SSブログ

寝台特急"北陸"乗車行 Part2 [鉄道(路線)]

 というわけで、"北陸"乗車行のPart2である。


 今回、金沢ではもう一つの目的があった。それは以前に同じ職場
で一緒に働いていた知人に会う事で、現在は郷里であるこの地方に
住んでいると聞いていたのだ。前日に突然連絡したにも関わらず、
当日彼は金沢駅まで車を飛ばしてきてくれたのだ。


gesotenndon.JPG
げそ天丼
金沢の一部で流行りだとか?
この天丼、イカのゲソと長ネギをサックリと揚げてあるのだが、
かき揚げになっているワケではないのがポイント。関西風
の天ぷらに関東風の濃いタレ。うどんは見た通りの関西風。
しかしこの天丼、実に旨かった。


 知人と別れてからは金沢駅で"撮り"である。京都もそうだった
のだが、私の地元ではまず見る事が出来ない車輌ばかりである。


hokuetukanazawa.JPG
特急"北越"
金沢~新潟を結ぶ特急。ある意味ではサンダーバードを
補完する位置づけと言えよう。485系もまだまだ元気そう
で何よりだ。

475keikanazawa.JPG
475系
国鉄時代の急行型車輌。JR現在、最後の急行型電車だ。
この編成はいわゆる"大目玉"である。

thunderbird.JPG
683系サンダーバードと

681heiketu.JPG
サンダーバード貫通面
このphotoは構図的に面白いと思う。パッと見で何か
能面の様な印象を受ける。

419kei.JPG
419系
一度本物を見たいと思っていた車輌で、寝台電車である581・583系を
近郊型に改造した車輌である。何とも不思議な雰囲気を醸し出していた。

hokurikuannnaikanazawa.JPG
列車案内表示
いよいよ北陸の入線時刻が迫る。

IMG_0222.JPG
金沢駅で出発を待つ寝台特急"北陸"号
本日の牽引はEF81 149号機。1979年8月三菱にて落成した機関車だ。

thunderbirdtohokuriku.JPG
683系サンダーバードと

3gousyaSDX.JPG
A寝台3号車シングルDXの表示


 反対側のホームから何枚か撮影し、早速乗車した。私の部屋に
入り荷物を置くと、11号室から早速検札が始まった気配である。
検札時にシャワーカードとタオルを購入。シングルDXに付いて
くるアメニティセットは検札時に受け取った。室内に置いている
と発車前に持っていかれてしまう事も多いのだろう。カードキー
は言わなければ受け取れないと聞いていたのだが、カレチ氏は
この時に渡してくれた。


sdxrtsuuro.JPG
オロネ14 700番台 個室A寝台車通路

sdxsitsunai.JPG
シングルDX室内(寝台状態)

sdxsitsunai2.JPG
シングルDX室内(ソファー状態)
洗面台とサイドテーブルを出した状態

sdxsitsunai3.JPG
シングルDX室内(出入り口側)
*PowerShotS90の画角ではこれが精一杯


 ブルートレインのサイトで紹介されている個室寝台のphotoは、
得てして広角寄りで撮影されている場合が多く、その写りは実際
より広い印象を抱かせてしまう。本物はそれらの写真で想像する
よりも、かなり"こじんまり"した空間である。私は列車内で一晩
過ごすには、とても実用的な広さであると感じた。
 出入り口の上はラゲッジスペースになっており、空間的には
通路の屋根裏にあたる。それなりに大きな容積があり、奥の方
に荷物を入れてしまうと、取り出すのに少し苦労しそうである。

 色々と観察していると、いよいよ発車時刻が近づいてきた。
発車の瞬間を味わいたいので、細部の観察は一時中断、寝台
の上で胡坐になり、その時をまった。
 そして22時18分、客車列車特有の衝撃と共に、北陸号は定時
に金沢を出発した。高岡を過ぎたところで早速シャワーを浴びに
行く。待っている人は居なかったが、シャワーは両方使用中で
あったので暫く待つと、10分も待たずに使う事が出来た。


hokurikusyawa.JPG
シャワー室(枕木方向に2部屋並んでいる)

hokurikusyawanaibu.JPG
シャワー室内部
LEDのカウンターが利用可能時間を表示する。シャワーカード
1枚で6分の利用が可能。グリーンのボタンを押すとお湯が出て、
赤いボタンを押すと止まる。その間はカウンターも止まる。
ちなみにボディソープ等は置かれていない。


 車内放送で自販機は利用不可との案内があった。少し前に
どこかのblogで自販機は故障中だったとあったのだが、やはり
同じ状況であった。
 乗車前に日本酒とウーロン茶、ジャンクフードを買っておいた
ので特に問題は無かったが、水分だけなら車内に冷水機がある。


hokurikujihannki.JPG
自動販売機(使用停止中)
廃止間近なので、もう修理される事は無いだろう。


 初めての客車寝台を探検し終わってから自分の部屋に戻り、
部屋を暗くして寝台に腹ばいになり、しばらくはぼんやりと暗い
外の景色を眺めて過ごした。
 客車寝台に初めて乗った感想を少し客観的に述べさせてもらうと、
意外と揺れる、空調とレールの音が結構大きいという事だろうか。
他にシングルDXは出入り口に靴用のブラシが掛けてあるのだが、
これが列車の揺れにあわせて壁に当たり五月蝿いので、乗車中
は床に置いていた。
 魚津を過ぎた頃にカーテンを閉め、寝台に横になったのだが、
やはり少し興奮していたのだろう、なかなか寝付けないでいたの
だが、ふと気づいた時には大宮の手前であった。長岡で進行方向
が変わった事に全く気づかなかったので、やはりそれなりに寝込ん
でしまったようだ。心底名残惜しいのだが、もう直ぐ終着の上野、
今回の北陸乗車行もいよいよ終わりである。


hakurikuueno .JPG
北陸テールマーク(上野駅)



 私が少年時代に一番乗りたかったブルートレインは14系時代
の"さくら"である。その意味でも、今回の北陸乗車は私にとって
意味の深いものであった(北陸の客車は14系寝台である)。

 中学生の頃であろうか、鉄道雑誌のコラムか何かで、"夜汽車
というのは一人で乗るものである。今の若い人たちには、ぜひとも
夜汽車で一人旅を経験してもらいたい"と読んだ事がある。確かに
夜汽車というものは一種独特の世界と言うか、他に無い雰囲気を
持った文化、文明であると感じた。
 残念ながら、3月12日発をもって、寝台特急北陸号は過去の
列車となってしまう。そして残る客車寝台特急ブルートレインの
未来も、決して明るいものではない。多くの人や鉄道ファンが
感じているように、私自身もブルートレインが姿を消していく事
が残念でならない。これも時代の流れと言えばそれまでだろう。
高速バスや新幹線に飛行機など、我々消費者にとって移動の
選択が増え、利便性が向上したのは喜ばしいのだが、結果的
に"旅情"を感じる事が減ったのは事実である。


 とにかく、私にとって初めてのブルートレイン乗車の旅は、
早朝の上野で終わった。前日、500系"のぞみ"で東京を出発
してから北陸の金沢入線、そして日が明けての終着上野まで、
良い意味で実感の沸かない一人旅であった。


 そして私は上野から通勤型電車で家路についた。実用本位
なロングシートの車内が、私がいつもの日常に戻ってきた事
を強烈に実感させてくれる。

 夜汽車は一人で乗るもの。確かにそうかもしれないと思う。


uenostasion.JPG
今回の終着 上野駅



















*さて、無駄に長い今回のblogをここまで読んで頂いた時点で、鉄道
 ファンの人ならば私が致命的な"撮り忘れ"をしている車輌がある事
 にお気づきだろう。私も翌朝に上野のホームに降り立った時に気づいた
 のだ。初めての客車寝台に浮かれすぎてしまったのだろう。サンダー
 バードとの並びは撮ってあるのに、お約束である肝心な"あの車輌"との
 並びを撮影し忘れるとは如何にも迂闊でり、私自身とても残念である。

 そんな訳で、上野到着後に辛うじて撮影した、尾久へと引き上げて
 行く"あの車輌"である

485keinoto.JPG
489系夜行急行"能登"
北陸と同じく、今回のダイヤ改正で姿を消す正調ボンネット車輌。



我ながら今回の"北陸乗車行"がこんなオチになろうとは(笑)。

寝台特急"北陸"乗車行 Part1 [鉄道(路線)]

寝台特急"あけぼの"乗車行 [鉄道(路線)]


■今回の"北陸乗車行"で紹介したphotoは、全てCanonPowerShotS90
 にて撮影し、私Raistのハンドル名にて一部を他のblogにも掲載している
 事をお断りさせて頂きます。
nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

寝台特急"北陸"乗車行 Part1KATO EF15 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。