する
必要があるのだが、2008年に旭屋書店本店の売り上げで一般
書部門第9位となった為、今年から発行部数を大幅に増やした
らしい。かくいう私も、発売日から数日経ってから購入した。


 "なぜ貨物列車の時刻表が売れるのか?"

 鉄道ファン以外には、ちょっと理解出来ないだろう。


 鉄道ファンは、なにも優等列車やイベント列車、新幹線ばかり
追いかけているわけでは無い。客車列車が殆ど姿を消した昨今、
機関車を撮影するには貨物列車しかない。中には旅客仕業に
充当されない、貨物専用の機関車も存在する。勿論、雑多な
貨物列車の編成そのものに魅力を感じるファンもいる。20両以上
のコンテナ列車が90km/hで疾走する様は、確かに圧巻である。
 そんな機関車や貨物列車を撮影するためには、やはり貨物
列車の時刻表が必要になるという訳なのだ。

 この時刻表、見ているだけでもなかなか面白い。荷扱いしか
しない駅や、旅客線とは外れた場所にある路線など、普段は
気にしない貨物列車の運行ダイヤを見る事で、日本の物流が
見えてくる。
 価格は2400円と、普通の時刻表に比べ少々高いのだが、
鉄道に興味の無い人も、話しのネタに買ってみてはいかが
だろうか(笑)?。
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